米FBI、偽コンサル会社13サイト閉鎖 中国の対米情報工作に利用

(2026年6月15日)
ハイテクを駆使した政府のハッキング室で、中国軍関係者がハイブリッド戦争の一環として敵対国から国家機密を盗み出す作業を行っている。(写真提供:DC Studio via Shutterstock)

ハイテクを駆使した政府のハッキング室で、中国軍関係者がハイブリッド戦争の一環として敵対国から国家機密を盗み出す作業を行っている。(写真提供:DC Studio via Shutterstock)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, June 10, 2026

 米司法省は10日、中国による機密情報、重要な米政府情報の入手工作に利用されていたとされる13のインターネットドメインを閉鎖したと発表した。

 司法省の声明によると、これらのサイトは中国側の工作員が、偽のコンサルティング会社を装い、機密情報にアクセスできる米国人らを勧誘するために利用していた。

 連邦捜査局(FBI)のローマン・ロジャフスキー副長官(防諜・スパイ対策)は、「FBIが閉鎖した偽コンサルティング会社のドメインから、中国政府の情報機関が人工知能(AI)生成コンテンツを使って、現職・元職の米政府機密資格保持者を欺き、勧誘し、あるいは強要して機密情報を共有させようとしていることが分かる」と述べた。

 またロジャフスキー氏は、「FBIと関係機関は、中国の情報機関がAI、ビジネス向け交流サイト、オンライン決済プラットフォームを利用して米国人を標的にしていることを確認しており、国家と国土を守るため行動を取ってきた」と語った。

 今回公表されたFBIの宣誓供述書によれば、これらのサイトは中国による違法活動の捜査を通じて発覚した。

 サイトはアリゾナ州、ニューヨーク州、ドイツ、英国を拠点としており、機密情報を狙う偽コンサルティング会社と結び付いていたという。

 供述書によると、正体不明の共謀者らは偽名や架空の人物像、盗用した身元情報を使い、AI生成の顔写真で信用させた上で、米国内の勧誘対象者に情報提供の対価を支払っていた。

 スパイ工作では、テレグラムなどの暗号化アプリを通じて送信された情報に対し、多額のオンライン送金が行われていた。

 目的は、リンクトイン、アップワーク、エクスペリアAI、ハブスタッフ・タレント、ウェルファウンド、ポスト・ジョブ・フリーなどの求人サイトを利用し、「独占情報」や「内部情報」を入手することだった。

 狙われていた情報は全て、中国が必要としていたデータだった。

 供述書には「共謀者らは、機密および重要な米政府情報にアクセスできる現職・元職の機密資格保持者を含む米国人を標的にしていた」と記されている。さらに「彼らはこれらの人物を『上級アナリスト』や『国際問題コンサルタント』といった偽の職に勧誘し、『内部』情報源から得た機密情報や報告書の提供を迫っていた」としている。

 この工作に関与した者たちは、契約書や秘密保持契約を利用して活動の違法性を隠し、外国政府との関係を否定していた。

 裁判資料によると、容疑者のうち2人は海外にいる。

 ジョン・アイゼンバーグ国家安全保障担当司法次官補は、「今回のドメイン差し押さえは、外国勢力が『簡単に金が稼げる』という甘言で米国人を誘い、本来守る義務のある機密情報を漏らさせようとしている実態を示している」と述べた。

 FBIワシントン支局防諜・サイバー部門のダニエル・ビエルズビツキ特別捜査官は、「今回の閉鎖措置により、機密情報にアクセスできる米国人を狙った工作を阻止できるようになった」と語った。

 同氏は「中国政府は長年にわたり、偽会社や偽求人を隠れみのにして米政府職員を利用しようとしてきた」と非難した。

 ノーフォーク支局のドミニク・エバンス特別捜査官も、「中国政府はオンライン勧誘を含むさまざまな欺瞞的手法で、米国の技術革新、研究、機密データを狙い続けている」と指摘した。

 その上で、「今回のドメイン差し押さえと手口の公表を通じて、国家安全保障を守り、米国の創造力を保護し、国民がこうした脅威を認識して対処できるようにする」と述べた。

 閉鎖されたドメインは、贈賄共謀、個人情報窃取、国際的資金洗浄の疑いに基づき閉鎖された。ドメインは以下の通り。セントリック・グローバル・コンサルティング(centrikglobalconsulting.com)、ライトインフォ・コンサルティング(rightinfoconsult.com)、フィナクル・ヴェスパー・コンサルティング(finnaclevesperconsulting.com)、CYDFコンサルティング(cydfconsulting.com)、パルス・ウェーブ・グローバル(pulsewaveglobal.com)、カタリスト・グローバル・ソリューションズ(catalystglobalsolutions.com)、ホライズン(thehorizzen.com)、ジオインドパシフィック(geoindopacific.com)、グローバル・ピース・ファウンデーション・インドネシア(gpf-ina.org)、セーフセック・グループ(safesec-group.com)、ザ・トゥルースインフォ(thetruthinfo.com)、Vandercons.com、ガルフ・ピース・ファウンデーション(gulfpeace.org)。

