米、需要拡大で宇宙ロケット打ち上げ施設が不足

(2026年5月18日)

2026年4月1日、フロリダ州ケープカナベラルのケネディ宇宙センター、発射台39-BからNASAのアルテミスII月面ロケットが打ち上げられた。(AP通信/クリス・オメアラ、資料写真)

By John T. Seward and Ben Wolfgang – The Washington Times – Thursday, May 7, 2026

 米国は2025年に194回の宇宙ロケット打ち上げを実施し、過去最多を記録した。しかし、この数字はトランプ政権が掲げる「2030年までに年間1000回打ち上げ」という目標から見れば、ほんの一部にすぎない。

 ホワイトハウスが今年、打ち上げペースのさらなる加速を求める中、すでに民間・軍事双方のスケジュールで逼迫(ひっぱく)している米国の二大宇宙施設が、その需要に耐えられるのかという国家安全保障上の懸念が高まっている。

 宇宙産業関係者によれば、現在の打ち上げ日程は、イーロン・マスク氏率いるスペースXや、ジェフ・ベゾス氏のブルーオリジンといった打ち上げサービス事業者の優先事項に大きく左右されている。

 両社は、NASA向けや極秘の国家安全保障ミッション向けロケット供給を担う一方で、急増する民間インフラ向け打ち上げにも携わっている。

 スペースXとブルーオリジンが両分野で圧倒的に優勢なため、国家安全保障を主軸とする中小の重要打ち上げ事業者の一部は、最大で2年先の衛星プロジェクトを予約しているという。ワシントン・タイムズのニュースレター「Threat Status」に匿名を条件に語った宇宙産業の幹部2人が明らかにした。

 こうした安全保障上の機微に関わる打ち上げの遅延は、トランプ政権にとっても周知の事実だ。

 NASAのジャレッド・アイザックマン長官は最近、米国の打ち上げインフラについて、国家安全保障と民間打ち上げ双方における「ボトルネック(障害)」だと表現した。長官は先月、「Threat Status」との独占映像インタビューで、米国は打ち上げ能力を拡大する必要があると述べた。

 「宇宙がもたらすあらゆる可能性を追求し続けるなら、それを支えるための打ち上げ施設をもっと増やさなければならない」と同長官は語った。

 長官は、米国の主要打ち上げ拠点として、フロリダ州のケネディ宇宙センターと、カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地を挙げた。

 「どちらも海沿いにあるのには理由がある。しかし、それは同時に脆弱(ぜいじゃく)性も意味する。敵対国に対して脆弱であり、天候にも左右されやすい」と長官は指摘した。

 NASAはバージニア州ウォロップス島施設で新たな発射台建設を検討しているが、それだけでは不十分だという。

 同長官は、「打ち上げこそ全てだ。現在は打ち上げ産業にとって素晴らしい時代であり、平和的・民間的宇宙活動を支えている。同時に国家安全保障にも絶対的に重要な役割を果たしている」と述べた。

 米政府当局者は、競争相手国の進展を強く警戒している。特に米中間で大国間競争が激化する中、その意識は高まっている。

 分析者によれば、中国は2025年に約100回の軌道打ち上げを実施した。

 その一部は、中国政府主導の衛星コンステレーション「千帆(サウザンド・セイルズ)」構築を支える衛星投入だった。これは米民間企業による同種の衛星網に対抗するものだ。

 中国は近年、海南省文昌に新たな商業宇宙港を建設するなど、打ち上げ拠点拡充を急速に進めている。

 2025年の打ち上げ回数では米国が中国の約2倍だったが、トランプ政権はなお不十分だとみている。

 米国の打ち上げ回数はこの10年で急増しており、業界関係者は今後さらに劇的に増えると予測している。

 米国全体の打ち上げ回数は、2017年の29回から2025年には194回へと増加した。

 ホワイトハウス科学技術政策局(OSTP)のマイケル・クラツィオス局長は、「これは驚異的進歩だ。しかし十分ではない」と述べた。

 クラツィオス氏は先月、コロラド州コロラドスプリングズで開かれた宇宙シンポジウムで、「年間毎日打ち上げを行う体制を目指さなければならない」と語った。

NASAが提供したこの画像は、2026年4月6日(月)、アルテミス2号の乗組員が月フライバイ中に、地球が月の沈む前に月の隣にある地球を撮影したものです。(NASA提供、AP通信経由)

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