医学の進歩で胎児の人間性が示されたと主張する中絶反対派

(2021年12月5日)

2021年12月1日(水)、ワシントンにある連邦最高裁判所の前で、2018年に制定された法律によって生存能力のかなり手前である妊娠15週目以降の中絶が禁止されるミシシッピ州からの訴訟の弁論を聞くために、中絶反対派と中絶権擁護派がデモを行っている。 (AP Photo/Jose Luis Magana)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, December 1, 2021

 米連邦最高裁のエレーナ・ケーガン判事は、1日に行われたミシシッピ州の中絶禁止法をめぐる裁判の口頭弁論で、(女性の中絶権を認めた)1973年の「ロー対ウェイド判決」以来、「状況はほとんど変わっていない」と主張した。だが、中絶反対派は、科学を挙げてこれに反論している。

 ロー判決が下された当時、胎児が生存できるのは妊娠28週ごろからだった。医学の進歩により、今は23~24週、時にはもっと早くから生存可能と考えられている。テキサス州で2014年に妊娠21週で生まれた女の子は、わずか14・5オンス(約411㌘)の体重だったが、元気良く成長していると報じられている。

 「1973年以来の科学、技術、医学の進歩は、子供の人間性、特に胎児の痛みの科学を示している」。1日に発表した声明でこう訴えたのは、中絶反対派団体「スーザン・B・アンソニー・リスト」だ。「中絶賛成派は73年から何も変わっていないと主張するが、これ以上の間違いはない」

 中絶反対派がかみついたのは、ケーガン判事とソニア・ソトマイヨール判事がロー判決や1992年の「プランド・ペアレントフッド対ケーシー判決」以降、状況が変化したかどうかについて疑問を呈したためだ。胎児の生存前の中絶を州が禁止することを禁じたのが後者の判決だ。

「この裁判を見ると、ロー判決やケーシー判決以降、状況はほとんど変わっていないように思える」。ケーガン判事は口頭弁論でこう主張した。「人々はいつも正しい、間違っていると思うことに基づいて、それが正しい、間違っているかを考える」

 政治の側面ではそれは正しいかもしれない。だが、科学の側面ではそうではないと、中絶反対派は訴える。

 50年近い医学の進歩により、例えば、医師が子宮内の状態を治療できるようになったことで、状況は自分たちに有利になったと、中絶反対派は主張する。

 ロー判決から7年後、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の医師たちは、初めて胎児の手術に成功した。このような処置によって、脊椎や心臓欠陥などの症状を妊娠中期に治療することが一般的になっている。胎児の開腹手術で胎児に麻酔をかけることもある。

 「画像診断の開業医として、私は超音波技術の進歩が、生命の最初の数週間ではっきりと見えるようになった胎児の人間性、真実、医学的現実について、医学界を驚かせ続けていることを証明できる」。カトリック協会上級研究員のグラジー・ポゾ・クリスティー医師はこう指摘した。

 「ドブズ対ジャクソン女性健康機構」裁判で争点になっている2018年のミシシッピ州の法律は、妊娠15週以降のほとんどの中絶を禁じたものだ。中絶反対派団体「シャーロット・ロージアー研究所」によると、この時点で、すべての主要臓器が形成され、指も個別に動き、体も手触りや味に反応するという。

 「この裁判が最高裁まで来た大きな理由は、米国民が科学の進歩を目にし、重大な道徳的結果に疑問の声を上げるようになったからだ」と、ポゾ氏は述べた。

 口頭弁論では、ミシシッピ州のスコット・スチュワート訟務長官がケーシー判決以降の30年の医学的進歩を挙げ、ソトマイヨール判事に反論した。

 ソトマイヨール判事は、スチュワート氏が医学的、倫理的問題として論争になっている胎児の痛みに言及したことに疑問を呈した。米国産科婦人科学会は妊娠24週まで胎児は痛みを感じないとしているが、その時期は早ければ12~20週と主張する専門家もいる。

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