警察予算の削減について、大統領と民主党に責任を問うべき時だ

(2022年9月21日)

アメリカの犯罪に関するイラスト:Alexander Hunter/The Washington Times

By Charles Hurt – The Washington Times – Thursday, September 15, 2022

 平和の時代、選挙の争点はおおむね経済だ。ビル・クリントン元大統領の1992年選挙戦で思い出すが、「大事なのは経済なんだ、馬鹿者が!」。

 選挙戦で経済より大事な政策課題があるとすれば安全保障だ。大統領になりそこなったジョン・ケリー氏に聞いてみればいい。彼はそれまで支持していた対テロ戦争について、2004年に大統領候補になろうとして、対テロ戦争反対に転じたが、結果はどうだったのか。

 今年の選挙は経済がすべてだろう。インフレ、ガス料金、賃金の停滞、サプライチェーンの崩壊等等。

 ジョー・バイデン大統領は、新規の大規模な連邦歳出法によって、自らの政権がインフレを抑えられるはずだったと有権者たちに熱弁をふるっている。その場の空気が張り詰めるほどの、しかし首尾一貫しない訴えのおかげで、ダウ平均株価は急騰するインフレを背景に1,200ポイントも下降した。

 怒りたくなるのも無理はない。

 経済と同じくらい惨めな状態で、民主党とマスコミが経済に関しては言い逃れに必死だが、もっとぞっとする怪物が大統領と民主党を待ち受けている。それは犯罪の蔓延だ。

 はびこる不正と喧騒。

 どんなことが起きているのか。学校教師の若い母親が朝のジョギング中に殺された。凶悪なチンピラによって10代の学生が、校内トイレの壁に激しく叩きつけられた。車椅子の男性をトラックが故意に轢いた。通勤客たちが地下鉄列車の前で陰惨な死を迎えた、等など。

 暴徒による強盗、武装したホールドアップや不意打ち攻撃などは件数が多くて集計すらできない様だ。

 こうした暴力シーンが国中のテレビで繰り返され、ソーシャルメディア上を飛び回っている。生々しい野蛮な光景を見せつけられて、分別と見識を持つ人々の神経は苛立つばかりだ。

 ギリシャ語の「thumos」という単語が脳裏に浮かぶ。その言葉は、分別と見識がある人が、弱くて無防備な人々に向けられた非道徳で残虐な行為を目の当たりにしたときに沸騰してくる怒りの感情を意味している。

 急騰するインフレが大統領と民主党の政策に帰結させられるように、バイデン大統領と民主党のお仲間たちの政策が、こうした犯罪の爆発を惹き起こしたのだ。

 暴動と無法を讃え、暴徒による暴力を助長し、さらに「警察の予算を削減する!」と公然の約束をし、閑散となった刑務所が、こうした毒された結果をもたらした。米国民の憲法修正第2条の権利(武器を保有し、また携帯する権利)に対して数十年間続けられてきた攻撃が、今のような時勢に格別の痛みとなっているようだ。

 米国民にこうした惨めさと流血を押し付けるバイデン大統領と全民主党員の方々は、武器庫で防護されている。しかし罪なき米国の納税者たちは、自らと家族と隣人の身を守ることが許されていない。

 そんな中で朗報は、大統領と民主党仲間による馬鹿げた殺人的な政策に反対する政治家が米国にいることだ。悪いニュースは、バイデン大統領と民主党員の仲間の一人が、馬鹿げた殺人的な政策を議会で推進していることだ。

 フロリダ州の上院議員選挙では、現職のマルコ・ルビオ上院議員(共和党)に対抗して、ヴァル・デミングス下院議員(民主党)が立候補している。デミングス議員は議会で、大統領と民主党に共同歩調を採ってきたが、バイデン・民主党の犯罪システムには反対している。

 「上院に選ばれたら、警察への予算削減といった悪しきアイデアからフロリダ州を守ってみせる!」、デミングス女史はキャンペーン広告の中で宣言した。

 ワシントンタイムズの政治記者スーザン・フェレキオによると、デミングス女史は所属する民主党の「警察への予算削減」キャンペーンに反対して数百万ドルを費やし、ルビオ上院議員に2?3ポイント差で迫ってきた。

 「この選挙戦は極めて接戦になるだろう」、世論調査員の一人はタイムズ紙に語った。

 「共和党員たちは、(フロリダでの)その選挙戦を心配すべきだ」、米国保守連合のマット・シュラップ議長は警告した。

 デミングス女史について特に注目に値するのは、国政に関わる前はフロリダ州中央部のオーランド市の警察署長を務めたにもかかわらず、警察予算削減を目論む全国的政治組織の一員だったことだ。

 誰も語らないが、民主党の下院議員時代に、フロリダ州で警察予算の削減と言うアイデアに捉われていた人物が、どうやって「警察への予算削減という忌まわしいアイデアからフロリダを守る」ことを企図しているのか。

 いずれにせよ、この事態は来たる中間選挙で犯罪増加の問題が重大な争点の一つになることを示唆している。

 あわよくば共和党の候補者たちは、この現実に覚醒し、あらゆる暴力と犯罪についてバイデン大統領と民主党の連中に然るべき責任を負わせてほしいものだ。

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