 これらのサイトにアクセスすると、「このウェブサイトは法執行の一環として閉鎖された」との表示が出る。

 今回の措置は、先週公表されたFBIと英国情報局保安部(MI5)の共同警告に続くものだ。同警告では、中国軍情報機関がリンクトインなどのビジネス向け交流サイトを利用し、機密資格保持者から情報を得ようとしていると指摘していた。

 警告文は、「これらの工作員は、情報機関員またはその関係者が民間コンサル会社、シンクタンク、人材紹介会社の職員を装い、外交・安全保障アナリストなどを募集するオンライン求人を出すという攻撃的な勧誘戦略を用いている」としている。

 これに対し中国では、中国共産党機関紙系・環球時報が、ドメイン閉鎖や情報機関の警告について「根拠がない」と反論し、中国のスパイ脅威を誇張する米国の一環だと主張した。

 論評では、こうした米国のスパイ疑惑追及が、先月の米中首脳会談で築かれた「建設的」な米中関係を損なう可能性があるとも示唆した。

 論評は、「米国とファイブアイズ(機密情報を共有する米英などの枠組み)がいわゆる『中国スパイ脅威論』を引き続き喧伝していることは、対立的、さらには競争的な思考が依然として彼らの対中政策の一部を支配していることを示している」と述べた。

 さらに環球時報は、「今回のドメイン閉鎖によって、真のトラブルメーカーが誰なのかが世界にはっきり分かるだろう」と米国を非難した。

017年12月3日(日)に米空軍が提供したこの写真では、ユタ州ヒル空軍基地の第34遠征戦闘飛行隊に所属する米空軍のF-16ファイティングファルコン(右)とF-35AライトニングIIが、韓国の群山空軍基地で行われた演習「VIGILANT ACE 18」中に滑走路の端に向かってタキシングしている。2017年12月4日(月)、米国と韓国が史上最大規模の合同空軍演習を開始し、24機のステルス戦闘機を含む数百機の航空機が訓練を開始した。(上級空軍兵コルビー・L・ハーディン/米空軍提供写真、AP通信経由)

中国元軍人2人逮捕 在韓米軍基地へのスパイ容疑

(2026年08月15日)
2026年2月12日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で、ウクライナ防衛連絡グループの会合開始を待つエルブリッジ・コルビー米国防次官(政策担当)。(AP通信/ゲールト・ヴァンデン・ワインガート撮影)

米国防当局者、中国への「現実主義」政策を提示 静かな外交、抑止力を強化

(2026年08月14日)
2026年7月24日、カリフォルニア州フォート・アーウィンにて、プロジェクト・コンバージェンス・キャップストーン6の一環として、第4歩兵師団第3機甲旅団戦闘団第8歩兵連隊第1大隊ブラボー中隊に所属する兵士たちが、エンドユーザー端末の設置計画を立てている。(米陸軍撮影:ジョナサン・レイエス特技兵、DVIDShub経由)

AIで戦場を一元管理 米陸軍、同盟国と大規模演習

(2026年08月10日)
第93ホロドニー・ヤール独立機械化旅団の報道部が提供したこの写真では、兵士たちが2026年8月4日火曜日、ウクライナのドネツク州クラマトルスク前線都市付近のロシア軍陣地に向けて、多連装ロケットシステムBM-21「グラード」を発射する準備をしている。(イリーナ・リバコワ/ウクライナ第93機械化旅団提供、AP通信経由)

対ウクライナ・米国戦争でロシア・イランが連携 兵器、情報を供与

(2026年08月08日)
2026年7月22日(水)、コンゴ共和国イトゥリ州ブニア総合病院のエボラ治療センターで、医療従事者が救急車を消毒している。(AP通信/ディロール・ロツィマ・ディウドネ撮影)

エボラ危機、中国がコンゴで影響力拡大 米国の支援減も影響

(2026年08月07日)
韓国の李在明大統領は、2026年1月7日(水)、中国・上海で韓国メディア関係者との会合で発言した。(ハン・サンギュン/聯合ニュース提供、AP通信経由)

韓国当局、保守系米国人を出国禁止に 李大統領への名誉棄損で起訴

(2026年08月06日)
韓国海軍の3000トン級潜水艦「新チェホ」が、2025年9月26日(金)、釜山近郊の韓国南東海岸沖で行われた観艦式に参加している様子。(AP通信/アン・ヨンジュン撮影)

韓国海軍、掃海・艦砲射撃能力に注力 ウクライナとイラン教訓

(2026年08月05日)
米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2025年11月1日土曜日、韓国・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、中国の習近平国家主席(左)が韓国の李在明大統領と握手を交わした。(聯合ニュース/AP通信)

下院国防法案、中国の韓国への影響力巡り調査義務付け

(2026年07月25日)
→その他のニュース