米海軍、アジア太平洋で無人兵器増強 中国の脅威に対抗

(2025年6月12日)

2025年6月10日(火)、ワシントンの連邦議会議事堂で開かれた、2026会計年度の国防権限要求と将来防衛計画の見直しにおける海軍省の姿勢を検討する上院軍事委員会の公聴会で証言するジョン・フェラン海軍長官。(AP写真/Manuel Balce Ceneta)

By Bill Gertz – The Washington Times – Tuesday, June 10, 2025

 海軍と海兵隊は、中国との間で将来発生する可能性のある紛争に備えて高度な無人兵器の配備を進めている。軍幹部らは10日の議会への報告で、中国との間に紛争が発生すれば、米国と同盟国の安全保障に重大な脅威を及ぼすと指摘した。

 フェラン海軍長官は上院軍事委員会の公聴会で、現在の海洋環境が「ますます敵対的、不安定で予測不能な状況」となっていると警告、米国とその同盟国への中国の脅威が高まっていると強調した。

 「敵対勢力は待ってくれない。中国は海軍力で米国を越えようとしている」

 フェラン氏は「中国共産党は艦隊を拡大し、より高度な潜水艦を建造し、係争水域での行動はますます挑発的、攻撃的になっている。迅速に毅然とした態度で対応しなければ、海域は不安定化し、独裁的な支配勢力に奪われるリスクがある」と危機感を表明した。

 議会に、この課題に対処するよう求め、複雑な手続きによる遅滞、海外の戦闘任務、優先順位の誤り、防衛費の不足が米国の海上での優位性を脅かしていると批判した。

 「代償を払う時が来た。官僚主義で独裁政権を抑止することはできない」

 インド太平洋地域で中国共産党は特に海軍戦力を急速に増強している。

 核戦力も拡大しており、2030年までに約1000発の核弾頭を配備する見込みで、その大部分は弾道ミサイル潜水艦に搭載される見込みだとフェラン氏は述べた。

 中国海軍は、フェラン氏が「劇的な拡大」と呼ぶように、保有する艦艇は間もなく400隻に達するとみられている。

 南シナ海への中国の進出は、航行の自由に対する直接的な脅威となり、国際法とフィリピンを含む主要な米同盟国の権利を損なうものだ。

 フェラン氏は「私たちは、中国共産党の主張を抑制し、力を通じて平和を維持するため、断固とした行動を取らなければならない。これにより、米国があらゆる分野で優位性を維持し、権益を守る準備を整えておく必要がある」と述べた。

 無人兵器については「過去の戦争で得た教訓から、未来の戦争は過去の兵器では勝てないことが明らかになった」と指摘した。

 その上でフェラン氏は「現代の戦争での成功は、空・海上・水中の無人システムを短時間で大量に生産できるか、どのように既存のシステムに統合するかにかかっている」と述べ、ウクライナや中東での無人兵器の使用例を挙げた。

 ドローンは有人システムに代わるものではなく、情報収集と敵に大きなダメージを与える攻撃能力を低コスト、低リスクで強化する「戦力倍増器」として機能する。

 戦闘機を支援する無人空中給油機MQ25は来年配備予定だ。

 海兵隊も、偵察、目標捕捉、戦闘損害評価、戦略計画の改善のために、小型で低コストのドローンを配備している。

 海兵隊のスミス総司令官は、中国が米国に対する最も重大な軍事的脅威であり、インド太平洋地域に展開する3万3000人の海兵隊は軍の「遠征突撃隊」だと証言した。

 「中国共産党の急速な軍事近代化、威圧的な経済活動、南シナ海での行動は、自由で開かれたインド太平洋の原則を直接脅かしている」

 この地域の海兵隊部隊は、中国の侵略を牽制し、海上航路を保護し、米国の権益を守る上で重要な役割を果たしている。

 スミス氏は、ドローン兵器の配備は海兵隊の優先事項だと述べた。

 海兵隊には最先端技術を取り入れた長距離情報収集システム、攻撃用ドローンなど自律型兵器が配備されている。

 スミス氏は「これらの能力は、指揮官に状況認識の向上と精密攻撃の選択肢を提供するとともに、敵の防御の奥深くに入り込んだスタンドイン部隊が大規模かつ迅速に行動し、敵に難しい選択を迫ることを可能にする」と述べた。

 主要なシステムには、MQ9A監視ドローン、攻撃ドローン、F35と共同で飛行するXQ58ヴァルキリー無人戦闘機などがある。

 スミス氏は「これらの装備によって、海兵隊は紛争地域で効果的に活動できるようになり、人員のリスクは軽減され、意思決定の速度と精度も向上する」と述べた。

 海軍のドローンには、無人艇と無人水中車両がある。

 フェラン氏は「将来の紛争を阻止し、必要に応じて勝利を収めるには、近距離偵察や一方的な攻撃任務に低コストの無人システムを大量に活用し、監視や中長距離攻撃能力を有する高コストの高度なドローンを少数投入する戦略が必要となる」と述べた。

 同氏によると、さまざまな新型ドローンが艦隊に配備されている。

 海軍はまた、低コストで大量に配備できる装備を活用した敵ドローンへの対抗措置の開発を進めている。

 「こちらも無知ではないが、敵も同様の行動を取っている。そのため、無人システムに対抗する能力も同じ速度で進化しなければならない。私たちは次のイノベーションの波をリードするか、相手が先に実現し代償を支払うかのどちらかになる」

 キルビー海軍作戦部長代行は、中国との戦争を阻止し、必要に応じてその部隊を破るため、海軍は部隊の強化に取り組んでいると述べた。

 「過去20年間、中国は前例のない軍事力増強を進め、すべての戦域で能力の近代化と専門性を向上させてきた」

 「中国人民解放軍の統合能力と概念は進化している。海上で戦力を革命的に強化し、私たちの能力と競合し対抗できるよう強化し続けている」

 中国は短期間で海軍を3倍に拡大し、2030年までに435隻の艦艇を配備する見込みだと、同氏は述べた。

 「中国は南シナ海での違法な領有権主張のため、近隣諸国に対して海軍力を積極的に活用し続けている」

 キルビー氏は、台湾近海での中国の侵攻訓練とアラスカ近海でのロシアとの共同演習が、インド太平洋地域における米国と同盟国の権益に対する「好戦的で脅威的な行動のパターン」の一部だと警告した。

 また、海軍のロボットと自律型兵器の活用について、新しい技術を活用し、戦場に迅速に配備していると述べた。

 「私たちは、ロボットと自律型システムを艦隊に統合するための試作、実験、統合に焦点を当てている」

 昨年、海軍は初の小型無人水上艦24隻を配備した。

 もう一つの新システム、USX1ディファイアントは2月に完成し、現在試験を受けている。

USX1は、海上での長期独立運用が可能な全長55㍍の完全自律型無人戦闘艦だ。

 またキルビー氏は、海軍初の超大型無人水中車両が試験段階にあると述べた。

 「私たちは、変化する海洋環境で水中、海中、海底での戦闘を持続できる作戦に備えた、長期間、長距離、大きな搭載能力を持つ無人潜水艇の開発と実証を継続している」

フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

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