ミサイル防衛で「積極防衛」、宇宙能力の重要性強調-陸軍幹部

(2025年8月20日)

ワシントン・タイムズ紙が毎日配信するニュースレター「Threat Status」のビデオ映像。

By Vaughn Cockayne – The Washington Times – Sunday, August 17, 2025

 敵国が莫大な資源を投入して米国を凌駕する次世代兵器の開発を進めているが、米軍は、これらの脅威に対処可能なシステムの構築に取り組んでいる――軍幹部がワシントン・タイムズに明らかにした。

 陸軍宇宙・ミサイル防衛司令部と統合ミサイル防衛機能部隊司令部を率いるショーン・ゲイニー中将はワシントン・タイムズに対し、陸軍がミサイル防衛の先導役を担っていると述べた。

 ゲイニー氏は、イスラエルとウクライナで米国のミサイル防衛の優位性が実証されたと指摘、防空システム「パトリオット」と迎撃ミサイル「高高度防衛ミサイル(THAAD)」がさまざまな標的を無力化したと指摘した。一方で、技術開発の速度が早く、適切なミサイル防衛の確保が困難であることも認めた。

 「ドローン戦が急速に進化しており、これらの多様な脅威に対抗する防御環境は複雑化している。彼らは弾道ミサイル、巡航ミサイル、ドローンを同時に使用し、攻撃のタイミングを図ることで、防御する側を圧倒し、混乱させようとする」

 6月のイスラエルとイランの12日間の交戦で、米国のミサイル防衛技術は効果的だったとみられている。THAADとパトリオットは、イランから発射されたミサイルとドローンの大部分を撃墜したが、備蓄は急速に枯渇し、米国が装備の整った敵に対して防衛できなくなるのではないかと懸念が生じている。

 ゲイニー氏はワシントン・タイムズとの議論で、兵器が発射される前に目標を破壊する「アクティブディフェンス(積極防衛)」の重要性を強調した。この戦略には、従来の運動エネルギー兵器やサイバー戦を通じて、ミサイル生産施設や発射基地を標的とする措置が含まれる。

 「現在、私たちはアクティブ(能動)センサーと射手によるアクティブディフェンスに重点を置いているが、ミサイル防衛を総合的に活用し、補給と備蓄を標的とする必要があると考えている。発射前に備蓄を標的とすることで、戦場で迎撃する必要のある迎撃ミサイルの数を減らすことが重要だからだ。ウクライナやイスラエルでの最近の紛争を見れば、長期戦では、敵が発射する大量のミサイルに対して、一つひとつを迎撃する能力を維持し続けることが難しいことは明らかだ」

 ゲイニー氏は、陸軍のプロジェクト「空とミサイル防衛戦略2040」の重要性を強調した。これによって軍の防御上の課題を解決できる可能性があるという。この戦略は、既存、新興の技術を統合し、陸軍にとっての脅威を発見、追跡、破壊する能力を向上させることに焦点を当てている。同氏は、統合センサーネットワークの力を兵士に委ねることで、防御の成功確率が向上すると述べた。

 「私たちは、おそらく過去40年間で最も意欲的な近代化計画を進めている。指揮統制のための『統合戦闘指揮システム(IBCS)』を強化している。IBCSは、あらゆるセンサーと射撃システムを組織内に統合し、最先端のレーダーや迎撃システムを活用し、操作者がそれらのシステムを組み合わせて適切な脅威に対処する能力を提供する」

 ゲイニー氏はまた、防御システムには最後のフロンティアである宇宙のセンサーが含まれる可能性があり、宇宙能力が統合防御の鍵となると述べた。

 「陸軍が宇宙での能力を維持できるようにすることは、戦場での機動を可能にし、精密射撃を可能にし、長距離通信を可能にするという点で理にかなっている。したがって、宇宙は陸軍の接近戦に必要だ」

 ゲイニー氏は、国防総省が取り組んでいる次世代のミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」には特に言及しなかった。防衛当局はこの構想について口を閉ざしており、陸軍宇宙・ミサイル防衛司令部がその開発にどのような役割を果たしているかは不明だ。トランプ大統領は5月、構想には1750億ドルの費用がかかり、任期中に完成すると発表した。

2026年9月8日火曜日、ワシントンD.C.のペンタゴンを上空から撮影(AP通信/ジュリア・デマリー・ニキンソン撮影)

防衛技術ブームに陰り 企業統廃合が拡大か 中間選挙、資金調達がピーク

(2026年10月02日)
2014年8月14日に撮影されたこの写真には、ワシントン州ブレマートンのピュージェット・サウンド海軍造船所の埠頭に停泊する空母「USSレンジャー」が写っている。退役したこの空母は、木曜日にワシントン州ブレマートンからテキサス州ブラウンズビルのインターナショナル・シップブレイキング社まで曳航される予定だ。(AP通信写真/キトサップ・サン紙、ラリー・スティガール)

海軍原子力造船所の近代化に遅れ、かさむコスト-政府監査院報告

(2026年09月29日)

米空軍、シンクタンクを閉鎖 中国の脅威分析へ影響懸念

(2026年09月26日)
FBI長官のカシュ・パテル氏

FBI、中国によるスパイ活動の急増を明らかに

(2026年09月23日)
NASAが提供したこの画像は、2026年4月6日(月)、アルテミス2号の乗組員が月フライバイ中に、地球が月の沈む前に月の隣にある地球を撮影したものです。(NASA提供、AP通信経由)

米軍、月周辺での戦闘に備え 統参議長「宇宙優勢」維持を強調

(2026年09月18日)
2022年8月20日土曜日、中国南西部重慶市龍泉村にある貯水池では、擁壁からの漏水により貯水池の水がほぼ枯渇し、ひび割れた乾燥した泥が見られる。周囲の農地や険しく美しい山々を含む巨大都市、重慶の景観そのものが、異常に長く激しい熱波とそれに伴う干ばつによって変貌を遂げた。(AP通信/マーク・シーフェルベイン撮影)

中国、気象を兵器化へ 軍事目的で環境を操作する技術開発

(2026年09月12日)
2024年9月8日、ニューヨークにある国立9.11記念博物館の反射池の一つに赤いバラが供えられた。(AP通信/テッド・シャフリー撮影)

9・11同時多発テロ25周年 説明に苦慮する教育現場

(2026年09月11日)
中央から、トルコのハカン・フィダン外相が、パキスタンのイシャク・ダル外相(右)、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン・アル・サウド外相(右から2番目)、トルコ、パキスタン、サウジアラビアの軍および民間高官らとともに、2026年8月31日(月)、トルコのイスタンブールで開催されたメッカ共同防衛協定に基づき設立された戦略政治防衛委員会の第1回会合で記念撮影に応じた。(AP通信/カリル・ハムラ撮影)

イスラム3カ国が新同盟 米国の信頼性に懸念 中東に新たな勢力図

(2026年09月07日)
米海軍作戦部長のダリル・コードル提督は、2025年11月17日、東京訪問中に選ばれた記者団と会見した。(AP通信/マリ・ヤマグチ撮影)

海軍作戦部長、中東への戦力移動は中国抑止に影響

(2026年08月30日)
8月18日に撮影されたこのヴァントール衛星画像は、ヤゴン礁を捉えたもので、アナリストらは、約9マイル離れたアンテロープ礁における人民解放軍の軍事作戦を支援する可能性のある、中国の早期警戒レーダーの開発を示していると指摘している。(画像提供:衛星画像 ©2026 Vantor)

中国、西沙諸島に新たな軍事基地 米が強く非難

(2026年08月28日)
→その他のニュース