有力AI研究所狙う中国スパイ

(2025年4月28日)

中国がAIを使って荒らし軍団を作る Taiwan AI Labsによる最近の分析によると、中国を拠点とするTikTokプラットフォームの米国政府による使用禁止の可能性をめぐり、米国の議員、技術専門家、デジタルコミュニティーの間でソーシャルメディア上の議論に「9,080の荒らしアカウントが関与している」ことが判明した。ファイル写真クレジット:Pixels Hunter via Shutterstock.

By Ryan Lovelace – The Washington Times – Tuesday, April 22, 2025

 米国のトップクラスの人工知能(AI)研究所は、超知能の解明に取り組んでいる。ただ米国がどんな飛躍的進歩を遂げようとも、中国とそのスパイ網による盗用の危険にさらされていると、グラッドストーンAIの調査は指摘している。

 グラッドストーンAIのジェレミー・ハリス氏とエドゥアルド・ハリス氏は、中国共産党が米国の最先端のすべての研究所に「ほぼ確実に」侵入していると結論付けた。両氏はトップテクノロジー・セキュリティー起業家で、この結論に至るまでに研究所の研究者や幹部、特殊部隊の隊員、諜報(ちょうほう)員、ハッカー、弁護士、データセンターの建設・設計専門家などへのインタビューを行った。

 大手テクノロジー企業が人間を凌駕(りょうが)するAIの実現を追求する中、ハリス兄弟のAI企業は米国政府と緊密に協力し、AI研究所の脆弱(ぜいじゃく)性を調査してきた。

 両氏は22日に発表した報告書に「現時点で最大の危険は、米国が超知能化競争で中国に後れを取ることではない。研究所の安全が確保されておらず、われわれが明確なリードを確立しているとは言えない。むしろその逆だ。われわれが見てきたように、米国の国家安全保障機関は憲法上、米国企業をスパイしたり、その技術に不法にアクセスしたりすることは許されていないが、中国共産党にはそのような良心はない。従って現状では、米国の民間研究所の進歩は、米国の国家安全保障能力の向上よりも前に中国共産党の能力の向上につながる可能性がある」と記している。

 研究所は状況の深刻さを認識している。ある研究所の研究者はグラッドストーンAIに対し、チーム内では「おそらくわれわれの(研究内容)はすべて監視されているので、中国を代表するAI研究室だ」というジョークが飛び交っていると話した。

 米国のハイテク企業やその研究所を中国がスパイしようとした事例は、すでに数多く記録されている。グラッドストーンAIが公開されている事例をリストアップした中には、中国の「外交スペクター」と呼ばれるサイバー攻撃者がオープンAIの従業員へのハッキングを試みたこと、グーグルの元エンジニアがAI関連の企業秘密を盗み中国企業に移転したとされる事件、中国が支援するハッカーがクラウドサーバーからマイクロソフトの暗号化データの鍵を入手したとされる事件などが含まれている。

 多くの場合、外国のスパイはAIモデルのウエート(重み)を狙っている。このウエートは、主に特定のAIモデルの学習を可能にするパラメーターとして理解されている。

 「研究所関係者によると、主要なAIモデルのウエートは、米国の国家安全保障上、非常に重要な資産だが、国家機関によって日常的に盗まれていた」とグラッドストーンAIチームは報告し、「重要な研究所の知的財産のセキュリティー対策は脆弱であり、一部のトップ研究所の幹部は、懸念を抱く自国の研究者からのセキュリティー強化を求める声を却下していた」と指摘した。

 こうした懸念は、現在のコンピューターの能力の限界を打ち破る超AIとも呼ばれる汎用人工知能(AGI)の実現に向けて世界が熱狂している中で提起された。

 オープンAIのサム・アルトマン氏を含む一部のAI企業幹部は、画期的な技術を実現する方法はすでに分かっていると述べている。

 諜報機関にいたことのある国家安全保障の専門家は、中国はそれを構築する方法は知らないかもしれないが、それを盗む方法はすでに知っているとグラッドストーンAIに語った。

 グラッドストーンAIの研究者らは「さらに、多くの国家安全保障の専門家が非公式に指摘しているように、ロシアと中国の工作員らはすでに米国内で重大かつ低レベルの産業破壊工作を行っている」と指摘した。

1989年5月17日、中国・北京の天安門広場は、民主化を求める集会で数千人の群衆で埋め尽くされた。(AP通信/Sadayuki Mikami)

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