対中警戒「遅すぎる」-次期下院委員長が警鐘
By Ben Wolfgang – The Washington Times – Tuesday, December 20, 2022
来年1月に始まる米議会で新設される下院特別中国委員会の委員長を務めるマイク・ギャラガー議員(共和)は、強まる中国の脅威への対応が「遅すぎる」と主張、バイデン政権は軍事・経済両面で中国に対抗するための十分な措置を講じていないと非難した。
ギャラガー氏はワシントン・タイムズとのインタビューで、共和、民主両党の歴代政権は過去20年間にわたり、重要な国際問題に迅速に対応してこなかったと指摘、軍事・経済両面で米国に追いつこうとする中国の脅威についても「目覚めてきてはいるものの、遅すぎる」と、対応を急ぐ方針を明確にした。
バイデン大統領は11月の習近平・中国国家主席との会談で、両国の「競合」を指摘しながらも、融和的な姿勢を示した。一方の中国も、会談を「率直で建設的」と評価したものの、台湾については「越えてはならない一線」と依然、強硬な姿勢を示した。
これに対してギャラガー氏ら専門家は、米国の対応は不十分であり、台湾とその周辺の西側の軍事力は、台湾をめぐる直接衝突で中国に勝つには不十分と主張している。ギャラガー氏は「今のところ意味のある戦争計画は見られない」と指摘、「習近平氏が台湾併合を達成できないと思わせられるだけの兵器と人員を配置する」必要性を訴えた。
経済については、「分断が顕著なのは産業・金融界対われわれ政界だ」と指摘、サプライチェーン(供給網)の対中依存問題に取り組む意向を表明した。
中国は依然として、米国の主要貿易国であり、カナダ、メキシコに次いで第3位。アップル、ボーイング、テスラ、スターバックスなど米国の主要企業が中国で活動している。
また、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」については、この10年間で150カ国に巨額の資金を投じてきたものの、最近は「一部で勢いが弱ってきている」と指摘。3期目の習近平政権発足で、一帯一路への取り組みを強化する可能性があると警戒の必要性を訴えた。