「スーパーマンは移民」新作巡る監督発言が波紋

(2025年7月11日)

ワーナー・ブラザース映画が公開した画像。「スーパーマン 」の撮影現場でのデヴィッド・コレンスウェット(右)とジェームズ・ガン監督。(Jessica Miglio/Warner Bros. Pictures via AP)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, July 9, 2025

 映画「スーパーマン」の最新リメイク版に赤信号が点灯している。DCスタジオズの映画制作者らが、クリプトン星から来たアクションヒーローを「移民」と表現したためだ。

 監督兼脚本家ジェームズ・ガン氏による、この映画の思想的傾向についての発言が波紋を呼んでいる。「政治的」であり、「マン・オブ・スティール(鋼の男)」が「移民」として描かれていると話したからだ。225億ドルの予算を投じたこの映画は11日に公開される。

 ジェームズ氏は7月4日のロンドン・タイムズとのインタビューで「『スーパーマン』は米国の物語だ。1人の移民が他の場所から来て、その国に住み着いたという物語だが、私にとって重要なのは基本的な人間の優しさであり、私たちはその優しさを失ってしまっている」と述べた。

 ジェームズ氏の弟で、悪役マックスウェル・ロードを演じるショーン・ガン氏は、7日のロサンゼルスでの試写会でバラエティ誌の記者から「MAGA(「米国を再び偉大に」、トランプ大統領支持者)は彼がスーパーマンを移民と呼んだことに既に怒っている」と指摘されると、監督のジェームズ氏を擁護し、次のように語った。

 「それがまさにこの映画が伝えたいメッセージだ。私たちは人々を助ける。移民を大切にする。スーパーマンは移民であり、私たちはこの国の移民を助ける。それが気に入らない人は米国人ではない」

 彼はさらに「移民に反対する人々は、アメリカン・ウェイ(米国流)に反対していることになる。アメリカンドリームの真髄に反対していることになる」と付け加えた。

 兄弟のどちらも、米国に不法に滞在する移民と合法的に滞在する移民の区別をつけていなかった。ところが、トランプ大統領の強制送還政策では、バイデン政権時に南部国境を越えて入ってきた不法移民が焦点となっている。

 保守系のエンタメ系サイト「ハリウッド・イン・トト」の評論家クリスチャン・トト氏はサイトへの投稿で「(ショーン・)ガンと記者がしていることは、左派がいつもしていることだ。彼らは合法移民と不法移民の違いを無視している。また、米国民がただ入国するだけで、その国の市民が享受している権利や特権を即座に得られる国などほとんど存在しないという事実も無視している」と述べた。

 トト氏はさらに、ショーン氏には兄の「映画の政治化へのこの試み」を撤回する機会があったが、逆に火に油を注いでしまったと主張した。

 「兄の発言を言い直すか、否定することなく別の解釈を添えるだけでよかったのに、さらに強硬な姿勢を示した。7月11日以降、どうなるか見てみよう」

 スーパーマンを演じる俳優のデビッド・コレンスウェット氏が、「CBSサンデーモーニング」のインタビューで、ヒーローのキャッチフレーズは「真実、正義、そしてアメリカン・ウェイ(米国流)」ではなく「真実、正義、そしてこれらのあらゆること」だと述べたことから事態はさらに悪化した。

 保守派のコメンテーター、ベン・シャピロ氏は、「彼は『米国流』と言いたくないようだ」と指摘した。

 シャピロ氏はポッドキャストで「ハリウッドは左派に偏りすぎて、米国の核心部分を取り上げて、これが米国だと率直に言うことができないという現実がある。この問題は基本的に、クリストファー・リーブ主演のオリジナルシリーズからずっと続いている。それ以来、すべての作品で『真実、正義、そしてアメリカン・ウェイ』という表現は避けられてきた。なぜなら、彼らはアメリカン・ウェイが優れていることを認めることを拒否しているからだ」と指摘した。

 リーブ主演の「スーパーマン」シリーズ4作のうち、最初の作品は1978年に公開された。

 新作に移民というテーマが実際に登場するかはまだ分からないが、公開前のこれらのメッセージに保守派は強く反発している。

 保守系の風刺サイト「バビロン・ビー」は、宇宙船が地球に墜落した後、カンザス州の農場でクラーク・ケントとして育ったスーパーマンを、典型的な移民として演じようとする取り組みを揶揄した。

 バビロン・ビーは「ジェームズ・ガン、道徳的に高潔で、完璧な英語を話す白人移民を受け入れることの重要性をテーマにした映画を公開」と指摘した。

 FOXニュースチャンネルの「ザ・ファイブ」の司会者らは、合法移民と不法移民を取り上げた7日の番組で、「スーパーウォーク:伝説の映画ヒーローが移民支持のテーマを掲げる」というテロップを表示した。

 トランプ政権の元大統領上級顧問で、共同司会者のケリアン・コンウェイ氏は「私たちは映画館に説教を聞かされるためや、イデオロギーを押し付けられるために行くのではない」と述べた。

 共同司会者のジェシー・ワッターズ氏は、「あいつのマントに何て書いてあるか知ってるか? 『MS-13』だよ」と、悪名高いギャングの名を挙げて揶揄した。

 左派系メディア「メディア・マターズ・フォー・アメリカ」は、この番組が「スーパーマンの移民への優しさのメッセージに対して異常な攻撃を仕掛けた」と非難した。

 ジェームズ氏は、映画「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」の最初の2作の脚本・監督だったが、2018年に何年か前のツイートで強姦や小児性愛を茶化したことが発覚し、ディズニーから3作目の監督を解雇された。

 2017年にはトランプ氏に関する下品なジョークをツイートした。その後、トランプ氏をアドルフ・ヒトラーとロシアのプーチン大統領に例えるツイートを投稿した。

 ロンドン・タイムズのインタビューでは、スーパーマンのクラーク・ケントとヒロインのロイス・レーンが、スーパーマンは戦争を止めるべきだったかどうかを議論するシーンについて語った。

 「確かに、これは政治が関係している。しかし見方を変えれば、道徳に関するものだ。何があっても殺さない、これがスーパーマンの信念か、ロイスが信じるようにバランスを取るべきか」

 ニューヨークのような民主党の強い州とカンザスのような民主党が強い州で、映画が異なる反応を受けるかどうか考えたことがあるかという質問にはこう答えた。

 「確かに、反応は異なる。しかし、これは人間の優しさについての物語だ。優しさについて扱っているからといっても、それを不快に感じるような無礼な人間は当然いる。でも、そんな連中は無視すればいい」

 現時点で映画は試写会で批評家と観客から好意的な反応を得ている。映画レビューサイト「ロトゥン・トマト」では、批評家評価85%、観客評価96%を獲得している。

 映画レビューサイト「ワース・イット・オア・ウォーク(その価値があるか、ウォークか)」は、この映画に「B-」の評価を付けたものの、「10%ウォーク(人種などの問題に過敏)/90%ベースド(しっかりした信念がある)」と評価し、ヒーローは「リーブがスーパーマン役を演じて以来、どの作品よりも主人公の本質的な特徴を体現している」と好意的な見方を示した。

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