中露、米弱体化へコロナ偽情報を悪用-シンクタンク報告書

(2021年11月20日)

在北京米国大使館が主催する米国大統領選挙イベントで、ホテルの外に掲げられた米国と中国の国旗。(AP Photo/Andy Wong)

By Bill Gertz – The Washington Times – Monday, November 15, 2021

 

 シンクタンク、ランド研究所が15日に発表した報告書によると、中国とロシアは、米国を弱体化させ、世界中で中国とロシアが描いたシナリオを推進する目的で、新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)に関する偽情報を広めたという。

 

 報告書によると、偽情報は「立証された真実」をめぐる激しい論争を招いた。報告書はこれを「真実の崩壊」と呼んでいる。それによって、一般に事実や分析とされていることへの疑念が深まった。

 

 報告書は、「真実の崩壊は、米国内および国際的な安全保障にとって深刻な脅威であり、さまざまな国の悪質なアクターによる悪意ある行動によって促進された」と指摘している。

 

 報告書はまた、「ソーシャルメディア上の偽情報の多くは、比較的少数の悪意あるユーザーによって拡散されている」と結論付けている。

 

 また、「ロシアと中国の英語ニュースは、特定のシナリオ、特に米国の国益を損ね、ロシアと中国の地政学的利益を高めるシナリオを推進するように操作されているようだ。また、パンデミックを政府や支配階級が市民を利用する機会として捉えたり、新型コロナの起源に疑問を投げ掛けたりするなど、さまざまな陰謀論を助長しているようだ。これは、ロシアと中国の政府による重大な不正行為だ」と指摘している。

 

 報告書は、敵対国からの反米偽情報を検知するハイテクシステムの構築を求めている。このシステムによって、ニュースの大勢に影響を与えようとする外国政府の行動を明らかにし、それを可視化する。

 

 報告所の著者は、ランド研究所の専門家、クリスチャン・ジョンソン氏とウィリアム・マーセリーノ氏。ジョンソン氏は物理学者で、機械学習や人工知能(AI)などの定量的な科学技術を公共政策に応用することを専門としている。マーセリーノ氏は、行動科学者、元海兵隊員で、テキスト分析と、戦争を遂行する上での情報の役割を専門としている。

 

 偽情報とは、政治的または経済的な目的を達成するために、虚偽または誤解を招くような情報を意図的に広めることと定義されている。また、意図せずに誤った情報を広めてしまう「誤報」や、意図的に虚偽の内容を報道する「フェイクニュース」も脅威の要素となる。

 

 中国やロシアでは、国と連携した通信社が、パンデミックやそれに対処するための公衆衛生対策に関する陰謀論を広めていた。

 

 報告書は「例えば、新型コロナは生物兵器であるとか、実験室で作られたものであるといった説や、接触者追跡の取り組みは、政府やテクノロジー企業が市民を追跡するために行っている取り組みの一環という説などが挙げられる」と指摘している。

 

 また、中国とロシアが推進した偽情報には、新型コロナに関する反米陰謀論が含まれており、中国は情報操作の中で、中国寄りのニュースを流す一方、中国政府が新型コロナへの初期対応を誤ったこと、さらに新型コロナの発生源について口を閉ざしていることを「ロンダリング(ごまかし)」しようとしているという。

北京の米国大使館が主催した米大統領選挙関連イベント中、ホテルの外に米国と中国の国旗が掲げられた。政府報告書は、中国、ロシア、イランの諜報機関が、米国の企業、政府研究所、大学から企業秘密や専有情報を盗もうと躍起になっている様子を明らかにしている。(AP通信/アンディ・ウォン)

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