相次ぐ大学閉校 トランプ政権下で高等教育の縮小加速へ

(2026年4月26日)

2026年4月14日(火)、マサチューセッツ州アマーストにあるハンプシャー・カレッジのキャンパス。(AP通信/リー・ウィリンガム撮影)

By Sean Salai – The Washington Times – Friday, April 17, 2026

 マサチューセッツ州のハンプシャー大学は、入学者数と収入の減少を受けて今年末で閉校する。トランプ政権下で高等教育の縮小が加速する兆しが出ている。

 大学側は今週、アマースト校について「資金繰りの改善へ長年にわたり取り組んできたが、実を結ばなかった」と説明した。昨秋の新入生は目標の300人を大きく下回った。

 同校は1965年、学生が自ら学習内容を設計する進歩的なリベラルアーツ大学として設立された。その後、環境センターや絵本博物館などを含む非営利団体の「文化村」を整備した。秋学期終了後の閉校は、600人超の学生と数百人の職員に影響する。

 私立大学の運営に携わった経歴を持ち、大学の財務健全性を評価する団体「カレッジ・バイアビリティー」を設立したゲーリー・ストッカー氏は電子メールで「ハンプシャー大学は長年にわたり財務状況が悪かった。今回の閉校に続き、他の私立大学でも同様の動きが広がる可能性が高い」と指摘した。

 ハンプシャー大の発表に先立ち、コンサルティング会社ヒューロン・コンサルティング・グループが、国内1700校の私立非営利4年制大学のうち約450校が今後10年で閉校または統合に追い込まれる可能性があると予測したばかりだった。

 ここ数カ月で閉校計画を発表した大学には、バーモント州のスターリング大学、オハイオ州のルルド大学、マサチューセッツ州のラブレ大学ヘルスケア校などがある。

 ワシントン・タイムズの取材に応じた高等教育関係者は、出生率の低下や、これまでリベラルアーツ系卒業生が担ってきた職を人工知能(AI)が代替しつつあることが、学校への圧力を強めていると指摘した。また、トランプ政権が、卒業後の賃金が低い学位課程に対する連邦学生支援を打ち切ったことも影響しているとした。

 米国の大学在籍者数は約1900万人で、2010~11年度の2100万人をピークに減少している。

 入学担当者は今春、出願資格を満たす志願者が15%減少する事態に備えている。これは「人口の崖」と呼ばれ、2008年以降の出生数減少に起因する。同時に、教育費の上昇や4年制大学の学位の価値に対する信頼低下により、職業訓練校への出願が急増している。

 ジョージア大学の高等教育学教授ティモシー・ケイン氏は「入学者数の急減は、従来型の寄宿制大学にとって大きな課題だ。高等教育への不信が広がっていることも影響している」と述べた。

 その上で「過去には女性や社会人学生など、それまで十分に取り込めていなかった層に門戸を広げることで対応してきた。同様の動きが再び起こる可能性がある」と電子メールで指摘した。

 トランプ政権による助成削減は、在籍者数の少ない人文科学、リベラルアーツ、一般社会科学の学位課程に影響を及ぼしている。

 教育省は18日、就職後の収入が高校卒業者の平均を下回る学部課程に対する連邦支援を打ち切る新規則案を提示した。背景には、未返済の連邦学生ローンが1兆7000億ドルに達しているという問題がある。

 この規則は低所得層向けの給付型奨学金ペルグラントも対象とし、大学院課程についても修了者の収入が学士号取得者の平均を上回ることを証明しなければ支援を継続できないと定めている。

 教育省のニコラス・ケント次官は声明で「トランプ政権の説明責任の枠組みは常識に基づくものだ。高等教育プログラムが卒業生に利益をもたらさないのであれば、納税者が補助するべきではない」と述べた。

 小規模私立大学の閉校に加え、ペンシルベニア州立大学など公立大学でも近年、キャンパス統合が進み、入学者数が減少した地域の拠点が事実上閉鎖されている。

 縮小の背景には、AIによる雇用構造の変化に加え、バイデン政権が支給した数十億ドル規模の新型コロナ対策資金が、経営難の大学の延命に一時的に寄与していた反動もある。

 メリーランド州アナポリスの私立セント・ジョンズ大学前学長ノラ・デムライトナー氏は大学の閉校が相次いでいることについて「コロナ対策資金によって先送りされていた構造的再編の一環だ」と指摘した。

 シンクタンク「超党派政策センター」は先月、2012年から2021年の間に学士課程を修了した学生の半数が1年後に不完全就業状態にあり、学位を必要としない低賃金職で学生ローンを返済していると報告した。

