宇宙に迎撃ミサイル配備 米軍が計画初公表

(2026年4月28日)
2021年9月12日(日)、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地から地上配備型迎撃ミサイルが発射された。(AP通信/マット・ハートマン)

2021年9月12日(日)、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地から地上配備型迎撃ミサイルが発射された。(AP通信/マット・ハートマン)

By Bill Gertz – The Washington Times – Friday, April 24, 2026

 宇宙軍は、米国初の宇宙配備型迎撃ミサイル(SBI)システムを迅速に構築するため、防衛関連企業12社に対し計32億ドルを投じると発表した。

 米軍が、敵の攻撃から国土を防護する宇宙配備ミサイルの配備計画を正式に表明したのは今回が初めて。

 宇宙戦闘能力を担当する上級将校のブライオン・マクレーン大佐は、「敵対勢力の能力は急速に進化しており、現代のミサイル脅威の速度と機動性の増大に対抗するため、調達戦略はそれ以上の速さで進めなければならない」と述べ、「SBI計画」と呼ばれていると説明した。

 さらに「これら企業パートナーの関与と協力により、宇宙軍は2028年に初期的な能力を実証する」と、25日の声明で明らかにした。

 宇宙にミサイルを配備することは、核兵器など大量破壊兵器の軌道上への配備を禁じた1967年の宇宙条約には違反しない。同条約は通常の運動エネルギー兵器を禁止対象としていない。

 人工知能(AI)で運用される宇宙配備型ミサイルは、弾道ミサイルや極超音速ミサイル、巡航ミサイルなどの攻撃に対抗するトランプ大統領のミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」の中核を担う。

 同計画は、2028年までに軌道上へ兵器システムを配備し、ゴールデンドームの一環として敵ミサイルを撃破する能力を確立することを目標としている。

 宇宙配備の迎撃・追跡システムは、米本土に対する「新世代の脅威」に対応するため、既存の地上・海上配備型ミサイル防衛網と組み合わせ、国防上の空白を埋める役割を担う。

 宇宙軍は「(宇宙配備型迎撃ミサイル)開発計画で、低軌道に多数の迎撃ミサイル搭載衛星群を配備し、ブースト段階、中間段階、滑空段階での迎撃を可能にすることで、この空白に対処する」と説明した。

 宇宙から対処可能な新たな主要脅威には、30分以内に世界中の標的を攻撃可能な中国やロシアの極超音速ミサイルが含まれる。

 宇宙配備型迎撃ミサイルは、中国やロシアが開発を進めている「部分軌道爆撃システム(FOBS)」と呼ばれる、軌道上から核攻撃を仕掛ける兵器を撃墜できる可能性もある。

 戦略核戦力の連携を強める中国とロシアは、ゴールデンドーム構想に反対している。

 宇宙配備ミサイルの開発には、新旧の防衛企業12社、アンドゥリル、ブーズ・アレン・ハミルトン、ジェネラル・ダイナミクス、GITAI USA、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマン、クインダー、レイセオン、サイテック、スペースX、トゥルー・アノマリー、トゥリオン・スペースが参加する。

 マクレーン大佐は、この計画について、新旧双方の企業を活用し、米国の産業革新力を最大限に引き出しながら迅速に兵器を開発することを目指していると述べた。

 宇宙軍は、安全保障上の理由から、SBI計画の詳細は今後も非公開とするとしている。

 昨年8月にミサイル防衛局(MDA)による企業との会合で公表された資料によると、ゴールデンドームは宇宙要素(センサー、追跡、非爆発型迎撃機)と3つの地上要素からなる4層構造で設計されている。

 これらは、アラスカ州やカリフォルニア州に配備されている長距離地上発射迎撃ミサイル(GBI)や、陸軍・海軍のミサイル防衛システムと統合される。

 海軍はイージス艦によるミサイル防衛を運用し、陸軍は高高度防衛ミサイル(THAAD)やパトリオットを配備している。

 宇宙兵器の1つの案として、1980年代の「ブリリアント・ペブルズ」構想を更新する案も示されている。これは多数の小型衛星にミサイルを搭載し、弾頭分離前のブースト段階に敵ミサイルを破壊するものだった。

 新システムでは、数百から数千規模のミサイル搭載衛星群が想定されている。

 ただし、同計画を担当する将官は今月の議会証言で、宇宙配備部分が中止される可能性にも言及している。

 宇宙軍のマイケル・ゲトライン大将は4月15日、「宇宙からのブースト段階迎撃が費用面や拡張性の面で現実的でなければ実施しない。他にも選択肢はある」と述べた。

 トランプ政権は2027会計年度の国防予算で、ゴールデンドームに175億ドルを計上する方針で、同システムの研究・調達費は総額1850億ドルと見積もられている。

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