止まらない中国核増強-米戦略軍司令官

(2023年8月23日)

2019年10月1日、北京で行われた共産中国建国70周年記念パレードで、DF-41核弾道ミサイルを搭載した軍用車両が転がる中、中国国旗を振る観客。(AP Photo/Mark Schiefelbein, File)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, August 16, 2023

 コットン米戦略軍司令官(空軍大将)は16日、中国の急速な核戦力増強は依然、続いており、中国がロシアと共に米国の核抑止力にとって二重の脅威となっていると述べた。 戦略軍は2018年に中国の核戦力の「ブレイクアウト(急増)」の見通しを発表していたが、コットン氏は記者団に対し、中国はこの見通しに沿うように核戦力の「構築」を進めていると指摘、ミサイル、潜水艦、爆撃機を含む中国の新しい戦略兵器の配備を懸念していると述べた。

 核増強は、移動式および地上配備型の核ミサイル、H6N戦略爆撃機、増え続ける核ミサイル潜水艦部隊の3本柱(トライアド)で進められている。

 中国の核戦力の多くは、核と通常弾頭の両方を搭載可能であり、センサーをかいくぐり、地球周回軌道上の兵器から核弾頭を発射できる新型の極超音速ミサイルも装備している。

 地球規模攻撃軍団の前司令官であるコットン氏は、ネブラスカ州オマハで行われた軍団主催の会議と並行して行われた記者らを囲んだ会議で「増強の勢いが弱まる兆候は見当たらない」と語った。

 コットン氏は「(中国は)正真正銘のトライアドを持っている。H6N戦略爆撃機は空中給油可能で、実際に給油を行っている。潜水艦の航続距離は十分に長い。以前は移動式ミサイルにかなり限定されていたが、今はサイロ(地下発射施設)を保有している。常に監視している」と述べた。

 戦略軍当局者らは議会での証言で、核増強の中でも特に注目すべきは、中国西部の3カ所で建設されている大型ミサイル基地だと強調した。基地のサイロには、弾頭を3発搭載可能な新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風41」など最大320発の多弾頭ミサイルを格納できる。

 このサイロに格納された新型ミサイルについてコットン氏は「われわれはそれらがどこにあるかを観察し、監視している」と述べた。

 戦略軍情報部門は、このミサイル基地に関する最新情報を定期的に提供している。コットン氏はこれらの基地について「最初に発見された時のような急速な動きは見られていない」と語った。

 また、中国のどの戦略兵器に最大の懸念を抱いているかという質問にコットン氏は「すべて」と答えた。

 コットン氏は、米国とロシアの戦略兵器部隊は70年間、戦力を構築してきたが、「(中国は)始めたばかりだ」と指摘、「最高の(兵器の)組み合わせを目指している。それはトライアドのようだ」と語った。

 中国の戦略部隊にとって大きな利点は、ミサイル戦力を含めた大部分のシステムが核と通常兵器の両用であることだ。コットン氏は、これによって軍事計画立案者は、どの武器をどのように使用するかを巡って「さまざまな選択肢」を手に入れることになると述べた。

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