宇宙軍司令官「軌道上に脅威」 中露の宇宙兵器を警戒

(2026年1月27日)

宇宙軍のB・チャンス・サルツマン作戦部長(大将)とのワシントン・タイムズ「スレット・ステータス」の独占ビデオインタビュー

By Guy Taylor and Vaughn Cockayne – The Washington Times – Thursday,January 22, 2026

 米宇宙軍トップは、宇宙での潜在的脅威について「最悪のシナリオを考える」のが自らの仕事だと述べ、ロシアの「マトリョーシカ(入れ子人形)」型衛星や、中国の「グラップリングアーム(ロボットアーム)」戦術が突然、兵器として使用されることはあり得ると警告した。

 宇宙軍のB・チャンス・サルツマン作戦部長(大将)は、ワシントン・タイムズ「スレット・ステータス」の独占ビデオインタビューで「これまでは新たな脅威が出現しつつあると言ってきたが、もうそうは言わない。軌道上には既に脅威が存在する」と語った。

 指向性エネルギー、レーザー、電波妨害、ミサイルのような運動エネルギー兵器に言及し、サルツマン氏は「米国の敵対勢力は、これらすべての兵器に投資している。…そして現在、その多くが配備され、実際に運用されている」と述べた。

 このインタビューは22日に公開された。トランプ大統領が先月「米国の宇宙優位の確保」と題する大統領令に署名するなど、政権はこの未来の最前線に注力している。

 トランプ氏の第1次政権下の2019年に創設され、米軍で最も新しい軍種である宇宙軍にとって、この大統領令は大きな意味を持つ。

 「政権と大統領が、宇宙がいかに重要か、宇宙能力から得られる優位を確保することがいかに重要かを理解しているのは明らかだ」。サルツマン氏はこう語った。宇宙は何十年も前から米軍にとって重要だったが、現在では米国人の生活にとっても不可欠なものになっており、より切迫した問題になっているという。

 「ここが過去10年か15年で、最も変わった点かもしれない。米国人の日常生活は、目に見えない形で、しかも自覚すらされない形で、宇宙能力の影響を受けている」

 「人々は『スマートフォンは地図につながり、その地図はGPSにつながっている』ことは何となく理解している」。サルツマン大将は続ける。「だが、宇宙能力が提供する信号の同期、時刻同期が、インターネットの運用を実質的に可能にしている。あらゆる金融取引を制御している。私たちが当然のように思っているあらゆる事柄にとって、真の戦力倍増装置だ。アマゾンの配送…電子バンキング、これらはすべて宇宙能力によって可能になっている」

 「それほど重要になったからこそ、敵対勢力は注視している」。

 米国の国家安全保障コミュニティーは、米国が中国やロシアと21世紀の商業、軍事を巡る宇宙競争のただ中にあることに異論はほとんどない。

 とりわけ中国は、わずか数年前には想像もできなかった水準まで、宇宙能力を加速させている。

 中国は、リモートセンシング衛星、最先端の軌道上補給施設、宇宙でデータを処理する計算能力、任務内容がいまだ説明されていない実験的宇宙船などを配備し、宇宙における米国の優位に挑み、取って代わろうとしている。

 宇宙軍が直面する最大の課題の一つは、宇宙での商業資産と軍事資産の境界を、米国の敵対勢力が曖昧にしている点だ。

 2021年、中国は大型のロボットグラップリングアームを備えたSJ21衛星を打ち上げた。中国は宇宙ごみの除去が目的だと主張している。打ち上げから1年以内に、SJ21は機能停止した中国の衛星をつかみ、いわゆる「墓場」軌道へ移動させた。

 サルツマン氏はこの動きについて「興味深い」と語った。

 「グラップリングアームは非兵器用途に使えるか。もちろんだ。スペースシャトルにもあった。しかしわれわれは、アームを使って衛星をつかみ、運用軌道から引き離すのを見た。衛星の整備に使えるか。もちろんだ。兵器として使えるか。もちろんだ。だから、われわれはそれを想定しなければならない」

