米司令官、中国の台湾挑発は「統一への予行演習」

(2025年4月16日)

新華社通信が公開した写真で、東シナ海での合同海軍訓練に参加する中国とロシアの軍艦(2022年12月27日撮影)。(Xu Wei/Xinhua via AP, File)。

By Bill Gertz – The Washington Times – Thursday, April 10, 2025

 中国軍は台湾付近で大規模かつ攻撃的な活動を行っており、米国と同盟国の安全を脅かしている―インド太平洋軍司令官が10日、上院での年次公聴会で語った。

サム・パパロ司令官は上院軍事委員会で、この地域で中国の軍事行動を抑止するのに十分な戦力はあるが、将来の中国の侵略を阻止するには米国の戦力を増強する必要があると証言した。

 「中国はかつてない規模の挑発と軍近代化を進めており、国土、同盟国、パートナー国に深刻な脅威をもたらしている」

 この地域での中国の軍事力強化によって、台湾付近での大規模な軍事作戦は300%増加した。中国は台湾併合をもくろんでいる。

 台湾付近での中国の軍事活動は演習ではなく、軍事力を使った「力による統一」のための「予行演習」だ。

 パパロ氏はまた、この地域の懸念として、北朝鮮が核兵器と軍事力を増強し続けていることも挙げた。北朝鮮はウクライナと戦うロシアに軍隊と武器を送った。それと引き換えに、ロシアからミサイルや潜水艦の技術を受け取っていると同氏は言う。

 北朝鮮はロシアに「数百発」のKN24短距離ミサイルと数千発の砲弾を供給したという。

 ロシアはまた、太平洋での中国との軍事協力の強化を通じて、地域の危険性を高めている。

 パパロ氏は、中国とロシアが海軍と爆撃機が参加する合同軍事演習を米海岸付近で増加させていることは、両国軍が共同で米国と戦う準備をしていることを示していると述べた。

 同氏は、太平洋の米軍、特に新型の攻撃型潜水艦が、中国のいかなる軍事行動に対しても「信頼できる抑止力」となることを確信していると述べた。

 パパロ氏は「依然、抑止態勢に自信を持っているが、修正は必要だ」とした上で、議会が義務づけている「太平洋抑止構想」は「中国の脅威に対抗するものだ」と述べた。

 最新の国防権限法では、兵器と訓練のために156億ドルがこの構想に提供されている。

 また、この地域の米軍は、長距離攻撃兵器を増強し、統合された防空・ミサイル防衛、自律型・人工知能型兵器システムの配備に今以上に注力する必要があると述べた。

 中国人民解放軍(PLA)に対抗するためのインド太平洋軍の最優先事項は、宇宙とサイバースペースで「支配的」になることだ。そのためには、増強が進むPLAの指揮、統制、情報システムをたたきつぶすツールが必要だ。

 パパロ氏は、中国の宇宙兵器に対抗するために、防衛的な宇宙兵器を配備することを求めた。バイデン前政権はこれに反対していた。

 同氏は、PLAが戦闘機、ミサイル、海軍力、宇宙兵器に関して米軍を凌駕しており、兵器生産を加速させていると述べた。

 紛争を抑止することは義務であるが、いかなる紛争にも勝利するためには、兵器と能力による裏打ちが必要だとパパロ氏は語った。

 在韓米軍司令官のザビエル・ブランソン陸軍大将は、パパロ氏とともに証言し、北朝鮮が核兵器を拡大していると強調した。

 ブランソン氏は、トランプ政権の一部が朝鮮半島に駐留する米軍の削減を支持していると報じられる中、在韓米軍2万3000人の削減に反対すると述べた。

 在韓米軍の削減は、「紛争に打ち勝つわれわれの能力を大幅に低下させる」からだ。

 ロジャー・ウィッカー委員長(共和党、ミシシッピ州)は、自身が昨年、インド太平洋のパワーバランスは中国に有利にシフトしていると警告していたことを強調。

 「それ以来、中国共産党は台湾とフィリピンに対する強圧的な活動を著しく強めている」と訴えた。

 ウィッカー氏は、インド太平洋軍には110億ドルの資金が必要だと述べた。

 「われわれは、生存性の高い長距離弾、信頼性の高い指揮統制システム、能力を高めている中国のサイバーシステムや宇宙システムに対抗する能力の向上が必要だ。これを避ければ、大変なリスクを負うことになる」

 中国がこの地域で制空権を掌握する能力についての質問にパパロ氏は、PLAは2100機の戦闘機と200機のH6爆撃機を保有していると述べた。中国は米国の戦闘機1機に対して1.2機の割合で戦闘機を生産している。PLAの長距離空対空ミサイルも「とてつもない脅威」だと彼は言う。

