トランプ氏の地滑り的勝利で政界激変

(2024年11月8日)

それは政治的な地震に等しいものだった。ドナルド・トランプ前大統領の歴史的なホワイトハウス勝利は、政治的期待、世論調査、党のエリートを覆す驚くべき逆転劇の末、ワシントンと全米に響き渡った。

By Susan Ferrechio – The Washington Times – Wednesday, November 6, 2024

 【ウェストパームビーチ(フロリダ州)】それは政治的な地震ともいうべきものだ。ドナルド・トランプ前大統領の歴史的な大統領選勝利は6日、ワシントンと全米に響き渡り、政界の予想、世論調査結果を根底から覆し、党の指導者らを仰天させる逆転劇だった。

 選挙の翌日、トランプ氏が激戦州を制覇し、カマラ・ハリス副大統領に予想以上の票差で勝利したことが明らかになった。共和党は上院を獲得し、下院を維持する勢いだ。

 過去4年間、共和党は力を奪われていたが、トランプ氏の人気に乗って共和党が政府、議会を掌握する可能性が高くなり、減税、規制緩和、エネルギー生産拡大、歳出削減、小さな政府といったトランプ氏の提案を実行に移す見通しが強まった。

 トランプ氏は現在、フロリダ州の自宅マール・ア・ラーゴから2期目の計画を立てており、誰も予想しないほど早く、大勝利を収めたこともあって、ハリス陣営は6日、トランプ氏の勝利を渋々、受け入れた。

 ハリス氏は6日、トランプ氏に負けを認め、ワシントンにあるハワード大学で落胆した支持者を前に演説した。彼女はトランプ氏を祝福した。

 トランプ陣営のスポークスマン、スティーブン・チャン氏は「トランプ大統領は、選挙戦で見せたハリス副大統領の強さ、プロフェッショナリズム、粘り強さを認め、両者は国を一つにすることの重要性で一致した」と語った。

 明確な選挙結果を受けてワシントンの政治状況は一気にリセットされた。

 何日も投票用紙を数えることも、僅差の結果を引きずる訴訟もなかった。

 6日午前3時までに、トランプ氏は激戦州でハリス氏を破り、全米の民主党が強い濃い青色の地域を勝ち取るまであと一歩のところまで迫った。6日夕方までには、ネバダ州とアリゾナ州の激戦地だけがまだ確定していなかったが、トランプ氏は両州でリードしていた。

 トランプ氏はニュージャージー州をわずか4ポイント差で失い、フロリダ州のマイアミデードを含む多くの青い郡で逆転した。

 激戦州でも勝利だった。

 ペンシルベニア州では、トランプ氏がハリス氏を14万票近く上回った。

 ペンシルベニア州と同じく2020年に僅差で敗れたジョージア州では、12万票近い差でハリス氏を上回った。

 6日深夜の時点で、トランプ氏は勝利に必要な270人を25人上回る295人の選挙人を確保し、300票を超える勢いだった。

 地滑り的勝利だ。

 6日には、この結果に唖然とした民主党支持者らから衝撃と自省の声が上がり、共和党支持者はトランプ氏の大勝利に歓喜した。

 トランプ氏の盟友で元大統領候補のビベック・ラマスワミ氏は、「2023年3月には考えられないことだった。今、現実になった」と述べた。

 株式市場は1508ポイント急騰し、4万3730ドルの史上最高値を記録した。

 政権移行チームは数週間前から会合を開き、第2次トランプ政権の準備に追われる一方、上下両院の共和党は両院を通過させ、大統領に送る法案を策定している。

 追加減税を含む可能性のある、減税を延長する措置が最初に扱われることになりそうだ。

 マイク・ジョンソン下院議長(共和党、ルイジアナ州)は6日、「われわれは米国を救った。国民のために働く準備ができている」と述べた。

 ミッチ・マコネル上院共和党院内総務(ケンタッキー州)は、トランプ氏と長年、対立してきたが、最終的にはトランプ氏の立候補を支持し、大統領選勝利を祝福した。マコネル氏は、トランプ氏が1892年以来初めて、連続しない2期目の大統領職を勝ち取ったことに言及した。

 「彼が成し遂げたことは、グローバー・クリーブランド以来だ」

 マコネル氏は、トランプ氏の陣営が「実施した今回の作戦は際立っていた」と賛辞を送った。

 トランプ氏は2020年にバイデン大統領に僅差で敗れた。国内は動揺し、共和党は不正選挙が行われたと主張した。

 トランプ氏は4年前の選挙で敗北を認めず、マコネル氏らは、トランプ氏の暴言が2021年1月6日の連邦議会議事堂での暴動を誘発したと非難した。トランプ氏はデモ参加者に「平和的に、愛国的に」行進するよう促していた。

 今、トランプ氏の政治的復活は完了した。マコネル氏は20年にわたる指導者の座から退くが、トランプ氏の勝利で、共和党が多数派の上院を後継者に引き継ぐという目標達成が可能になった。

 バイデン氏は、2024年大統領選から離脱し、ハリス氏に譲ったが、6日にトランプ氏に電話で祝辞を述べ、政権移行を計画するためにホワイトハウスに招待した。

 選挙結果は、バイデン政権の副大統領だけでなく彼の政策の大敗だ。バイデン氏の政策は、歴史的なインフレ水準、金利上昇、世界各地での紛争を招いたと批判されている。

 ラスムセン・リポーツの世論調査員マーク・ミッチェル氏は、「ハリス氏は完璧な候補者ではなかったが、正直に言って、よくやったと思う。彼女でなければ、民主党はもっと負けていた。この混乱を招いたのはバイデンと民主党だ」と述べた。

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