イラン攻撃で不審な取引・賭け、情報漏洩か インサイダー疑惑も

(2026年3月30日)

2026年3月26日(木)、ワシントンのホワイトハウスで行われた閣議で演説するドナルド・トランプ大統領。(AP通信/アレックス・ブランドン)

By Tom Howell Jr. – The Washington Times – Thursday, March 26, 2026

 民主党は、トランプ大統領の重要な決定の前後に不審な取引や賭けが行われ、不正の疑いがあるとして声を上げている。これにはイラン情勢や金融市場の流れを一変させたSNSへの投稿も含まれる。

 トランプ氏がイランの発電所への攻撃中止を発表する直前、石油先物市場で5億ドルを超える巨額の取引が行われた。

 クリストファー・マーフィー上院議員(民主党、コネティカット州)はX(旧ツイッター)で「一体誰だ? トランプ本人か? 家族か?

それともホワイトハウスの職員か?」と厳しく追及した。「これは汚職だ。目を疑うような汚職だ」

 このような疑わしい取引は、予測市場サイト「ポリマーケット」などでの高額配当でも見られた。ベネズエラのマドゥロ大統領がいつ権力を失うかを巡る賭けでは、40万ドルを手に入れた人物がいた。この大勝負に出たのは、米軍が独裁者マドゥロ大統領拘束のために急襲を仕掛ける直前だった。

 同様のパターンはイラン攻撃前にも見られた。「Magamyman」と名乗るトレーダーは、2月末の攻撃開始タイミングに合わせて賭け、60万ドル近い利益を上げた。

 さらに、昨年の春、トランプ氏が「解放の日」関税を撤回する前にも、一部のトレーダーが強気のポジションを取っていたことが分かっている。

 民主党は、司法省公職清廉局の職員が減少していることや、トランプ家が暗号資産市場に関与していることを挙げ、これらの取引は問題があると主張している。一部の議員は、取引や急速に普及している賭けサイトへの規制を強化する法案を提案中だ。

 これに対しホワイトハウスは、公務中のギャンブルや内部情報の不正利用を禁じる政府倫理規定に従うよう全職員に求めていると回答した。また、政権内での不正疑惑については強く否定した。

 ホワイトハウス報道官のクシュ・デサイ氏は「すべての連邦職員は、非公開情報を金銭的利益のために使うことを禁じる倫理指針の対象だ。しかし、証拠もないまま政権関係者がそのような行為に関与している可能性を主張するのは無責任だ」と述べた。

 ホワイトハウス法律顧問のデービッド・ウォリントン氏は、トランプ氏は「憲法上の責任に抵触するような」取引には一切関与していないと説明した。

 「トランプ大統領は倫理的に健全な形で憲法上の義務を果たしており、これに異を唱えるのは情報不足か悪意によるものだ」

 イラン情勢を巡る謎めいた賭けが物議を醸したのは、23日にトランプ氏が「交渉に進展があったためイランの発電所への攻撃を延期する」と自身のSNSトゥルース・ソーシャルに投稿する約15分前に、石油市場で大規模な取引が行われたためだ。

 「アメリカ合衆国とイランは、この2日間、中東における敵対関係の完全な解決に向け、非常に良好で生産的な対話を行った」とトランプ氏は強調のためにすべて大文字で投稿した。

 その数分前、ダウ平均やS&P500の先物市場では、WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)や北海ブレント原油の取引が急増していた。

 市場関係者や一部の議員は、数億ドルという取引規模からして異常だと感じている。トレーダーたちがこの展開を事前に察知する明確な手段はなかったはずだからだ。

 アンディ・キム上院議員(民主党、ニュージャージー州選出)はSNSに「トランプ氏が攻撃中止を発表するわずか5分前に、石油や株式の先物になんと約20億ドルも投じられた。誰かが大儲けをしたということだ。これらの取引を直ちに調査すべきだ。もし内部情報を利用したのなら、責任を負わせる必要がある」と投稿した。

 トレーダーたちがインサイダー情報を持っていたのか、あるいは単に勝負勘が冴えていただけなのか。ワシントンを舞台にした「犯人捜し」の謎は深まっている。

 一部の経済学者は、取引が緩やかなトレンドではなく突発的だったことから、これが偶然である可能性は極めて低いと考えている。

 ノーベル経済学賞受賞者でコラムニストのポール・クルーグマン氏は26日、公共ラジオ(NPR)に「はっきりしている」と語った。

 商品先物取引委員会(CFTC)は、これらの取引を調査する計画があるかという質問に、「防衛の最前線である各取引所」との連絡を維持していると答えた。

 「CFTCはまた、技術プラットフォームや熟練した職員を通じて独自の監視も行っている。不審な取引については、常に取引所と協議を重ねている」

 民主党の一部は、さらなる不審な取引を阻止するために立法による規制強化を目指している。

 マーフィー氏は、戦争や内部関係者が事前に結果を知り得る活動など、政府の行動に対する賭けを禁止する「BETS OFF法」を提出した。

 同氏の事務所が作成した法案概要は「例えば、この法案はハメネイ師がいつ最高指導者の座を退くかといった予測市場を禁止する。それが戦争や死への賭けと見なされるかどうかにかかわらず、問いの内容が政府の行動に関わるからだ。同様に、内部関係者が事前に結果を知っているスーパーボウルのハーフタイムショーやアカデミー賞への賭けも禁止の対象となる」としている。

 インサイダー取引への懸念は、近年急速に拡大している合法ギャンブルや予測市場(株式市場と賭けサイトを融合させたような仕組み)に対する議会の警戒心の表れでもある。

 アダム・シフ上院議員(民主党、カリフォルニア州)とジョン・カーティス上院議員(共和党、ユタ州)は今週、予測市場がスポーツ賭博契約を扱うことを禁止し、予測市場に対する州の管理権限を強化する法案を提出した。

 カーティス氏は「ユタ州の多くの若者が、依存性の高いスポーツ賭博やカジノ形式のゲームを利用可能だ。これらは、連邦政府の規制当局ではなく州の管理下にある。われわれの超党派の法案は規制の管轄を明確にし、スポーツ賭博やカジノゲームに対する州の権限を維持できるようにするものだ」と述べた。

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