予備選で民主社会主義候補が相次ぎ勝利 民主党内で存在感

民主党下院議員候補のクレア・バルデス氏が、2026年6月18日木曜日、ニューヨーク市ブルックリン区で行われたニューヨーク州予備選挙に向けた投票促進集会で演説を行った。(AP通信/ライアン・マーフィー)
By Seth McLaughlin-The Washington Times-Wednesday,June24,2026
ニューヨーク州第7選挙区の連邦下院民主党予備選で勝利したクレア・バルデス氏は22日夜の勝利演説で、移民税関捜査局(ICE)の廃止、トランスジェンダーコミュニティーへの全面的な支持、イスラエルによるパレスチナ自治区のヨルダン川西岸とガザ地区の占領終結に取り組むと宣言した。
予備選では、米民主社会主義者協会(DSA)の理念に沿った連邦議会や地方選の候補者が相次いで勝利しており、バルデス氏の演説は、今後の民主社会主義勢力の方向性を示すものとなった。
彼らが掲げる政策には、医療の無償化、警察の非武装化、不法移民への包括的な恩赦、富裕層への富裕税導入などが含まれる。
DSAは綱領で資本主義を「暴力や失業、地球上の生命を脅かす気候危機の原因」と位置付け、民主党を「中道右派」で「富裕な献金者層に支配されている」と批判。さらに党指導部が「ガザにおけるイスラエルのジェノサイド(集団殺害)を支持している」と非難している。
バルデス氏は、ニューヨーク市の連邦議会予備選で勝利した民主社会主義系候補3人のうちの1人であり、DSAが民主党の政策決定に対する影響力をさらに強める可能性がある。一方で民主党主流派の多くは、DSAの政策綱領はリベラル色の極めて強い地域以外では政治的に行き詰まると警告している。
今回の勝利は、民主社会主義者ゾーラン・マムダニ氏が約7カ月前、無料バス、保育無償化、市営食料品店、家賃規制などを公約に掲げ、前ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ氏を破って政界を驚かせた流れを引き継ぐものとなった。また先週には、民主社会主義者を自称するワシントン市議会議員ジャニース・ルイスジョージ氏が、連邦政府の介入への抵抗、保育無償化の拡大、公営住宅建設、公共料金引き下げ、首都警察とICEの協力打ち切りを公約に掲げ、ワシントン市長選民主党予備選で勝利した。
DSAの政策は広範囲に及ぶ。
医療分野では、保険料や自己負担、免責額を伴わない「メディケア・フォー・オール(国民皆保険)」を掲げ、リプロダクティブ(性と生殖に関する)医療や性別適合医療も対象とする。
教育では、公立大学授業料の無償化に加え、寮費や食費などの自己負担撤廃、学生ローンの全面免除を求めている。
住宅政策では、全国一律の家賃規制、借家人への公的弁護制度の保証、公営住宅への大規模投資を主張する。
さらに、保育・就学前教育の無償化、十分な有給育児休暇、賃金や福利厚生を維持したまま週32時間労働制への移行、労働組合の結成を容易にする制度改革や全米労働関係委員会(NLRB)の予算拡充も掲げる。
税制では、高所得者や営利企業、多額の相続、私立大学への課税強化に加え、超富裕層への富裕税導入を求めている。
気候・エネルギー政策では、化石燃料からの脱却を目指す「グリーンニューディール」を支持し、大規模な公的投資、失職者への雇用の保証、交通・エネルギーインフラや天然資源の公有化を訴える。
刑事司法分野では、法定最低刑や保釈保証金制度の廃止、警察の非武装化、薬物依存を犯罪ではなく公衆衛生問題として扱うことを提唱する。
外交政策では、民主党主流派との隔たりが最も大きい。
DSAはガザでの即時かつ恒久的な停戦、イスラエルへの軍事・経済支援の全面停止、国際刑事裁判所(ICC)と国際司法裁判所(ICJ)の権限承認、独立したパレスチナ国家の樹立を支持している。さらに国防予算の大幅削減、海外基地の閉鎖、海外駐留米軍の撤収、キューバ、ベネズエラ、イランなど「米国の支配を受け入れない国々」に対する経済制裁の撤廃も求めている。
移民政策では、ICEの廃止、国境の非軍事化、強制送還の全面停止、在留資格を問わない全移民への救済措置、就労や労働者の権利、社会保障サービスへの平等なアクセスを主張する。
政治制度改革では、外国人や犯罪歴のある人への選挙権付与、首都ワシントンの州昇格、比例代表制導入による二大政党制の見直し、下院定数拡大、上院フィリバスター(議事妨害)の廃止、連邦最高裁の違憲審査権の制限、大統領選の選挙人制度廃止と全国民の投票による直接選挙への移行を掲げている。
マムダニ氏は、DSAの勢いは今後も衰えないとの認識を示した。
同氏はブルックリンでのバルデス氏の勝利集会で、「1年前は政治運動の終わりではなく始まりだった」と支持者に語り、民主社会主義運動はさらに拡大していくとの見方を強調した。








