コロナ禍6年、政府は検証・総括を 民間団体が要求

(2026年3月10日)

2021年12月6日、マンハッタン中心部の移動ワクチン接種会場で、男性がワクチン接種バスから降りる。(AP通信/メアリー・アルタファー撮影)

By Stephen Dinan – The Washington Times – Friday, March 6, 2026

 新型コロナウイルスが米国で猛威を振るい、多くの死者を出し、厳しいロックダウン(都市封鎖)を引き起こしてから6年が過ぎた。しかし政府がウイルス、国民を抑え込もうとして課した数々の強権的制限についていまだ十分な総括が行われていない。

 市民的自由擁護団体の連合組織は、今こそその検証が必要だと訴えている。

 同連合は「COVID(コロナウイルス感染症)正義決議」を立ち上げ、政府の権限が「行き過ぎ」ていたことを議会が公式に認めるよう求めている。これは誰かに責任を押し付けるためではなく、大流行の間に曖昧になった憲法上の境界線を再確認するためだとしている。

 この運動を主導するブラウンストーン研究所の創設者ジェフリー・タッカー氏は「いまだに謝罪は一度もなされていない」と語る。

 「政府の対応によって負った傷は今も癒えていない。それは確かに存在し、広がっている。『これは間違いだった』と社会的に強い影響力のある機関が明確に認めない限り、起きたことからの癒やしは決して訪れないと思う。そうしたことが必要だ。しかし考えてみてほしい。それはまだ一度も起きていない」

 タッカー氏は「できるだけ痛みを伴わない形で、できるだけ強く表明してほしい」と述べた。

 新型コロナウイルスは中国・武漢で最初に確認され、世界で数百万人の命を奪い、現在もなお存在している。

 しかし最初の流行から6年が過ぎた現在でも、その起源について世界の見解は一致しておらず、実際の死者数についても確定した数字はない。

 また医療界では治療法について一定の一致がみられているものの、大流行初期にマスクの使用を巡って相反する助言があったり、危機の最中に示されたワクチンの効果を巡る説明の混乱を経験した一般市民の間では、より懐疑的な見方が広がっている。

 社会的な措置についてはさらに論争が激しい。州境には警察が配置され、州外からの流入を阻止した。労働者は「必要不可欠」と「不要不急」に分類され、教会は数カ月にわたり閉鎖され、復活祭やクリスマスの礼拝も中止された。学校は閉鎖され、生徒が教室に戻るには緊急使用承認されたワクチンの接種証明が求められた。

 こうした状況の中で、政治家たちはある時点から、すべてを過去のものとして忘れ去りたいと考えるようになったとタッカー氏は言う。

 「すべてが狂気じみていた。常軌を逸していた。こっけいで、悪質ですらあった。それがいつ終わったのかははっきりしない。ただ、いつの間にかゆっくりと消えていったという感じだった。大流行がいつ終わったのかさえ、私たちははっきり分かっていない。今でも分からない。話題はいつの間にか別のものに移り、残されたのは大きな痛みと苦しみだけだった」

 この決議はブラウンストーン研究所のほか、ヘルス・フリーダム・ディフェンス・ファンド、チルドレンズ・ヘルス・ディフェンス、インディペンデント・メディカル・アライアンス、スタンド・フォー・ヘルス・フリーダムなどが支持している。

 決議では、外出禁止命令、学校閉鎖、「不要」とされた民間企業や礼拝所の強制閉鎖、マスク義務化やワクチン義務化、SNS上での検閲に近い圧力キャンペーン、ウイルス対策や政府自身が停止させた経済の補填のために投入された巨額の税金などを問題として挙げている。

 タッカー氏によれば、この決議は現在、上院議員による提出を模索しており、これら一連の措置について「深い遺憾の意」を表明する内容になるという。

 同氏は、ドナルド・トランプ大統領がこの問題の総括に慎重な姿勢を見せているとも指摘する。最初の強硬措置がトランプ政権下で始まったためとみられる。

 当初は「感染拡大を遅らせるための15日間」と説明されていた措置が、数カ月、さらには数年に及ぶ封鎖や規制へと拡大した。

 総括への大きな動きがない中でも、小さな動きは出始めている。

 沿岸警備隊は先週、ワクチン接種を拒否したことで除隊させられた56人の隊員を、未払い給与の支払いを含めて復職させると発表した。

 国防総省は昨年12月、2021年8月24日から2023年1月10日までの間に、ワクチン接種を拒否したため8000人以上の兵士が解雇されたと発表した。ピート・ヘグセス国防長官は、一般除隊処分となった約3000件について名誉除隊への変更が可能か再検討するよう指示している。

 スタンフォード大学教授としてロックダウンやマスク義務化を強く批判していたジェイ・バタチャリア氏は現在、米国立衛生研究所(NIH)所長を務めており、2月18日からは疾病対策センター(CDC)のトップも兼任している。

