米上院議員、中国の「政治的判決」執行を阻止する法案を提起

(2025年12月23日)

エリック・シュミット上院議員(共和党・ミズーリ州選出)が、2025年1月30日にワシントンD.C.の連邦議会議事堂で行われたカシュ・パテル氏の承認公聴会で発言している。(AP通信/ベン・カーティス撮影)

By Stephen Dinan – The Washington Times – Monday, December 22, 2025

 共和党のエリック・シュミット上院議員は、中国の武漢ウイルス研究所など新型コロナウイルスの発生源を巡る議論が激化する中、中国が政治的動機に基づく裁判所の判決を米国人に対して執行することを阻止する法案を提出する。この種の法律が議論されるのは初めてとみられている。

 シュミット氏はミズーリ州司法長官在任時、武漢ウイルス研究所とその関連機関に240億ドルの賠償を命じる判決を米国で勝ち取った。これに対し同研究所は中国の裁判所でシュミット氏とミズーリ州を相手取り500億ドルの訴訟を提起し報復した。

 同氏はこれを「全体主義国家の法律戦」と呼んだ。

 この法案について報じるのはワシントン・タイムズが初めて。法案は、武漢ウイルス研究所がこの政治的な裁判に勝利し、「いんちき判決」(シュミット氏)で賠償金を獲得するのを阻止する可能性がある。

 シュミット氏は「中国共産党による私への訴訟は政治的動機に基づく法的根拠のないものであり、中国は米国市民を標的にするために自国のいんちき裁判を武器化している。私の法案は、中国の裁判所が政治的な動機で下した判決は、米国では決して承認も執行もされないことを明確にしている」と述べた。

 同氏はこの法案を「中国の法律戦終結法」と呼んでいる。

 シュミット氏に対する訴訟は、武漢ウイルス研究所、中国科学院、武漢市政府によって武漢中級人民法院に提起された。

 シュミット氏に加え、ミズーリ州と、シュミット氏の後任として州司法長官に就任し、中国に対するこの賠償請求訴訟を承認したアンドルー・ベイリー氏も被告として名指しされている。ベイリー氏は現在、連邦捜査局(FBI)の副長官である。

 中国の訴訟は、シュミット、ベイリー両氏と州に対して、謝罪と3560億元(約500億米ドル)の「損害賠償」の支払いを求めている。

 春に提起されたとみられ、今月になってようやく通知された。

 これが、シュミット氏による訴訟に対する報復であることに疑いの余地はない。当時、中国側からの反論はなく、欠席のまま判決が下された。新州司法長官のキャサリン・ハナウェイ氏は、240億ドルの回収を誓っている。

 これには、中国が所有する資産の差し押さえも含まれる。

 訴状は、シュミット氏が勝訴したことで「中国の科学者を貶め」「ブランド価値と学術的評判を傷つけ」、国際共同研究が困難になったと主張している。

 シュミット氏は主張を曲げていない。「中国を提訴し、勝訴したのは、それが事実だからだ。中国は新型コロナについてうそをつき、隠蔽を図ったが失敗し、世界を苦痛に満ちたパンデミック(大流行)に陥れた」

 米国法はこれまでにも外国裁判所の判決執行を阻止したことがある。例えば2010年、民主党主導の議会が可決し、オバマ大統領が署名した法律は、誹謗中傷に関する基準が異なる国の裁判所による名誉毀損判決の執行を阻止するものだった。

 この法律は世界に適用されたが、その主たる狙いは英国への「名誉毀損ツアー」だった。英国は名誉毀損の基準が低く、裁判所は米ウェブサイトに対しても名誉毀損判決をよく出していた。一方、米国民が提訴しようとしても憲法修正第1条(言論の自由)に阻まれ、そのため英国に行って訴訟を起こすようになった。

 シュミット氏の法案は、政治的動機に基づく判決をよく出す一つの国を標的とする点で従来とは異なる。

 法案は中国の司法制度が中国共産党に「従属」していると規定。この独立性の欠如が判決の正当性を損なうとしている。

 法案によれば、中国政府またはその支配政党によって提起、支援され、米政府もしくは憲法上の権利を妨害する意図があったと認定された中国裁判所の民事判決は、米国での執行が認められない。

