トランプ氏の大統領らしからぬ衝動抑制の欠如

(2026年4月5日)

ドナルド・トランプのイラスト:アレクサンダー・ハンター/ワシントン・タイムズ

By Editorial Board – The Washington Times – Monday, March 23, 2026

 トランプ大統領が21日、ロバート・ミュラー元連邦捜査局(FBI)長官の死に際して悪趣味な喜びを示したことは、品位を欠き、極めて不適切であり、控えめに言っても大統領としてふさわしくない振る舞いであった。

 トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に「ロバート・S・モラーは死んだ。いいことだ。彼が死んでうれしい。もう罪のない人々を傷つけることはできない」と投稿し、その後ホワイトハウスのX(旧ツイッター)アカウントでも拡散された。

 2001年から2013年までFBI長官を務めたモラー氏は20日、81歳で死去した。2021年にパーキンソン病と診断されていたが、家族は21日に発表した声明で死因を明らかにしていない。

 トランプ氏に3度投票した多くの共和党支持者にとってさえ、大統領の反応は不快なものだった。冷静に対応し、むしろ沈黙を保つべきだったと彼らは指摘する。一方で、より辛辣な支持者からは「報いだ」「せいせいした」といった声も上がった。

 トランプ氏がモラー氏を本能的に嫌悪していた理由は理解できる。というのも、元FBI長官であるミュラー氏が司法省特別検察官として、2016年大統領選を巡るヒラリー・クリントン元国務長官の卑劣なトランプ陣営とロシアの共謀疑惑という、いわば「でっち上げ」の捜査を主導したことで、不当な疑惑に一定の信頼性を与えたからだ。

 それでもなお、大統領はこうした悪趣味な喜びを公にせず、せいぜい側近の内輪にとどめるべきだった。

 トランプ氏が繰り返し激しく批判してきた「ロシア、ロシア、ロシアというでっち上げ」は、かつての英国情報機関関係者クリストファー・スティール氏の協力を得た民主党によって作られたもので、2016年11月の大統領選でヒラリー・クリントン氏に勝利したトランプ氏の正当性に長く影を落とした。

 この捜査は第1次トランプ政権の発足後も長く尾を引き、2019年春にモラー氏による報告書が公表されるまで続いた。2019年4月18日に発表された「2016年大統領選におけるロシアの介入に関する調査報告書」で、同氏はロシアがSNSを通じて米国世論に影響を及ぼそうとしたと認定したが、大統領を起訴することも無罪と断定することもしなかった。

 捜査の全期間を通じて、トランプ氏とその支持者はこれを民主党とディープステートによる「魔女狩り」と呼んだ。その目的はトランプ政権を終わらせないまでも、弱体化させることにあった。

 しかしながら、今回のモラー氏への品位を欠く攻撃は、トランプ氏の一連の振る舞いの延長線上にあるようにも見える。それは、2025年12月に長年の宿敵であったハリウッドの俳優・監督ロブ・ライナー氏が殺害された際の反応を、不気味なほど想起させる。

 トランプ氏は2025年12月15日のトゥルース・ソーシャルへの投稿で、「昨夜ハリウッドで非常に悲しい出来事があった。苦悩しながらもかつては非常に才能ある映画監督でありコメディスターだったロブ・ライナーが死去した…その死因は、彼が他人に引き起こした怒りによるものだと言われている。彼は巨大で揺るぎなく、治癒不能な精神の病『トランプ錯乱症候群(TDS)』に取りつかれていたのだ」と書いた。

 さらに「彼はドナルド・J・トランプ大統領への激しい執着によって人々を狂気に追いやったことで知られており、その明白な妄想は新たな段階に達していた」とも述べた。

 しかし、ライナー氏および妻ミシェル・シンガー・ライナー氏(2人とも自宅で刺殺された)の死は、いずれもトランプ錯乱症候群とは無関係である。このハリウッドの大物が大統領に対する激しい批判者であり、TDS拡散の主要因と見なされることがあったにしてもだ。

 3カ月前にライナー氏の死をTDSによるものと主張し、今回またモラー氏の死を喜ぶトランプ氏の態度は、2024年7月13日にペンシルベニア州バトラーでトランプ氏をあと数センチで殺害し損ねた暗殺未遂犯人について「もっと腕が良ければよかったのに」と悔しがった左派過激派と同じ低劣な水準に堕していると言わざるを得ない。

 結局のところ、トランプ氏は衝動を抑制する能力に重大な問題を抱えており、SNS投稿には強い歯止めが必要だ。ホワイトハウス首席補佐官スージー・ワイルズ氏や他の側近が事前に投稿内容を精査し、必要に応じて表現を抑えるよう助言すべきである。

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