 「私の仕事は最悪のシナリオを考えることだ。何かが兵器システムとして使われても、不意を突かれないようにする」

 一方ロシアは、マトリョーシカ型の衛星を打ち上げている。軌道上で小型の副衛星を展開し、他の宇宙資産を追跡したり、衛星破壊兵器として機能したりできる。

 サルツマン氏は「別の衛星を放出し、さらにそれが弾丸のように衛星を攻撃するものを放出する、こんな衛星を想像してほしい。こうした入れ子状の衛星を追跡し続けなければならない。大変な仕事だ」と語った。

 中国の打ち上げ能力は拡大しており、既に1300基以上の衛星を保有する衛星に加え、さまざまな新型衛星を軌道に投入する能力を持っている。空軍長官のトロイ・メインク氏は先月、宇宙軍協会が主催した会合「スペースパワー2025」で「中国や他の敵対勢力急速に前進しており、驚いている」と述べた。

 「4、5年前、米国は打ち上げで圧倒的に優勢だったが、彼らは大規模な改善を重ね、本気で追いつこうとしている」

 米国の宇宙打ち上げ回数も大幅に劇的に増えている。

 サルツマン氏は、「ごく最近まで、一つの打ち上げ基地から年に9回か10回くらいだった。今ではその10倍だ」と語った。

 昨年、フロリダ州ケープカナベラルから100基を超える衛星が打ち上げられ、カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地からも数十基が打ち上げられているという。「打ち上げテンポは700%から800%増だ」。

 スペースX、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス、ブルー・オリジンといった民間企業が発射台を巡って競争していることから、衛星打ち上げの急増は国家安全保障分野で懸念を呼んでいる。商業ロケットや衛星の打ち上げを、国家安全保障目的の打ち上げより優先すべきかどうかを巡り、議論が白熱することもある。

 打ち上げ指定地を増やす必要があるか問われ、サルツマン氏は「新たな打ち上げ拠点がいつ必要になるのか、という問題だ」と答えた。

 これは、主に地上から米国の宇宙資産を指揮・統制する宇宙軍が直面する多くの課題の一つに過ぎない。

 2024年には、ガーディアン(宇宙軍兵士)であるニック・ヘイグ大佐が、国際宇宙ステーションを訪れた初の宇宙軍士官となり、将来、訓練や場合によっては戦闘任務のために、より多くのガーディアンが軌道に送られる可能性が浮上した。

 サルツマン氏は、宇宙軍は米航空宇宙局(NASA)と「緊密な関係」にあり、「現時点では有人宇宙飛行の主たる責任はNASAにある」と述べた。

 「現行任務のために宇宙に宇宙飛行士、つまりガーディアンの宇宙飛行士が必要か。今のところ答えはノーだ。衛星だけで十分だ。しかし、この領域は成熟の初期段階にある。国家安全保障や戦争遂行の観点で、任務が変化し、静止軌道を超え、地月圏(地球と月の間の空間)、さらにその先へと進むにつれ、軌道上に人員という形で軍事的プレゼンスが必要になる可能性は十分にある」

 「宇宙軍は、宇宙における、宇宙からの、そして宇宙を通じた、国家にとって不可欠なあらゆるものを守る役割を担う。したがって、商業、民生、軍事、あるいは同盟国やパートナーの資産であっても、米国が成し遂げたいことにとって極めて重要な資産が軌道上にある限り、それを守るのが私の仕事だ」

2022年8月20日土曜日、中国南西部重慶市龍泉村にある貯水池では、擁壁からの漏水により貯水池の水がほぼ枯渇し、ひび割れた乾燥した泥が見られる。周囲の農地や険しく美しい山々を含む巨大都市、重慶の景観そのものが、異常に長く激しい熱波とそれに伴う干ばつによって変貌を遂げた。(AP通信/マーク・シーフェルベイン撮影)

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