バイデンのイランへの屈従

(2022年2月16日)

イランに関するバイデンチームのイラスト/ The Washington Times

By Editorial Board – The Washington Times – Wednesday, February 9, 2022

 「思慮」という言葉は、さまざまな意味を持つ。人に不快感を与えないようにする振る舞いばかりではなく、体験に基づく判断を表している。だが現在の国際情勢への米国の対応に照らして見ると、その微妙な違いは消えてなくなる。バイデン大統領の、消滅寸前のイラン核合意をよみがえらせようとする試みは、彼の物乞い的弱腰の姿勢で貫かれた半世紀にわたる高級官僚の立場で行った政治活動と結び付いている。

 国務省は4日、米国がイランの核開発計画に科していた経済制裁を撤回したことを明らかにした。これは、2015年イラン核合意の復活に貢献することを期待しての措置だ。核合意は、当時のオバマ大統領が署名したが、2018年に当時のトランプ大統領が離脱、イスラム政権による核兵器の追求の道を止めることはできていない。米国の外交官らは、この動きを「譲歩」と呼ばず、「思慮の政策」と表現している。

 いずれにしても、制裁解除はイランにとっては大勝利だ。海外に凍結されている資金290億㌦をイランが入手できるようになるからだ。また、他の国々に、イランの核計画完成への支援を許すものでもある。イランは平和目的だと主張するが、伝えられるところによると、核爆弾製造に必要な濃度のウランを数週間で製造できるという。よほどおめでたい人でない限り、核兵器開発を目指していると言われても驚きはしない。

 バイデン氏は、オバマ氏が匹敵するしっかりした合意を交わしたいと思っているのだろうが、イランを支配する強硬派のムラー(イスラムの宗教的指導者)らは、バイデン氏をカモぐらいにしか見ていない。バイデン氏は、アフガニスタンで冷徹なタリバンの圧力に屈し、パニックの中で降伏し、大混乱の中で米軍を撤退させた。これは、米軍史上最も恥ずべき大失敗とされている。

 世界中に散らばっている他の敵対者らも、バイデン氏の「思慮の政策」に、付け込むチャンスを見いだしている。手っ取り早く言えば、プーチン大統領は、ウクライナの国境地帯に軍隊を配備し、北大西洋条約機構(NATO)入りを阻止し、ソ連時代の緩衝地帯へ戻すことを目指している。中国の習近平国家主席は、かつて自由だった香港を掌握し終え、以前から懸念されている台湾侵攻への準備を進めている。

 北京五輪が終わった途端、どちらかが――または、両方が、それぞれの軍隊を解き放つ可能性があるという臆測が飛び交っている。両首脳は、自国の国境の安全を確保しようとしないバイデン氏には、他国で侵略が起きてもそれをとがめる道徳的権限はないと考えるかもしれない。

 バイデン氏の屈従は、オバマ氏の平和論の正当性を否定した「アラブの春」を象徴する混乱を歯止めの利かないものにしている。それは、最近のトランプ氏の談話による力強い振る舞い方とは著しく対照的なものである。彼を最も厳しく批判するものでさえ、トランプ氏が国家のかじ取りをした時、世界がより穏やかで、平和だったことを否定できないでいる。

 米国民は、この違いを感じ取っている。そのため、(世論調査収集サイト)リアル・クリア・ポリティクスによると、大統領の外交政策に対する承認率は37%という悲惨なものになっている。

 「用心は勇気の大半」と言われる。しかし、バイデン氏がイラン政府に対して行った譲歩に似た思慮は、「弱さが軽蔑を招く」という言葉を思い起こさせる。

韓国統一教会の指導者である韓鶴子総裁が、2025年9月17日(水)、韓国ソウルの特別検察庁に到着した。(AP通信/イ・ジンマン撮影)

「韓国の民主主義にそぐわない」宗教指導者への実刑判決に強い非難

(2026年09月04日)
韓国統一教会の指導者である韓鶴子総裁が、2025年9月17日(水)、韓国ソウルの特別検察庁に到着した。(AP通信/イ・ジンマン撮影)

旧統一教会トップに懲役2年 宗教右派へ圧力強める韓国左派政権

(2026年09月02日)
中国と新型コロナウイルス感染症のパンデミック イラスト:リナス・ガーシス/ワシントン・タイムズ

中国共産党は新型コロナの責任果たせ 米ハドソン研究所中国センター所長 マイルズ・ユー

(2026年08月31日)
米海軍作戦部長のダリル・コードル提督は、2025年11月17日、東京訪問中に選ばれた記者団と会見した。(AP通信/マリ・ヤマグチ撮影)

海軍作戦部長、中東への戦力移動は中国抑止に影響

(2026年08月30日)
8月18日に撮影されたこのヴァントール衛星画像は、ヤゴン礁を捉えたもので、アナリストらは、約9マイル離れたアンテロープ礁における人民解放軍の軍事作戦を支援する可能性のある、中国の早期警戒レーダーの開発を示していると指摘している。(画像提供:衛星画像 ©2026 Vantor)

中国、西沙諸島に新たな軍事基地 米が強く非難

(2026年08月28日)
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)は、2026年8月13日(木)、千島列島最大の島である択禄島のクリリスクにある、ロシア英雄エドゥアルド・ノルポロフ記念中学校を訪問した。(ガヴリール・グリゴロフ、スプートニク、クレムリン・プール写真、AP通信経由)

ロシア、北方領土近くでミサイル試射 日本の対中防衛重視に影響も

(2026年08月24日)
新天地教会の指導者であるイ・マンヒ氏が、2026年6月24日(水)、韓国ソウルのソウル中央地方裁判所に到着した。(イ・ヨンファン/ニューシス提供、AP通信経由)

韓国の信教の自由攻撃に警鐘 韓日中活動家による反宗教「不浄な同盟」指摘も

(2026年08月23日)
2019年10月2日に低速シャッタースピードで撮影され、米空軍が提供したこの画像は、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地で行われた非武装のミニットマン3大陸間弾道ミサイルの発射実験の様子を示している。スウェーデンのシンクタンクは2024年6月17日(月)、世界の核保有国9カ国は核兵器の近代化を続け、2023年には核抑止力への依存度をさらに高めるだろうと述べた。(JTアームストロング軍曹/米空軍提供、AP通信経由)

国防総省、中露の脅威受け核指針を見直し 抑止力を強化へ

(2026年08月22日)
2026年1月30日(金)、東京南部の海上自衛隊横須賀地区本部で、小泉進次郎防衛大臣が韓国の安徽博防衛大臣と会談後、報道陣の取材に応じた。(AP通信/ユージン・ホシコ撮影、資料写真)

太平洋諸国が連携強化 小泉防衛相が豪訪問、米は警戒

(2026年08月19日)
2025年2月18日、スカボロー礁上空で、中国軍のヘリコプターがフィリピン水産局(BFAR)の航空機に接近飛行している。(AP通信/ジョエル・カルピタン撮影)

中国、南シナ海で支配強化 米国務省が「安定損なう」と異例の非難

(2026年08月16日)
→その他のニュース