党派政治で民主党も多用していた!議事妨害を516回支持したシューマー議員

(2022年1月17日)

2020年3月25日(水)、ワシントンの米国連邦議会議事堂の上院議場で演説するチャック・シューマー上院少数党院内総務(民主党)。GovTrackがまとめたデータによると、上院での23年間、シューマー氏は500回以上議事妨害を支持するための投票を行ったという。(APによる上院テレビジョン)

By Stephen Dinan – The Washington Times – Tuesday, January 11, 2022

 仮にチャールズ・E・シューマー上院議員が今も野党側のリーダーだったら、同議員は共和党の重要議題を排除すべく闘うよりは、議事妨害に血道を挙げて、共和党の議案を阻止し続けていたに違いない。

 GovTrackがまとめたデータによると、シューマー議員(ニューヨーク州、民主)は上院で務めた23年間に、議事妨害を支持して、実に500回以上も投票していた。

 かつて議事妨害の削減を「民主主義にとって最悪の日の到来だ」とまで表現したシューマー議員だが、数世紀も使い古された慣行は、もう役立たずだ、と言ってのけた。

 「我が民主主義が機能し続けるためには、何らかの対処が必要だ」、同議員は先週、議場でそう演説した。考えを変えているのはシューマー議員だけでない。

 民主党はバイデン大統領の指名した司法長官候補者が前科を持った人物なのに、それで押し切ろうとしている。

 GovTrackのデータによると、上院民主党幹部会の50人のメンバーは、1989年以来、議事妨害の賛成票を合計15,579回投じてきた。しかし今、それらの大半が、議事妨害の慣行を排除しようとするシューマー議員の動議を支持している。

 上院の50人の共和党議員たちも民主党に負けず劣らずだ。彼らは議事妨害支持の投票を、延べ14,389回も実行した。その投票傾向から推して、上院の共和党議員は今年、議事妨害で上回るだろう。

 こうした数字は、議事妨害をめぐる深刻な事態を示唆している。すなわち真剣な政策の論争や討論より、党派的な争いごとに執心している事実だ。上院議員たちは少数派になればそれを利用し、多数派に転じればその利用を嘆いて見せるのだ。

「GovTrackデータは我が国政治の在り方について明らかな真理を明示している。つまり上院議員たちはますますチームとして、いわば党派的に行動している、ということだ」、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所の議会専門家・ケビン・コサール氏は指摘した。

 トランプ政権のホワイトハウスで立法業務のトップだったマイケル・マッケナ氏は、次のように語った。「気色鮮明で、要は自分のチーム、つまり党に投票するだけのことだ。」

 国民は議事妨害が党派的に利用されていることについて、一部の上院議員より分別を持っているようだ。

 先週実施されたTIPPInsightsの調査によると、民主党員の51%と、共和党員の53%が、議事妨害には問題がない、と述べている。反対意見は無所属からで、そのわずか38%が議事妨害を制度として支持していた。

 議事妨害は憲法に明記されているわけではない。それは上院が作りあげたもので、上院議員はたとえ1人でも議事を阻止することが可能だ、という長年の慣行を1800年代後半に命名したのだった。

 20世紀に南部の民主党員たちは議事妨害を使用して公民権立法を阻止したが、それは近年、議事妨害を人種差別のツールだとレッテル貼りする遠因になった。それでも当時のラベル張りの水準を、今日の民主党議員たちが投じてきた15,000票以上の議事妨害と対比するのは難しい。

 議事妨害を「黒人差別主義の遺物」と切って捨てたバラク・オバマ元大統領だが、同氏も上院議員時代、2005年の愛国者法の更新に当たって強引な修正をしたり、共和党の相続税廃止や2006年の新規の中絶制限を阻止するなど、議事妨害のツールを利用した1人だった。

 当時は多数派の共和党が、今は少数派だ。彼らは議事妨害を活用して、民主党が選挙と投票に関する新たな国内規則を制定しようとするのを阻止している。

 シューマー議員は、議事妨害規則を変更するために単純過半数のオプションを活用すべく、同議員率いる幹部会のメンバー50人を結集させようとしている。彼は次のステップの期限を月曜日の「マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの日」に設定しているが、それが何なのか、明らかにしていない。

