特別検察官報告書で浮き彫りになった司法省のダブルスタンダード

(2024年2月17日)

2022年12月21日、FBIによる捜索中のデリー州ウィルミントンにあるジョー・バイデン大統領の散らかったガレージ。(司法省 via AP)

By Editorial Board – The Washington Times – Monday, February 12, 2024

 ロバート・ハー特別検察官による8日の報告を受けて、民主党は大慌てだ。メリック・ガーランド司法長官は、デラウェア州にあるバイデン大統領の自宅ガレージで愛車コルベットの近くに無造作に詰め込まれた機密文書の山が発見された後、今回388ページの報告書を作成したハー氏をしぶしぶ特別検察官に任命していた。

 わが国の歴代大統領たちの多くは、就任時の記念品として機密の書簡を保管してきたが、それが問題になることはなかった。少なくとも、バイデン政権下の司法省が一般的な慣習を犯罪に変えることを決定するまではそうではなかった。ただし、それはドナルド・トランプ前大統領に対してのみ適用された。

 メリーランド州の元連邦検事であるハー特別検察官は先週、この法的な難問を解決しようと試みた。市民であった当時のジョー・バイデン氏が国家安全保障を軽視したことを非難しつつも、トランプ氏と同様だが、むしろより悪いことをしたバイデン氏の起訴を断念した。

 ハー氏が記述しているように、バイデン氏は回顧録に自分の業績を残す目的で、大統領日報や国家安全保障会議で取り上げられた機密事項について大量のメモを取っていた。メモの多くはアフガニスタン情勢に関するもので、これについてはバイデン氏の著書のゴーストライターであるマーク・ズウォニッツァー氏との会話でバイデン氏が率直に語っていた。

 バイデン氏のガレージには、ガムテープと園芸用の土で覆われた壊れた照明器具と並んで、ぼろぼろの段ボール箱があり、そこには「極秘/厳重に管理された情報」と記された機密書類がはみ出ていた。バイデン氏の政敵であるトランプ氏を調査している特別弁護人とは異なり、ハー氏は現職大統領であるバイデン氏にあらゆる疑いの余地を与え、犯罪的な行為に対して可能な限り無実の説明を探した。

 中には露骨な行為もあった。ハー氏によれば、このゴーストライターは調査が入っていることを知ると、音声記録を消去したという。ヒラリー・クリントン氏がハードディスクを壊したときや、ロシア疑惑を捜査したロバート・ミューラー特別検察官のチームが痕跡を消すために携帯電話のデータを消去したときのように、これは司法妨害とはみなされなかった。

 連邦捜査局(FBI)の技術者は、削除された音声ファイルのほとんど(すべてではないが)を復元することができた。そのうちのひとつで、バイデン氏はゴーストライターのズウォニッツァー氏にこう警告している。「この中には機密情報が含まれている可能性がある。だから気を付けてほしい。機密とは書かれていないが……」

 これは問題だ。というのも、単にこうした資料を抱え込むことと、ツォニッツァー氏のような機密情報へのアクセス資格のない人物に資料を渡すことは別のことだからだ。

 ハー氏は、陪審がこの犯罪でバイデン氏を有罪にしない理由として、同氏の「高齢による能力の衰えと、同情的な態度」を挙げた。これは、トランプ氏が別の特別検察官から与えなかった恩恵である。

 バイデン氏は、これらを両立させたがっている。バイデン氏はこの報告書に対して怒りをあらわに反発し、自らは知的に健康だと主張した。「私は

『良心的』であり、『高齢者』だが、自分が何をしているか分かっている」と強く反発した。

 しかし、バイデン氏のゴーストライターとの会話や

特別検察官との面談を録音したテープには、記憶の欠落が示されているという。有権者はこれらの録音を聞いて、自分で判断すべきだ。もしバイデン氏が本当に自分のしていることを理解しているのであれば、政敵と何ら変わらない扱いを受けるに値する。

 一方、もしバイデン氏が裁きを受けるにふさわしくないのであれば、同氏は米国大統領にもふさわしくない。党派に基づいて起訴基準が異なる限り、公正な裁きは存在しない。

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