米FBI、偽コンサル会社13サイト閉鎖 中国の対米情報工作に利用

ハイテクを駆使した政府のハッキング室で、中国軍関係者がハイブリッド戦争の一環として敵対国から国家機密を盗み出す作業を行っている。(写真提供:DC Studio via Shutterstock)
By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, June 10, 2026
米司法省は10日、中国による機密情報、重要な米政府情報の入手工作に利用されていたとされる13のインターネットドメインを閉鎖したと発表した。
司法省の声明によると、これらのサイトは中国側の工作員が、偽のコンサルティング会社を装い、機密情報にアクセスできる米国人らを勧誘するために利用していた。
連邦捜査局(FBI)のローマン・ロジャフスキー副長官(防諜・スパイ対策)は、「FBIが閉鎖した偽コンサルティング会社のドメインから、中国政府の情報機関が人工知能(AI)生成コンテンツを使って、現職・元職の米政府機密資格保持者を欺き、勧誘し、あるいは強要して機密情報を共有させようとしていることが分かる」と述べた。
またロジャフスキー氏は、「FBIと関係機関は、中国の情報機関がAI、ビジネス向け交流サイト、オンライン決済プラットフォームを利用して米国人を標的にしていることを確認しており、国家と国土を守るため行動を取ってきた」と語った。
今回公表されたFBIの宣誓供述書によれば、これらのサイトは中国による違法活動の捜査を通じて発覚した。
サイトはアリゾナ州、ニューヨーク州、ドイツ、英国を拠点としており、機密情報を狙う偽コンサルティング会社と結び付いていたという。
供述書によると、正体不明の共謀者らは偽名や架空の人物像、盗用した身元情報を使い、AI生成の顔写真で信用させた上で、米国内の勧誘対象者に情報提供の対価を支払っていた。
スパイ工作では、テレグラムなどの暗号化アプリを通じて送信された情報に対し、多額のオンライン送金が行われていた。
目的は、リンクトイン、アップワーク、エクスペリアAI、ハブスタッフ・タレント、ウェルファウンド、ポスト・ジョブ・フリーなどの求人サイトを利用し、「独占情報」や「内部情報」を入手することだった。
狙われていた情報は全て、中国が必要としていたデータだった。
供述書には「共謀者らは、機密および重要な米政府情報にアクセスできる現職・元職の機密資格保持者を含む米国人を標的にしていた」と記されている。さらに「彼らはこれらの人物を『上級アナリスト』や『国際問題コンサルタント』といった偽の職に勧誘し、『内部』情報源から得た機密情報や報告書の提供を迫っていた」としている。
この工作に関与した者たちは、契約書や秘密保持契約を利用して活動の違法性を隠し、外国政府との関係を否定していた。
裁判資料によると、容疑者のうち2人は海外にいる。
ジョン・アイゼンバーグ国家安全保障担当司法次官補は、「今回のドメイン差し押さえは、外国勢力が『簡単に金が稼げる』という甘言で米国人を誘い、本来守る義務のある機密情報を漏らさせようとしている実態を示している」と述べた。
FBIワシントン支局防諜・サイバー部門のダニエル・ビエルズビツキ特別捜査官は、「今回の閉鎖措置により、機密情報にアクセスできる米国人を狙った工作を阻止できるようになった」と語った。
同氏は「中国政府は長年にわたり、偽会社や偽求人を隠れみのにして米政府職員を利用しようとしてきた」と非難した。
ノーフォーク支局のドミニク・エバンス特別捜査官も、「中国政府はオンライン勧誘を含むさまざまな欺瞞的手法で、米国の技術革新、研究、機密データを狙い続けている」と指摘した。
その上で、「今回のドメイン差し押さえと手口の公表を通じて、国家安全保障を守り、米国の創造力を保護し、国民がこうした脅威を認識して対処できるようにする」と述べた。
閉鎖されたドメインは、贈賄共謀、個人情報窃取、国際的資金洗浄の疑いに基づき閉鎖された。ドメインは以下の通り。セントリック・グローバル・コンサルティング(centrikglobalconsulting.com)、ライトインフォ・コンサルティング(rightinfoconsult.com)、フィナクル・ヴェスパー・コンサルティング(finnaclevesperconsulting.com)、CYDFコンサルティング(cydfconsulting.com)、パルス・ウェーブ・グローバル(pulsewaveglobal.com)、カタリスト・グローバル・ソリューションズ(catalystglobalsolutions.com)、ホライズン(thehorizzen.com)、ジオインドパシフィック(geoindopacific.com)、グローバル・ピース・ファウンデーション・インドネシア(gpf-ina.org)、セーフセック・グループ(safesec-group.com)、ザ・トゥルースインフォ(thetruthinfo.com)、Vandercons.com、ガルフ・ピース・ファウンデーション(gulfpeace.org)。
これらのサイトにアクセスすると、「このウェブサイトは法執行の一環として閉鎖された」との表示が出る。
今回の措置は、先週公表されたFBIと英国情報局保安部(MI5)の共同警告に続くものだ。同警告では、中国軍情報機関がリンクトインなどのビジネス向け交流サイトを利用し、機密資格保持者から情報を得ようとしていると指摘していた。
警告文は、「これらの工作員は、情報機関員またはその関係者が民間コンサル会社、シンクタンク、人材紹介会社の職員を装い、外交・安全保障アナリストなどを募集するオンライン求人を出すという攻撃的な勧誘戦略を用いている」としている。
これに対し中国では、中国共産党機関紙系・環球時報が、ドメイン閉鎖や情報機関の警告について「根拠がない」と反論し、中国のスパイ脅威を誇張する米国の一環だと主張した。
論評では、こうした米国のスパイ疑惑追及が、先月の米中首脳会談で築かれた「建設的」な米中関係を損なう可能性があるとも示唆した。
論評は、「米国とファイブアイズ(機密情報を共有する米英などの枠組み)がいわゆる『中国スパイ脅威論』を引き続き喧伝していることは、対立的、さらには競争的な思考が依然として彼らの対中政策の一部を支配していることを示している」と述べた。
さらに環球時報は、「今回のドメイン閉鎖によって、真のトラブルメーカーが誰なのかが世界にはっきり分かるだろう」と米国を非難した。





