バイデン氏が見捨てた同胞

(2021年12月15日)

2021年8月30日、米空軍提供の写真で、アフガニスタン・カブールのハミド・カルザイ国際空港で、非戦闘員避難作戦の最終ミッションを支援する米空軍C-17グローブマスターIII機に搭乗する第816遠征空輸中隊所属の空軍搭乗員が、第82空挺師団所属兵士の受け入れを準備している。(Senior Airman Taylor Crul/U.S. Air Force via AP)

By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, December 8, 2021

 ダグラス・マッカーサー元帥はかつて、「規則は大抵、破られるべくして作られるものだ」と皮肉を言った。戦場で命が危機にひんしている時ほど、規則破りが重大な結果をもたらすことはない。アフガニスタンのタリバンの大物支配者が権力の座に復帰したことは、派閥テロから機能的統治へと、国家の移行を導くことを目的として打ち立てられたはずのもろもろの政策に対する蔑視を明示している。

 ボクサー、マルケスがクインズベリー・ルール(訳注:19世紀に英国のクインズベリー侯爵の主導で作られたボクシングの規則)に従ったフェアプレーの話が、ここに出てくる互いに殺し合うような宗教の違う戦闘員には、ピンとこないことは理解できる。とはいえ、タリバンがやっているような裏切り行為に平和の訪れは期待できない。

 米国務省は、以前のアフガン治安部隊の「皆殺しと強制的失踪」をめぐって、タリバンを非難するために世界中の同盟国を結集させた。「私たちは、申し立てられている行為は深刻な人権侵害であり、タリバンが公表した恩赦に矛盾するということを明言する」と、米国、EU(欧州連合)、英国その他の国々が4日に発表した声明には書かれていた。

 100人以上の警官や諜報(ちょうほう)当局者の法的に認められない誘拐および処刑は、8月のアフガン政府の崩壊に続いて、タリバンの指導者らが受け入れた協定に違反している。人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」は11月に、国の新しい指導者らは、以前の治安部隊に、彼らの安全を保障する書簡を出す代わりに、当局に届け出るように命じたと報告した。ところが、安全を保障するどころか、その通知は、処刑あるいは、投獄を行うための一斉検挙をするための武器として利用されている。

 テロ行為をやっているのは正しいことをできない人々だとしたら、驚きだろうか。いや、そんなことはない。だが、そういう連中が他にもいるとなると、不安を覚えるものだ。

 米国人は、バイデン大統領が、基地のアフガン人の新しい指揮官に気を付けるように警告することなく、真夜中に安全なバグラム空軍基地を突然放棄したことを忘れることはできない。また、米軍に避難の支援を死に物狂いで求める民間人の群衆の光景や、米国のジェット機の胴体にしがみつき、落下し死亡した無力な人たちや、自爆によって殺害された13人の勇敢な米国人のことも、見なかったことにすることはできない。

 さらに、数百人の米国の民間人や、おそらく数千人の米国の合法的な居住者がまだ――いまだに――バイデン氏が彼らを見捨てた敵の領土に閉じ込められていることを知るにつけ、思い出すたび心がうずく。

 中国が台湾を脅し、ロシアがウクライナを侵攻しようと接近するにつれ、侵略の脅威の矢面に立つ人々は、長年の米国の断固たる支援の誓い――今では、アフガニスタンを放棄した男の責任――などは、ほとんど空約束同然だと思わずにはいられない。

 マッカーサーは指揮権を失って、朝鮮戦争中、事実上、自分自身用の規則を作り上げた。もっとも、タリバンは、アフガン人に対して裏切り的姿勢を採った結果として、手厳しい報道を除いて、別に重大な事態に直面してはいない。バイデン氏は、彼の了解不可能な無能なアフガニスタン撤収によって、自分自身が裏切りの年代記に書き込まれるのに、自ら手を貸すことになった。

 行動規範は、人類の共存には不可欠である。残念ながら、支配者が「規則は汝(なんじ)らのためにあるのであって、我がためにあるのではない」と言う格言に従う限り、平和の実現は不可能である。

カリフォルニア州選出の共和党下院議員、ヤング・キム氏が2024年4月15日、ワシントンの連邦議会議事堂で演説を行った。(AP通信/J・スコット・アップルホワイト撮影、資料写真)

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