トランスジェンダーの権利、最高裁で審理へ

(2024年9月1日)

2023年4月14日、ワシントンのキャピトル・ヒルにある最高裁。最高裁は、母国に戻れば迫害に直面するとして強制送還と闘っているトランスジェンダーのグアテマラ人女性を支持する判決を下した。(AP Photo/J. Scott Applewhite, File)。

By Alex Swoyer – The Washington Times – Friday, August 23, 2024

 各州は最高裁判所に対し、トランスジェンダーの権利に関して下級裁判所を指導するよう圧力をかけている。

 トランスジェンダーの人々が関与する三つの争議が法廷に持ち込まれており、そのうちの少なくとも一つ、未成年者への性転換治療の禁止が10月から始まる会期中に審議される予定となっている。

 また、トランスジェンダーのアスリートが女性のスポーツに参加することを州が禁止する訴訟を取り上げるかどうかも検討されている。

 最高裁では最近、5対4で、バイデン政権による教育改正法第9編(タイトル9)に関する新規則の実施を停止した。新規則では、学校での性別による差別を禁止するタイトル9の保護の対象にトランスジェンダーが含まれる。下級審での判決を受けた措置だ。

 「経験的SCOTUS」(注:SCOTUS=米最高裁)ブログの作成者で、最高裁に詳しいアダム・フェルドマン氏は、最高裁が2017年に、トランスジェンダーの権利を扱ったG.G.対グロースター郡教育委員会裁判の審理を拒否した時、トランスジェンダー問題を巡る判断を避けたと主張した。この事件は学校の男子トイレを使用しているトランスジェンダーの少年が絡むものだった。

 フェルドマン氏は、「私はしばらくの間、トランスジェンダーの権利が法廷で重要な問題になると言ってきた。この分野は、純粋なイデオロギーの分裂よりも複雑だ」と語った。

 トランプ氏任命のゴーサッチ判事、ジョージ・W・ブッシュ氏指名のロバーツ長官は、2020年、ボストック対クレイトン郡裁判で4人の民主党指名判事らと同意見だった。これはLGBTQの権利裁判で最新の画期的な事例の一つだ。

 ボストックでの多数派意見は、同性愛者またはトランスジェンダーであることを理由に従業員を解雇することは、公民権法のタイトル7に違反すると判断した。

 ゴーサッチ氏は意見の中で、最高裁は性別に基づく差別には性別に関する社会的通念を含むと主張した。

 アリート判事は反対意見の中で、判決は異性のトイレやロッカールームを利用するという議論を後押しするものだと警告した。

 アリート氏は、「この判決の下で…トランスジェンダーの人々は、彼らが自認する性別の人々のためのトイレやロッカールームを使用する権利があると主張することができるようになり、判決はトランスジェンダーの人々の意味を定義していないが、この用語は『ジェンダーフルイド(流動的な性)』の個人に適用され得る」と書いている。

 ゴーサッチ氏は、下級裁判所が阻止したタイトル9の新規則の一部の施行を開始するというバイデン政権の要求を拒否する決定に異議を唱え、今月、再び裁判所の民主党指名の判事らに加わった。タイトル9は、政府資金による教育プログラムでの差別を禁じている。

 新規則の下でバイデン政権は、トランスジェンダーの生徒が希望する学校のトイレやロッカールームへのアクセスを拒否することは差別的だと主張している。

 最高裁は、10月から6月までの次の会期中にこの問題を再検討する可能性がある。

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