中国、認知戦に音響兵器 超低周波で敵の思考に影響も-米報告書

(2024年10月20日)

2024年7月15日(月)、ロシア国防省報道部が公開した映像から撮影された写真で、7月14日(日)、広東省湛江で行われた海軍合同演習の歓迎式典に出席する中国軍の水兵たち。中国とロシアの海軍は日曜日、中国南部の軍港で合同演習を開始した、と新華社通信が報じた。NATOの同盟国が北京をウクライナ戦争の「決定的な支援者」と呼んだ数日後のことである。新しいオープンソースの情報報告書によると、中国軍は認知戦争(敵の思考や意思決定を変えるために非従来型のツールや能力を使用すること)を行うために、音響兵器を含むハイテク兵器の開発を進めている。(ロシア国防省報道部 via AP)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, October 16, 2024

 最新の報告によると、中国軍は、新たな認知戦を行うために、音響兵器を含むハイテク兵器の開発を進めている。これは、音響によって敵の思考や意思決定を変えることを狙ったものだ。

 元情報・軍事専門家からなるシンクタンク「中国共産党生物脅威イニシアチブ」の報告書によると、人民解放軍(PLA)は、目に見える傷害を残すことなく、人間の神経機能を混乱させることによって敵軍を無力化できる音響兵器などの非致死性兵器を製造している。

 「認知戦争の進化―ニューロストライクの能力と超低周波音兵器の戦略的役割」と題され、このシンクタンクが中国の「ニューロストライク」兵器を取り上げた研究を発表するのはこれで3回目だという。

 この報告書は、「(人間の可聴域以下の)超低周波音兵器と認知(機能に影響を及ぼす)兵器は、現代戦争の進化の中で重要な飛躍であり、探知や防御が困難な方法で精神と身体を標的にするように設計された新しい能力が取り入れられている」と指摘、「中国共産党とPLAなどの軍隊がこれらの技術を軍備に取り入れ続けている中、米国とその同盟国は警戒を怠らず、積極的に対抗策を開発しなければならない」と訴えている。

 現代の戦争は、音によって脳や身体の機能を混乱させることができるこれらの兵器によって、物理的な戦闘を越えて急速に進化している。中国軍の文献を調査したところ、2種類の高度な音響技術を開発していることが明らかになった。脳の活動に影響を与える

「ニューロタイプ」と、さまざまな周波数によって内臓にダメージを与える「オルガノタイプ」がある。

 「人間の耳では検知できない周波数を使ったこれらの兵器は、神経学的、生理学的な混乱を引き起こす能力を持っており、目に見える身体的被害を与えることなく敵対勢力を無力化するために(中国にとって)不可欠なツールとなっている」

 この兵器には、物理的痕跡を最小限に抑え、非対称戦争を行う上で戦略的な利点がある。

 報告によると、中国軍は、音響兵器の正確な照準を可能にするフェーズドアレイ技術を使用している。この技術によって、巻き添えによる二次被害を最小限に抑えながら、最大の効率で稼働させることができるようになる。

 中国の音響兵器は、他の非キネティック(物理的な破壊を伴わない)な手段とも併用され、それには、心理的操作で人間の意思決定や認識を形成するソーシャルメディア上のデータ駆動型アルゴリズムなどがある。

 しかし、中国軍のニューロストライク兵器は、個人を直接標的にするためのもので、他の手段に依存することはない。

 「ニューロストライクは、高度な非致死性指向性エネルギー兵器と超低周波音兵器を用いて、物理的にも認知的にも個人を無力化する」と報告書は述べている。

 音響兵器は脳内の周波数や内臓を混乱させ、認知機能障害、見当識障害、身体的損傷をもたらす。中国軍の音響兵器に関する研究報告は、認知機能で検出される周波数を使って脳のアルファ波を混乱させることができることを明らかにしている。

 2024年のある報告書を書いた2人の中国軍研究者によれば、この兵器は精神的混乱、感情的苦痛、意識喪失を引き起こす可能性があり、戦争に不可欠な認知能力を直接損なう可能性があるという。

 臓器に影響を与えるように設計された音響兵器は、3~17ヘルツの周波数を用いて人体組織に影響を与え、吐き気やめまいから極端な場合には臓器損傷に至るまで、さまざまな身体的影響を引き起こす。

