21世紀の紛争を止める国連の限界を露呈したウクライナ戦争

(2022年11月7日)

2022年10月31日(月)、国連本部で行われたウクライナからの穀物輸送の状況を議論するセッションに参加する安全保障理事会のメンバーたち。(AP写真/Craig Ruttle)

By Ben Wolfgang – The Washington Times – Tuesday, November 1, 2022

 近年の国連史の中で最も厳しく、広範な非難の一つとなった。米国とその同盟国を中心とする143カ国は10月12日、ロシアのウクライナ侵攻を非難し、プーチン大統領にウクライナ領からの全軍撤退を要求する決議を採択した。

 反対票を投じたのはロシア、ベラルーシ、北朝鮮、ニカラグア、シリアのわずか5カ国であり、30カ国近くが棄権した。アントニー・ブリンケン米国務長官は、この投票をロシアの軍事的侵略に対する国際的結束の「驚くべき」デモンストレーションとして称賛した。

 しかし、国連での外交的勝利はほとんど重みを持たず、戦争には事実上、何の影響も与えていない。ウクライナ市民は冬を前に、電気や水道設備を停止させることを狙ったロシアの残忍な攻撃の矢面に立たされたままである。これはよくあるパターンだ。国連は1945年の創設以来、欧州で最大かつ最悪の地上戦を阻止するため、より大きな役割を果たそうと試みてきたが、失敗に終わっている。

 国連が非難する2週間前に、15カ国の安全保障理事会は、ロシアにウクライナでの戦争を放棄させる、より実質的で拘束力のある措置を検討していた。しかし、常任理事国5カ国の一つであるロシアが拒否権を発動し、この決議案は事実上否決された。

 この二つの投票は、国際的なフォーラムとしての国連の力と、21世紀の紛争、特に世界で最も強力な軍隊が関与する紛争に真に影響を与える国連の能力の限界を要約したものである。実際、専門家からは、第2次世界大戦の終結からわずか数カ月後に設立された国連に、基本コンセプトの一つである大規模戦争を阻止する能力があるという考え方は、今日では当てはまらないとの見方が出ている。

 オバマ元米政権で欧州・北大西洋条約機構(NATO)政策担当の国防副次官補を務めたジム・タウンゼント氏は、「第3次世界大戦、あるいは現在ウクライナとロシアで目の当たりにしているような大きなことに対し、国連が実際に何かを起こせるだけの影響力と力を持つと考えるのは非現実的だった」と指摘。「国連が手助けできる可能性は常にあるが、大国同士がぶつかり合った時、国連は戦場の後始末以外、何もしないのが普通だ」

 拘束力のある国連安保理決議に対する大国の拒否権が最も顕著な障害かもしれないが、それだけではないことも確かだ。21世紀の経済的、地政学的現実は、戦争と平和の問題に関して、安保理15カ国の合意を得ることをより複雑なものにしている。

 10月の拘束力のある決議に反対票を投じたのはロシアだけで、安保理常任理事国の中国を含む4カ国が棄権した。他の常任理事国の米英仏3カ国は賛成票を投じた。

 非常任理事国として2年の任期を務めるブラジル、ガボン、インドが投票を棄権した。この決議は、ロシア軍の撤退を求め、ロシアによるウクライナ東部4州の「併合」を非難するものだった。

 アントニオ・グテレス国連事務総長は、ロシアの行動は国連の中核的なルールと価値観に反していると述べた。

 国連は、ロシアによるウクライナ侵攻を止めたわけでも、両国の停戦交渉を支援する誠実な仲介役となっているわけでもないが、戦争の被害の一部を管理する上で重要な役割を担っている。国連の救援機関は、国内のウクライナ市民と国外に避難した難民に対して大規模な人道支援活動を先頭に立って行ってきた。国連は2月24日の戦争開始以来、800万人以上に食糧と経済援助を行ったと発表した。

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