中国 AI駆使し影響工作 ウイグル族弾圧報道に対抗

(2022年8月30日)

2021年4月19日、中国西部の新疆ウイグル自治区カシュガルにあるイド・カ・モスクで礼拝中のウイグル族と信徒たち。中国北西部の中央アジアに面した辺境の地、新疆ウイグル自治区では、公的政策の重圧の下、イスラム教の未来が不安定に見える。外部の観測筋によると、数十のモスクが取り壊されたというが、北京はこれを否定し、地元の人々は礼拝者の数が減少傾向にあるという。(AP写真/Mark Schiefelbein)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, August 24, 2022

 中国は、少数派ウイグル族への弾圧報道に対抗するため、人工知能(AI)によるフェイク画像などを使って、世界に向けて影響工作を行ったり、偽情報を拡散させたりしている。米国務省の最新報告から明らかになった。

 国務省の偽情報対策部門「グローバル・エンゲージメント・センター(GEC)」が24日に公表した報告によると、中国は、「大多数がイスラム教徒のウイグル族、その他の民族的少数派に対するジェノサイド(集団虐殺)、人道に反する罪」をめぐる国際的な議論を操作するとともに、ジェノサイドは起きていないという中国政府の主張を拡散させている。

 報告は、中国が「AIで生成した高度な画像で、偽のアカウントのプロフィルを本物のように見せ掛け」、「(工作員を使った)ネット上での抑圧、嫌がらせ、脅しで反対意見を抑制」する一方、「批判に対抗する意見、陰謀論」を拡散させていると指摘した。

 報告によると、AIの一種である機械学習を使って本来存在しない画像を生成する「StyleGAN」というプログラムで、偽アカウントのプロフィル画像を作成。こうして作られた画像は、オリジナル画像がなく、偽アカウントの発見を困難にしているという。

 また、中国政府のソーシャルメディア・アカウント、政府系メディア、個人のアカウント、「(自動的にタスクを実行する)ボットクラスター」を使って、「少なくとも10以上の言語を使って世界規模で」プロパガンダを拡散させている。

 「アストロターフィング」という手法を使っていることも明らかになった。これは、草の根運動に見せ掛けて、ネット上で情報を拡散させるもので、ウイグル族は「幸せな生活を送っている」、「中国の政策によって新疆ウイグル自治区に富がもたらされている」などといった情報を流し、中国のウイグル政策が広範囲で支持されているように見せ掛けているという。

 2021年半ばには、300以上の偽アカウントを使って、ウイグル族への弾圧を否定する数千時間分の動画が政府系サイトや動画サイト、ユーチューブに投稿された。

 中国はこれらの偽アカウントを使って、ウイグル族へのジェノサイドは、米国と同盟国の作り話という主張を拡散させている。

 また最近では、共産党系メディアやボットネットワークを使って、新疆で機械による綿の収穫の画像を拡散させた。綿の収穫に「労働力は必要ない」と主張することで、ウイグル族が強制労働によって綿の収穫をさせられているという報道を否定するためだ。ウイグル族10万人が強制的に中国全域の工場に送られているという報道もある。

 報告は「(情報操作のため)中国共産党の網絡安全和信息化委員会と中央宣伝部は、約200万人を直接雇用し、さらに2000万人を市民ボランティアとして働かせている」と指摘、主に「国内と国外の中国人コミュニティー」を標的にしているという。

1989年5月17日、中国・北京の天安門広場は、民主化を求める集会で数千人の群衆で埋め尽くされた。(AP通信/Sadayuki Mikami)

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