 報告書には、軍のダイバーに対する水中作戦で使用される中国の高出力低周波発生装置の写真が掲載されている。

 「超低周波発生装置は、電源や制御システムとともに、恒久的な損傷を与えることなく人員を無力化するように設計された非致死性兵器の基幹を形成する。一方、低周波フェーズドアレイシステムで達成されたような、低周波を集束・増幅する能力の著しい進歩によって、現代戦でのこれらの兵器の範囲と効果は拡大した」

 報告書は米政府に対し、超低周波音と認知戦争技術がもたらす脅威の増大に対処するための措置を講じるよう求めており、軍は超低周波音を探知、遮断、無力化できる対音波兵器技術に投資すべきだと主張している。

 この兵器に対抗するために米国は、同盟国やパートナー国と協力を開始すべきであり、音響兵器やその他の認知戦争の手段も国際軍備管理交渉に含めるべきだ。

 この報告書は、軍事と諜報の経験を持つ専門家、L.J.イーズ、ライアン・クラーク、シャウ・ショーン・リン氏によって書かれた。

2025年2月18日、スカボロー礁上空で、中国軍のヘリコプターがフィリピン水産局(BFAR)の航空機に接近飛行している。(AP通信/ジョエル・カルピタン撮影)

中国、南シナ海で支配強化 米国務省が「安定損なう」と異例の非難

(2026年08月16日)
017年12月3日(日)に米空軍が提供したこの写真では、ユタ州ヒル空軍基地の第34遠征戦闘飛行隊に所属する米空軍のF-16ファイティングファルコン(右)とF-35AライトニングIIが、韓国の群山空軍基地で行われた演習「VIGILANT ACE 18」中に滑走路の端に向かってタキシングしている。2017年12月4日(月)、米国と韓国が史上最大規模の合同空軍演習を開始し、24機のステルス戦闘機を含む数百機の航空機が訓練を開始した。(上級空軍兵コルビー・L・ハーディン/米空軍提供写真、AP通信経由)

中国元軍人2人逮捕 在韓米軍基地へのスパイ容疑

(2026年08月15日)
2026年2月12日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で、ウクライナ防衛連絡グループの会合開始を待つエルブリッジ・コルビー米国防次官(政策担当)。(AP通信/ゲールト・ヴァンデン・ワインガート撮影)

米国防当局者、中国への「現実主義」政策を提示 静かな外交、抑止力を強化

(2026年08月14日)
2026年7月24日、カリフォルニア州フォート・アーウィンにて、プロジェクト・コンバージェンス・キャップストーン6の一環として、第4歩兵師団第3機甲旅団戦闘団第8歩兵連隊第1大隊ブラボー中隊に所属する兵士たちが、エンドユーザー端末の設置計画を立てている。(米陸軍撮影:ジョナサン・レイエス特技兵、DVIDShub経由)

AIで戦場を一元管理 米陸軍、同盟国と大規模演習

(2026年08月10日)
第93ホロドニー・ヤール独立機械化旅団の報道部が提供したこの写真では、兵士たちが2026年8月4日火曜日、ウクライナのドネツク州クラマトルスク前線都市付近のロシア軍陣地に向けて、多連装ロケットシステムBM-21「グラード」を発射する準備をしている。(イリーナ・リバコワ/ウクライナ第93機械化旅団提供、AP通信経由)

対ウクライナ・米国戦争でロシア・イランが連携 兵器、情報を供与

(2026年08月08日)
韓国海軍の3000トン級潜水艦「新チェホ」が、2025年9月26日(金)、釜山近郊の韓国南東海岸沖で行われた観艦式に参加している様子。(AP通信/アン・ヨンジュン撮影)

韓国海軍、掃海・艦砲射撃能力に注力 ウクライナとイラン教訓

(2026年08月05日)
教会と尖塔(AP通信)

「聖ゴーストライター」AI活用広がる教会 説教作成に利用も

(2026年08月04日)
米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2026年6月17日(水)、フランスのエビアン・レ・バンで開催されたG7サミットの傍らで、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏が、Google DeepMindのCEOデミス・ハサビス氏(写真には写っていない)と会談している。(AP通信/ジュリア・デマリー・ニキンソン撮影)

議員らが「AIキルスイッチ法」を提案 「暴走」事例受け対策要求

(2026年07月26日)
→その他のニュース