米国領グリーンランド?

(2026年1月17日)

グリーンランドとアメリカ合衆国の国家安全保障に関する図解 リナス・ガルシス作/ワシントン・タイムズ

By Editorial Board – The Washington Times – Tuesday, January 13, 2026

 欧州は、米大統領がベネズエラの社会主義独裁者を追放したことに大混乱している。各国首脳はロンドンに急きょ集まり、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相が、グリーンランドに対する自国の帝国的野心を守るための行動を呼び掛けたことについて協議した。

 「欧州は立ち上がらなければならない。より強く、断固とした欧州が、独自の力で立ち、欧州と欧州の利益を守り、促進できるようにする必要がある」。フレデリクセン氏は、米国によるグリーンランドの奪取は北大西洋条約機構(NATO)条約上の義務に関わり、加盟国に対し、2200マイル離れたこの広大な領土に対するデンマークの主張を防衛することを迫ることになると主張している。

 もし「トランプ嫌悪症」が正式な精神疾患マニュアルに載るべき病気であることに疑いがあったなら、今回の件がその疑いを完全に払拭するだろう。フレデリクセン氏の同調者たちは、米国の納税者なしにNATOが存続できるという虚構に浸っている。

 われわれはブリュッセルの官僚機構の費用を肩代わりしているだけでなく、5000発の核弾頭と、世界で最も高度な軍事情報・兵站(へいたん)ネットワークによって、実際に意味のある抑止力も提供している。

 イングランド、フランス、イタリア、スペインは、グリーンランドをデンマークの支配下に置くことを支援するという誓約をもって、この妄想を受け入れた。そもそも、グリーンランドの人々が、何十年にもわたり島のイヌイット先住民に強制避妊政策を行ってきた同じ政府に統治されたいと、なぜ思うのかは不明だ。

 欧州の共同声明は、トランプ大統領の計画には直接触れていない。その代わりに、「国連憲章の原則、すなわち主権、領土保全、国境の不可侵性を守る必要性」を強調する一般論で状況を説明している。「これらは普遍的な原則であり、われわれはその防衛をやめることはない」と述べている。

 ベルギーの元政治家ドリース・ファン・ランゲンホーフェ氏は、その偽善を嘲笑した。「EUエリートたちは『グリーンランドはグリーンランド人のものだ!』と言わせたいらしい。しかし、もしわれわれが『ドイツはドイツ人のもの』『フランスはフランス人のもの』と言えば、牢屋行きだ」と同氏は12日に書いた。翌日、ベルギー最高裁は、同氏が大量移民を批判するミームを投稿したことを理由に、“ヘイトスピーチ”有罪判決を支持した。

 欧州は、人口減少による破局へと突き進む中で、自らの存在意義を見失いつつある。これらの国々は、西洋を嫌悪し、それに取って代わることを望む移民に国境を開放している。その結果は予想通りで、犯罪の急増と、各国の固有の国柄の破壊である。

 国家的なビジョンを欠けば、欧州諸国の政治的立場は一貫性を失う。世界地図の中で、キーウとヌーク(グリーンランド)の国境線だけが神聖不可侵で、決して変わってはならないとわれわれは思い込まされている。一方で、かつて偉大だった欧州の首都は、外国の飛び地のような姿へと変貌している。

 トランプ氏は欧州の虚勢を見抜いており、起こり得る結果は二つに一つだ。第一に、欧州が屈し、デンマークがグリーンランド売却に同意する可能性。あるいは、トランプ氏の“逆心理”が働き、欧州がグリーンランド防衛のために軍隊を派遣するようになる可能性である。

 「基本的に、あそこの防衛力なんて犬ぞり二つだろう」と、トランプ氏は11日、エアフォースワンの機内でグリーンランドについて嘲(あざけ)るように語った。

 地上部隊が増えれば、中国の北極圏での攻勢を抑止する効果がある。習近平国家主席がエマニュエル・マクロン仏大統領の機嫌を損ねることを恐れているわけではない。しかし、平和維持部隊と衝突すれば、ワシントンの怒りを買うことは習氏も理解している。

 欧州大陸に自らの防衛にもっと積極的な役割を担わせることは、「米国を再び偉大にする」政策の重要な柱であり、その目標を達成することは、グリーンランドを手に入れることと同じくらいの勝利なのだ。

 「いずれにせよ、われわれはグリーンランドを手に入れることになるだろう」

とトランプ氏は述べた。

1989年5月17日、中国・北京の天安門広場は、民主化を求める集会で数千人の群衆で埋め尽くされた。(AP通信/Sadayuki Mikami)

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