 また連邦判事は最近、国防総省にワクチン義務化を推進した元軍医を解雇した中央情報局(CIA)の判断を支持する判決を下した。

 ただし法的には、解雇の前例そのものは依然として残っている。

 連邦最高裁は2月23日、2021年のワクチン義務化を拒否して解雇された空軍兵士による2件の訴訟の審理を拒否した。兵士側は未払い給与の支払いと宗教的権利侵害の認定を求めていた。

 財政面でも問題は残る。新型コロナ関連予算のうち数百億ドルがいまだ未使用のままだ。

 ジョニ・アーンスト上院議員(共和党、アイオワ州)は昨年11月、約650億ドルを国庫に返還する法案を提出した。

 さらに労働省監察官は数週間前、未使用の新型コロナ失業給付金7億ドル以上が政府発行の支払いカードに残っていると警告した。さらに約2億ドルが州の未請求財産口座に送られているという。

 監察官は、何者かに不正に取得される前に政府が資金回収の緊急措置を取る必要があると指摘した。

 アンソニー・デスピト監察官は「資金の所在はすでに特定している。遅延の言い訳はなく、唯一許される結果はこの資金を米国民に返すことだ」と述べた。

 監察官や司法省は現在も不正事件の捜査と訴追を続けている。

 しかし議会はすでにこの問題への関心を失っているようだ。

 新型コロナ失業給付金詐欺の時効を5年から10年に延長する法案は昨年3月、超党派の強い支持を得て下院を通過したが、上院はこれまで何の措置も取っていない。

ドラキュラの衣装を着た男性が、パートナーとルーマニアのブカレストで開催されたハロウィーン・フェスティバル「ウエストサイド・ハロ・フェスト」で自撮り写真を撮っている(2023年10月28日土曜日)。先週末、ブカレストの天使の島半島には数万人が集まり、共産主義体制崩壊以来、東欧諸国で最大規模のハロウィーン・フェスティバルとなった。(AP通信/ヴァディム・ギルダ撮影)

ハロウィーン衣装、今年の人気は中世の騎士、ドリー・パートン、「ゼルダの伝説」

(2026年10月04日)
2026年8月22日(土)、ニューヨークのバークレイズ・センター前で、インディアナ・フィーバー対ニューヨーク・リバティのWNBAバスケットボールの試合前に、トランスジェンダーの女子スポーツ選手に反対するデモ隊が集まった。(AP通信/アンジェリーナ・カツァニス撮影)

トランス女性が女子スポーツで金メダル大量獲得 議会でも公平性巡り議論

(2026年09月28日)
州選出のマーシー・カプトゥール下院議員(民主党)が、2022年12月9日、オハイオ州トレドでインタビューを受けている。(AP通信/カルロス・オソリオ撮影)

民主党議員が反トランスジェンダーに転換 LGBTQ団体が反発

(2026年09月25日)
2026年8月28日(金)、ワシントンD.C.のワシントン記念塔から見た米国議会議事堂。(AP通信/J・スコット・アップルホワイト撮影)

キルスイッチ、監視、開発停止 議会でAI規制案続々 合意に至らず

(2026年09月21日)
プリンストン大学のカトリック司祭であり、同大学のカトリック系キャンパス宗教団体であるアクィナス研究所の所長を務めるザカリー・スワンテック神父が、2025年5月15日(木)、ニュージャージー州プリンストンにある同大学の礼拝堂の側祭壇で行われたミサで聖体拝領の際に聖体を掲げている。(AP通信/ルイス・アンドレス・ヘナオ撮影)

大学でカトリックが復興か 改宗者が急増 一部の専門家は懐疑的

(2026年09月20日)
2019年11月29日、ドイツのエッセンで開催されたチューニングとモータースポーツのエッセン・モーターショーで、自動車部品で作られた金属製の頭部が人工知能(AI)を象徴している。国防情報局は、開発中の強力な新技術が戦争や平和につながる決定において人間の判断を迂回することを阻止するために設計された、新たな人工知能戦略の最終調整を行っている。(AP通信/マーティン・マイスナー撮影)

「2020年代末までにAIが人類を滅ぼす可能性」 AI研究者ら警告

(2026年09月17日)
JD・ヴァンス副大統領は、2026年9月14日(月)、メリーランド州アンドリュース統合基地で、エアフォースツーに搭乗する前に記者団に語った。(AP通信/マーク・シーフェルベイン撮影、プール提供)

IT大手のAI規制要請は「トロイの木馬」 バンス副大統領が警告

(2026年09月16日)
2024年9月8日、ニューヨークにある国立9.11記念博物館の反射池の一つに赤いバラが供えられた。(AP通信/テッド・シャフリー撮影)

9・11同時多発テロ25周年 説明に苦慮する教育現場

(2026年09月11日)
2026年8月19日(水)、ワシントンD.C.のワシントン記念塔から見た、ホワイトハウスの新舞踏室の建設工事が続く様子。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

トランプ氏のホワイトハウス大宴会場計画が左派を激高させる理由

(2026年09月09日)

なぜ3000万人の米国人男性が独身なのか、その数はなぜ増え続けているのか

(2026年09月08日)
→その他のニュース