 長年の間に議事妨害がどれほど実行されたかを測定する確固とした尺度はない。一つの理由は、例えば単独の上院議員がアクションを起こしたり、一団の上院議員が議事進行を阻止したり、様々な表現形態があるからだ。

 議事妨害のひとつの形は、投票が集計できる討論終結の採決だ。一人の上院議員が討論終結に反対票を投じるたびに、事実上、議事妨害を維持していることになる。

 そのことは1989年8月2日から先週末までの議会記録を元にして、ワシントンタイムズの要請でGovTrackが分析したものでも明らかだ。この記録には、パトリック・J・リーヒ上院議員(バーモント州、民主党)と、チャック・グラスリー上院議員(アイオワ州、共和党)、ミッチ・マコーネル上院議員(ケンタッキー州)、リチャード・C・シェルビー上院議員(アラバマ州)の4人を除くすべての現職議員の議会歴が含まれている。

 現職の上院議員100人のうち、4人だけは議事妨害を支持する投票をしたことがない。その4人とは全員、1年前に就任した民主党議員で、共和党主導の上院で務めたことがないから、議事妨害を必要とする議案に出くわしてこなかったからだろう。

 それと対照的に昨年就任した3人の共和党議員は、民主党主導の議会で、機会さえあれば大半の議事妨害支持に投票をした。

 民主党員として始まり、やがて共和党に転向したシェルビー議員は、現職議員の中で議事妨害のチャンピオンだ。彼は討論終結の動議に646回も反対票を投じ、990回の討論終結に賛成投票して、議事妨害率は41%と記録されている。

 一方、民主党の議事妨害のチャンピオンはロン・ワイデン上院議員(オレゴン州)で、討論終結採決の際に584票の反対票を投じている。シューマー議員は516回の議事妨害投票により、民主党の3番目にランクされている。

 GovTrackが記録する31年間で、民主党と共和党はそれぞれ約16年半ずつ上院を主導してきた。その事実が、両党の上院議員による議事妨害支持の投票数がほぼ均衡している理由を説明している、ワシントンタイムズのコラム執筆者でもあるマッケナ氏はそう指摘した。

 確かに共和党が上院を支配していたほんの数年前、トランプ大統領は議事妨害を排除するよう要求した。しかし超党派の上院議員たちが2017年にトランプ大統領の要求を押し戻し、議事妨害を維持するよう懇請する書簡を出した。上院にいた25人以上の民主党議員もその書簡に署名したが、副大統領になる前のカマラ・ハリス議員もその一人だ。

 議会全体を眺めれば、平均的な上院議員は討論終結動議、すなわち公的な議論を打ち切って採決に移ることを支持しており、約64%が支持している。中道政治家たちは、その支持率をはるかに超えている。

 スーザン・M・コリンズ上院議員(メイン州、共和党)は、25年間に85%の討論終結に投票した。ジョー・マンチン三世・上院議員(ウェストバージニア州、民主党)は、81%と若干後塵を拝している。キルステン・シネマ上院議員(アリゾナ州・民主党)も、上院でのキャリアの大半を少数派に甘んじたが、74%と上位にランクされた。

 マンチン議員とシネマ議員は議事妨害の将来をめぐる目下の戦いの主役だ。シューマー議員は議決権法の扱いを、予算案と同様に絶対過半数ルールから免じるような修正案を検討している。こうした動きを、シネマ・マンチン両議員は警戒している。

 「私は議事妨害を破棄するためでなく、ルールの変更によって議事進行がより良く機能できるようにしたいだけだ」、マンチン議員は火曜日、記者団に語った。

 同議員は議事妨害のしきいを下げて法案を提出するなどの修正は受け入れるが、法案の最終通過に至る過半数要件を破棄することはない、と断言した。彼は民主党指導者たちが思案している党派争いではなく、共和党の支持を望んでいるようだ。

 アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所のコサール氏は、投票権を排除するような試みは、各政党にとって過半数獲得という願望が統治の課題を上回るという、より広い政治の流れを変えるのに何の役にも立たない、と述べた。「それは上院をさらに二極化の運命に追いやることになるだろう」、コサール氏は断言した。

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