最高裁、人種ゲリマンダリングに打撃

(2026年5月8日)

リナス・ガルシス/『ワシントン・タイムズ』による選挙区再編に関するイラスト

By Editorial Board – The Washington Times – Monday, May 4, 2026

 ルイジアナ対カライス裁判で、米連邦最高裁は先週、6対3の判決を下し、1965年の投票権法は州に対して「少数派が多数を占める選挙区」をつくることを義務付けてはいないと判断した。

 裁判所は、ルイジアナ州の有権者の3分の1が黒人であるという事実だけでは、「黒人候補だけが勝てる」ような二つの連邦下院選挙区をつくる義務は生じないと結論付けた。

 この判断により、最高裁は民主主義を促進させるとともに、人種を基準にしたゲリマンダリングに歯止めをかけた。民主党が激怒しているのは、これが同党の権力基盤を揺るがすためである。

 1965年の投票権法は、ジム・クロウ法の1世紀を経て制定された。当時、一部の州政府は人頭税や識字テストなどを用いて黒人の投票を妨げていた。

 黒人の参政権拡大という点では、この法律は大きな成果を挙げた。過去5回の大統領選のうち2回では、少数派の投票率が白人を上回ったほどである。

 しかし残念なことに、過去の裁判所は「投票における人種差別を終わらせるための法律」を、人種を基準にしたゲリマンダリングを生み出す方向へと使ってきた。つまり、黒人候補しか勝てないような選挙区を設計することに利用してきたのである。

 今回の判決で問題となった連邦下院選挙区は、ルイジアナ州北西端からバトンルージュまで250マイル(約400キロ)も蛇行して伸びており、ゲリマンダリングの元祖であるマサチューセッツ州知事エルブリッジ・ゲリーも驚くほどの代物だ。

 「少数派が多数を占める選挙区」という考え方は、今回のカライス判決で揺らいだが、そもそも人種主義的な発想だ。少数派の有権者は、自分たちと同じ人種の候補者によってしか適切に代表されない、という前提に立っているからだ。

 もしそれが真実なら、白人有権者に選ばれた白人議員の圧倒的支持で成立した投票権法そのものが実現しなかったはずだ。

 黒人有権者は黒人議員によってしか適切に代表されない、という考え方は理性に反する。もしそうなら、白人も白人政治家によってしか代表されない、という結論になってしまう。

 もしそうなら、なぜ黒人のための選挙区だけで止めるのか。ヒスパニック系、アジア系、ムスリム、ユダヤ系の候補者を選ぶための選挙区をつくらない理由はどこにあるのか。

 人種を基準にした選挙区という発想は、有権者の知性を侮辱するものでもある。多くの有権者は、自分と同じ人種の愚か者やペテン師まがいの人物よりも、誠実で価値観を共有できる人物に代表されることを望むだろう。

 人種を基盤にしなければ当選できないと考える一部の黒人議員は憤慨している。人種を利用したゲリマンダリングで最も利益を得てきた民主党も怒りを示している。しかし、そうした反応は本質的には問題ではない。

 政治から人種を排することは、良識、公平さ、そして常識にとっての勝利である。

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