 艦艇の生産ではさらに差は広がる。パパロ氏によると、PLAは米国の1.8隻に対して6隻を生産しているという。

 パパロ氏は、中国に最も近いアジアの島々について、「(中国の航空戦力は)第一列島線で優位に立ってはいない。制空権を渡すことはない」と述べた。

 中国の侵攻によって台湾を失った場合の影響については、中国に奪われれば、日本と韓国の核兵器拡散につながる可能性が高いと警告した。

 パパロ氏は、中国船が台湾近海の海底通信ケーブルを密かに切断しているとの報道について、初めて公の場でコメントを発表した。

 中国船は最近、海底ケーブル数本を切断した。これについて台湾当局は「グレーゾーン」戦争の一例と主張している。

 この活動は、台湾攻撃の前哨戦であり、中国が海上民兵船を使って海底ケーブルを切断する計画を持っていることを示している。

 パパロ氏は、インド太平洋軍司令部のあるグアムやハワイの米領島嶼部に対する弾力的な通信能力の開発を求めた。

 代替通信は、スターリンクのような低軌道衛星ネットワークを通じて行うことができるという。

 新型戦術核ミサイルの米攻撃型潜水艦への配備について問われたパパロ氏は、迅速な配備が望ましいと答えた。

 計画では、2034年までに潜水艦発射核巡航ミサイルを配備することになっている。

 「2034年では遅すぎる。もっと早くすべきだ」

 またパパロ氏は、長距離極超音速兵器を含む米国の極超音速ミサイルの陸海軍への配備を早めることに賛成だと述べた。

 陸軍への配備は今年後半に実施される予定だ。海軍への配備は遅れている。

 パパロ氏は「(極超音速ミサイルは)敵のキルチェーン(攻撃を開始し完了するまでのプロセス)を迅速に遮断し、攻撃を阻止するために必要だ」と述べた。

 「もし敵が、こちらを5倍速く攻撃できるなら、その能力を使った先制攻撃を誘発することになる」と彼は言う。

 「21世紀を支配するのはスピードだ。21世紀はスピードが勝負だ」

 米国の極超音速ミサイルの実戦配備は、中国の極超音速ミサイルの非対称性に対抗する上で極めて重要だとパパロ氏は言う。

 同氏は、米空母は中国のミサイル攻撃の「格好のカモ」だというある上院議員の発言を擁護した。

 空母艦載機のパイロットを務めたパパロ氏は、「空母は自衛能力を備えた動くカモだ」と語った。

 空母の利点には、陸上攻撃ミサイルや対艦ミサイルを発射できる戦闘機による大火力がある。

 米海軍の水中戦能力は中国より一世代進んでいるものの、米潜水艦も中国の対潜水艦戦能力に対して脆弱になってきているという。

 中国の量子コンピューターの開発により、中国海軍は「海域を水浸しにし(大規模な監視態勢を敷き)」、米潜水艦を探知することができるようになる可能性があるという。

 パパロ氏は、「彼らは(米潜水艦を)見つけるために懸命に働いており、われわれはそれに対抗するために懸命に働いている」と述べた上で、潜水艦を増やし、潜水艦の産業基盤を強化する必要があると強調した。

韓国の李在明大統領は、2026年1月7日(水)、中国・上海で韓国メディア関係者との会合で発言した。(ハン・サンギュン/聯合ニュース提供、AP通信経由)

韓国当局、保守系米国人を出国禁止に 李大統領への名誉棄損で起訴

(2026年08月06日)
韓国海軍の3000トン級潜水艦「新チェホ」が、2025年9月26日(金)、釜山近郊の韓国南東海岸沖で行われた観艦式に参加している様子。(AP通信/アン・ヨンジュン撮影)

韓国海軍、掃海・艦砲射撃能力に注力 ウクライナとイラン教訓

(2026年08月05日)
米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2025年11月1日土曜日、韓国・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、中国の習近平国家主席(左)が韓国の李在明大統領と握手を交わした。(聯合ニュース/AP通信)

下院国防法案、中国の韓国への影響力巡り調査義務付け

(2026年07月25日)
2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
日本の小泉進次郎防衛大臣が、2026年5月31日(日)、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ対話」で演説を行った。(AP通信/アハマド・イブラヒム撮影)

小泉防衛相、核巡る議論呼び掛け GCAPやアジア連携も強化

(2026年07月23日)
新華社通信が公開したこの写真は、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルの発射実験の様子を捉えたものだ。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

中露、スターリンク攻撃計画を極秘協議 軍事協力の実態判明

(2026年07月19日)
フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

中国は依然国際法に違反 南シナ海仲裁判断10年で米軍

(2026年07月18日)
新華社通信が公開したこの写真には、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルが海面から飛び出す様子が写っている。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

米、中国のSLBM発射実験を「事前通報が不十分」と非難

(2026年07月13日)
→その他のニュース