 これに該当する訴訟は州裁判所から連邦裁判所に移管され、そこで保護措置が発動される。

 法案はまた、この訴訟に要した弁護士費用について、米国人被告への補償を認めている。

ドラキュラの衣装を着た男性が、パートナーとルーマニアのブカレストで開催されたハロウィーン・フェスティバル「ウエストサイド・ハロ・フェスト」で自撮り写真を撮っている(2023年10月28日土曜日)。先週末、ブカレストの天使の島半島には数万人が集まり、共産主義体制崩壊以来、東欧諸国で最大規模のハロウィーン・フェスティバルとなった。(AP通信/ヴァディム・ギルダ撮影)

ハロウィーン衣装、今年の人気は中世の騎士、ドリー・パートン、「ゼルダの伝説」

(2026年10月04日)
2026年8月22日(土)、ニューヨークのバークレイズ・センター前で、インディアナ・フィーバー対ニューヨーク・リバティのWNBAバスケットボールの試合前に、トランスジェンダーの女子スポーツ選手に反対するデモ隊が集まった。(AP通信/アンジェリーナ・カツァニス撮影)

トランス女性が女子スポーツで金メダル大量獲得 議会でも公平性巡り議論

(2026年09月28日)
州選出のマーシー・カプトゥール下院議員(民主党)が、2022年12月9日、オハイオ州トレドでインタビューを受けている。(AP通信/カルロス・オソリオ撮影)

民主党議員が反トランスジェンダーに転換 LGBTQ団体が反発

(2026年09月25日)
2026年8月28日(金)、ワシントンD.C.のワシントン記念塔から見た米国議会議事堂。(AP通信/J・スコット・アップルホワイト撮影)

キルスイッチ、監視、開発停止 議会でAI規制案続々 合意に至らず

(2026年09月21日)
プリンストン大学のカトリック司祭であり、同大学のカトリック系キャンパス宗教団体であるアクィナス研究所の所長を務めるザカリー・スワンテック神父が、2025年5月15日(木)、ニュージャージー州プリンストンにある同大学の礼拝堂の側祭壇で行われたミサで聖体拝領の際に聖体を掲げている。(AP通信/ルイス・アンドレス・ヘナオ撮影)

大学でカトリックが復興か 改宗者が急増 一部の専門家は懐疑的

(2026年09月20日)
2019年11月29日、ドイツのエッセンで開催されたチューニングとモータースポーツのエッセン・モーターショーで、自動車部品で作られた金属製の頭部が人工知能(AI)を象徴している。国防情報局は、開発中の強力な新技術が戦争や平和につながる決定において人間の判断を迂回することを阻止するために設計された、新たな人工知能戦略の最終調整を行っている。(AP通信/マーティン・マイスナー撮影)

「2020年代末までにAIが人類を滅ぼす可能性」 AI研究者ら警告

(2026年09月17日)
JD・ヴァンス副大統領は、2026年9月14日(月)、メリーランド州アンドリュース統合基地で、エアフォースツーに搭乗する前に記者団に語った。(AP通信/マーク・シーフェルベイン撮影、プール提供)

IT大手のAI規制要請は「トロイの木馬」 バンス副大統領が警告

(2026年09月16日)
2024年9月8日、ニューヨークにある国立9.11記念博物館の反射池の一つに赤いバラが供えられた。(AP通信/テッド・シャフリー撮影)

9・11同時多発テロ25周年 説明に苦慮する教育現場

(2026年09月11日)
2026年8月19日(水)、ワシントンD.C.のワシントン記念塔から見た、ホワイトハウスの新舞踏室の建設工事が続く様子。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

トランプ氏のホワイトハウス大宴会場計画が左派を激高させる理由

(2026年09月09日)

なぜ3000万人の米国人男性が独身なのか、その数はなぜ増え続けているのか

(2026年09月08日)
→その他のニュース