バイデン氏、職権利用し家族に利益 下院議員が報告

(2024年8月25日)

ホワイトハウスに向かう途中、アンドリュース基地に到着し記者団と話すジョー・バイデン大統領(2024年8月18日、日曜日)。(AP Photo/Jose Luis Magana)

By Susan Ferrechio – The Washington Times – Monday, August 19, 2024

 下院議員らによる報告書は、バイデン米大統領が弾劾に値する犯罪を犯したと結論付けた。その内容は、バイデン氏が自身の家族に国内外の有利なビジネス取引で得た数百万㌦を銀行に預ける手助けをし、その後、共謀し、証拠を隠蔽(いんぺい)して議会の調査を妨害したというものだ。

 下院の三つの委員会は19日、1年近くにわたる調査を経て、バイデン氏に対する調査結果を発表した。議員らが報告書を公表したのは、バイデン氏が民主党全国大会で歓迎を受けるわずか数時間前だった。バイデン氏は、自身に代わって大統領候補に指名されたカマラ・ハリス副大統領に民主党の主導権を譲り渡すことになる。

 調査結果は出たものの、共和党が多数を占める下院が2期目に立候補しないバイデン氏の弾劾に賛成票を投じる可能性は低い。

 監視・説明責任委員会、司法委員会、歳入委員会が発表した報告書は、残された任期を全うしようとするバイデン氏に暗い影を落とす。291ページに及び、12人以上の証人や数千の銀行取引記録などの文書から得た証拠を概説している。これらを総合すると、「大物」と呼ばれるバイデン氏が副大統領時代にまでさかのぼり、ウクライナ、ロシア、中国といった国々と有利なビジネス取引を成立させるために息子のハンター・バイデン氏をはじめとする家族を手助けしてきた構図が浮かび上がる。

 時には、バイデン氏が、ハンター氏の手配した潜在的なビジネスパートナーとの集まりに電話をかけたり、会合にひょっこり現れたりすることもあった。

 バイデン氏は少し座ってあいさつを交わしたり、電話で天気について話したりすることで、家族全体に行き渡る数百万㌦の利益の確保に貢献したと、報告書には記されている。

 報告書に引用された銀行取引記録によると、外国のビジネスパートナーは2014~2023年にかけてバイデン一家に1800万㌦を支払った。その資金はハンター氏のほかに、バイデン氏の弟ジェームズ・バイデン氏、その妻サラ氏、バイデン氏の義理の娘ハリー・バイデン氏とメリッサ・コーエン・バイデン氏、そして姪(めい)や孫たちの銀行口座にまで渡っていた。

 銀行記録では、バイデン氏は2018年にローン返済と記載された小切手2枚、総額24万㌦分を兄から受け取る形で利益の一部も受け取っていた。

 ジェームズ氏は米国の医療系ベンチャー企業の幹部から多額の報酬を受け取った後、その金を兄であるバイデン大統領に送金し、「将来のバイデン政権と政府中枢へアクセスすること」を約束していた。

 バイデン氏は、家族によるビジネス取引への関与や利益を得たことを否定している。

 報告書は、大統領による関与の構図を示す証拠を提示することで、大統領の否定に反論している。

 共和党主導で作成された報告書は、「委員会が明らかにした不正行為の全貌は実にひどいものだ」とした上で、「ジョー・バイデン大統領は、利益誘導と詐欺を共謀した。そうすることで、彼は職権を乱用し、職権乱用について繰り返しうそをつき、家族を豊かにするために米国を欺いた」。

 バイデン氏はビジネスの話こそしなかったが、そこにいるだけでビジネスパートナーとしてのハンター氏の価値を高め、ハンター氏が幾つかの重要な取引に加え、ウクライナのガス会社ブリスマの取締役という高給の地位を獲得するのに一役買ったという証言もある。

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