中国、核戦力を強化へ秘密核実験

(2026年2月20日)

2025年9月3日(水)、北京の天安門広場で行われた日本国第二次世界大戦終戦80周年記念軍事パレードに、DF-5C液体燃料大陸間戦略核ミサイルが参加した。(AP通信/アンディ・ウォン撮影)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, February 18, 2026

 クリストファー・ヨー米国務次官補(軍備管理・不拡散担当)は、中国が2020年に秘密裏に地下核実験を実施したことを明らかにした。カザフスタンの地震観測所が検知したもので、核戦力向上を目的としたものだという。

 中国は包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准していないものの、自ら核実験一時停止(モラトリアム)を課しており、ヨー氏が公表した新情報によると、トランプ政権はこの実験について、モラトリアム違反と主張している。

 一部の軍備管理専門家は当初、爆発の事実自体に疑問を呈していたが、ヨー氏はカザフスタン南部のマカンチにある地震観測所によって実験の日時と場所が特定されたと述べた。

 トランプ大統領は最近、米国も中国やロシアと同等の条件で核実験を再開すると表明した。中露両国では、地下爆発の実施が既に検知されている。

 中国の地下爆発はマグニチュード(M)2.75を記録し、その波形は「地震のものとは一致しなかった」とヨー氏は指摘した。

 空軍地球規模攻撃軍団の元首席科学者でもある同氏は、17日にハドソン研究所で行った講演で「単発の爆発以外である可能性は極めて低い」と語った。

 さらに中国は、国際的な監視網から逃れるために「デカップリング」と呼ばれる手法を用いた。

 核実験のデカップリングとは、地下の巨大な空洞内で核爆発を起こし、地震波を減衰させる隠蔽技術のことだ。

 ヨー氏によれば、6年がたった今、中国は現在、出力が最大で「数百トン」に達する新たな核実験を準備しているという。

 ヨー氏は核科学者の故C・ポール・ロビンソン氏の言葉を引用しながら、米国が厳格な「出力ゼロ」政策を維持する一方で、敵対国が威力を伴う核実験を強行すれば「米国は耐え難い不利益を被ることになる」と警鐘を鳴らした。

 「この言葉通り、現在まさに耐え難い不利益が生じている。トランプ大統領が言う『対等の条件』とは、もはや不公平な土俵では戦わないということだ」と強調した。

 ロシアもまた、モラトリアム順守を主張しながら、秘密裏に核実験を行っているという。

 これに対抗するための米国の実験の規模については、大統領の判断に委ねられる。

 ヨー氏によると、中露は秘密実験を通じて核戦力を増強し、重要な戦略的優位性を得ている。

 「これは重大な問題だ。中露で戦域核戦力の近代化と拡大が進んでいる。こうした超臨界状態での核実験が、それらの能力に直結している可能性に強い危機感を抱くべきだ」と主張した。

 オーストリアのウィーンに本部を置く多国間の包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)のロバート・フロイド事務局長は、中国のロプノール核実験場付近で「極めて小規模な2件の地震事象」が検知されたことを確認した。

 ただし、これらの実験はCTBTOが核爆発として検知するのに必要とする500トンを下回っているとみられる。

 中国外務省は、秘密裏の地下核実験への関与を否定している。

 ヨー氏は、トランプ氏が中露両国を含む新たな国際合意を模索しており、それが核軍拡競争の再発防止につながるとの見解を示した。

 過去に旧ソ連やロシアと結んだ軍備管理協定はことごとく破られ、米国に戦略的な不利益をもたらしてきたという。

 中国はこれまでのところ、米国、ロシアとの軍縮交渉への参加を拒んでいる。ヨー氏は、中国の核戦力増強を「息をのむほどの規模」と表現した。

 トランプ氏は将来のいかなる軍備管理条約にも中国を加えたい考えだが、ヨー氏は、第1次政権時と同様に3カ国協議の実現は困難を極めるとの見通しを示した。

 中国には不拡散防止条約(NPT)第6条に基づき、誠実に核軍縮交渉を行う法的義務があるとヨー氏は指摘する。

 また、中国は、核戦力を急激に拡大させる一方で、この義務を真摯に受け止めるべきだと訴える。

 「これほどの拡大は冷戦初期以来、数十年間にわたって見られなかった。中国には順守の義務があり、世界はこれ以上、看過するのをやめるべきだ」

中国、米国による核施設攻撃を警戒

 米空軍系シンクタンクの報告書によると、米国によるイラン核施設への攻撃に対し、中国が不安を募らせている。中国国営メディアは、自国の地下核施設も同様の攻撃に対して脆弱(ぜいじゃく)であるとの懸念を報じている。

 昨年6月22日に実施された作戦「真夜中の鉄槌」では、戦略爆撃機B2と巡航ミサイル「トマホーク」がイランの主要な3つの核施設を攻撃した。

 爆撃機は米国から探知されることなく飛来し、地中貫通爆弾GBU57を投下。フォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの核施設に甚大な被害を与えた。

 中国はイランと深い経済的つながりがあり、戦略的パートナーシップを結んでいるが、この攻撃に対する反応は比較的控えめだったと報告書は指摘している。

 敵国の中心部にある堅固な軍事目標に対する米国の長距離精密攻撃を受け、中国は長距離打撃能力と防衛力の両方を強化する必要性に迫られている。

 報告書は「真夜中の鉄槌作戦の成功が、自国の核抑止力について、中国防衛当局者の間に広範な懸念を呼び起こした可能性がある」としている。

 中国の戦略家らは以前から、米国の高度な通常兵器による精密打撃能力、特にそれが「中国の核抑止力に与える脅威」について懸念を表明してきた。

 米当局者は、中国の核軍拡について、核弾頭、ミサイル、爆撃機、潜水艦の驚異的な拡大と指摘している。

 爆撃直後、中国中央テレビは人民解放軍の工学教授のインタビューを放映した。教授は、地下の核インフラを攻撃から守るために高度な防衛システムを開発する必要があると述べた。

 また、中国には精密誘導型の地中貫通爆弾のような攻撃能力も不足している。

 「米国が高度な戦略ミサイル防衛システム『ゴールデンドーム』や核の近代化を推進していることも、中国の自国抑止力に対する不安を増大させる可能性がある」と報告書は分析している。

 中国の核施設の多くは、「地下の長城」と呼ばれる巨大な地下トンネルや工場に隠されている。この複合施設は長らく秘密とされていたが、2015年に約3000マイル(約4800キロ)に及ぶトンネル網であることが公表された。

 2023年、米国防総省は中国の地下核・兵器施設に関する新情報を初めて公開し、年次報告書でこれらの施設が拡張されていると指摘した。

 報告書によれば、人民解放軍の核弾頭やミサイルの保管、指揮統制に使われる掩体壕(えんたいごう)やトンネルの近代化が進んでいる。

 中国は「数千の地下施設を保有し、毎年増設している。これらの施設は中国の介入阻止・領域拒否戦略の中核であり、ミサイル攻撃から重要資産を守り、軍事作戦を敵から隠す役割を果たしている」という。

 公式には、中国政府はイランへの攻撃を「覇権主義の危険な誇示」であり、軍事力の無謀な乱用だとして非難している。

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