 そのうち約4分の3は卒業から10年後も不完全就業のままで、2019年に4年制課程に入学した学生のうち6年以内に卒業したのは61%にとどまり、3700万人を超える中退者の増加につながっている。

 保守系団体ナショナル・アソシエーション・オブ・スカラーズのピーター・ウッド会長は、ハンプシャー大学の閉校は、トランプ政権下で低実績の大学の淘汰が進む前兆であり、その要因は数多くあると述べた。

 同氏は「AIが大きな要因になっている。AIが仕事を大きく変えつつあるため、将来どの分野を学べば雇用市場で通用するのかについて、志願者の間で不安が高まっている」と指摘した。ウッド氏は、ボストン大学の元副学長でもある。

ドラキュラの衣装を着た男性が、パートナーとルーマニアのブカレストで開催されたハロウィーン・フェスティバル「ウエストサイド・ハロ・フェスト」で自撮り写真を撮っている(2023年10月28日土曜日)。先週末、ブカレストの天使の島半島には数万人が集まり、共産主義体制崩壊以来、東欧諸国で最大規模のハロウィーン・フェスティバルとなった。(AP通信/ヴァディム・ギルダ撮影)

ハロウィーン衣装、今年の人気は中世の騎士、ドリー・パートン、「ゼルダの伝説」

(2026年10月04日)
2026年8月22日(土)、ニューヨークのバークレイズ・センター前で、インディアナ・フィーバー対ニューヨーク・リバティのWNBAバスケットボールの試合前に、トランスジェンダーの女子スポーツ選手に反対するデモ隊が集まった。(AP通信/アンジェリーナ・カツァニス撮影)

トランス女性が女子スポーツで金メダル大量獲得 議会でも公平性巡り議論

(2026年09月28日)
州選出のマーシー・カプトゥール下院議員(民主党)が、2022年12月9日、オハイオ州トレドでインタビューを受けている。(AP通信/カルロス・オソリオ撮影)

民主党議員が反トランスジェンダーに転換 LGBTQ団体が反発

(2026年09月25日)
2026年8月28日(金)、ワシントンD.C.のワシントン記念塔から見た米国議会議事堂。(AP通信/J・スコット・アップルホワイト撮影)

キルスイッチ、監視、開発停止 議会でAI規制案続々 合意に至らず

(2026年09月21日)
プリンストン大学のカトリック司祭であり、同大学のカトリック系キャンパス宗教団体であるアクィナス研究所の所長を務めるザカリー・スワンテック神父が、2025年5月15日(木)、ニュージャージー州プリンストンにある同大学の礼拝堂の側祭壇で行われたミサで聖体拝領の際に聖体を掲げている。(AP通信/ルイス・アンドレス・ヘナオ撮影)

大学でカトリックが復興か 改宗者が急増 一部の専門家は懐疑的

(2026年09月20日)
2019年11月29日、ドイツのエッセンで開催されたチューニングとモータースポーツのエッセン・モーターショーで、自動車部品で作られた金属製の頭部が人工知能(AI)を象徴している。国防情報局は、開発中の強力な新技術が戦争や平和につながる決定において人間の判断を迂回することを阻止するために設計された、新たな人工知能戦略の最終調整を行っている。(AP通信/マーティン・マイスナー撮影)

「2020年代末までにAIが人類を滅ぼす可能性」 AI研究者ら警告

(2026年09月17日)
JD・ヴァンス副大統領は、2026年9月14日(月)、メリーランド州アンドリュース統合基地で、エアフォースツーに搭乗する前に記者団に語った。(AP通信/マーク・シーフェルベイン撮影、プール提供)

IT大手のAI規制要請は「トロイの木馬」 バンス副大統領が警告

(2026年09月16日)
2024年9月8日、ニューヨークにある国立9.11記念博物館の反射池の一つに赤いバラが供えられた。(AP通信/テッド・シャフリー撮影)

9・11同時多発テロ25周年 説明に苦慮する教育現場

(2026年09月11日)
2026年8月19日(水)、ワシントンD.C.のワシントン記念塔から見た、ホワイトハウスの新舞踏室の建設工事が続く様子。(AP通信/アレックス・ブランドン撮影)

トランプ氏のホワイトハウス大宴会場計画が左派を激高させる理由

(2026年09月09日)

なぜ3000万人の米国人男性が独身なのか、その数はなぜ増え続けているのか

(2026年09月08日)
→その他のニュース