北朝鮮「女王」擁立の可能性は低い

(2023年2月18日)

2023年2月8日(水)、北朝鮮・平壌の金日成広場で行われた朝鮮人民軍創設75周年記念の軍事パレードに出席した金正恩委員長の娘(北朝鮮政府提供)の写真。北朝鮮政府が配布したこの画像に描かれているイベントを取材するための独立したジャーナリストのアクセスは許可されていない。この画像の内容は提供されたものであり、独自に検証することはできない。提供された画像の韓国語の透かしには、次のような記載がある。朝鮮中央通信の略称である「KCNA」。(朝鮮中央通信/APによる韓国通信社)

By Andrew Salmon – The Washington Times – Tuesday, February 14, 2023

 【ソウル】北朝鮮の全権を握る金正恩総書記の10歳前後の娘、ジュエさんが、秘密主義の北朝鮮が発行する切手によって不滅の存在となろうとしている。14日に公開された切手には、軍幹部らに囲まれたジュエさんが描かれており、そばには正恩氏がいて、背景には大陸間弾道ミサイル(ICBM)が描かれている。

 先週、「ジュエ」という名のすべての北朝鮮女性が名前の変更を命じられたという未確認情報もあり、9歳か10歳と思われるジュエさんは、父親、祖父、曽祖父の後継者として金王朝のトップになるよう育てられているといううわさが飛び交っている。

 ジュエさんと叔母(正恩氏の妹で強い権力を持つ金与正氏)にメディアが注目しているにもかかわらず、北朝鮮のベテランウオッチャーらは、女性が北朝鮮の権力の頂点に立つ可能性は低いと警告している。

 ソウルの戦略文化研究センターを率いるチェ・ジンウク所長は、「北朝鮮は男性優位が強い社会だ。男女平等を主張し、1950年代に労働力が必要となって以来、男女平等が強調されてきたが、現実を見ると、女性の高位当局者は非常に珍しい」と述べた。

 韓国遺産教育研究院(KHEI)のジョアン・キム院長は「北朝鮮の過去の指導者を見ると、賢い女性もいたが、非常に少ない。男性優位で、暴力や物理的・軍事的な力に依存している」と述べた。

 このような文化的な背景に加えて、韓国の北朝鮮研究者の間では、金氏には公表されていない息子がいると考えられている。名前さえも不明だが、ジュエさんより数歳年上だと考えられており、人目を避け、危険を回避し、正恩氏の後継者となる可能性が高いと考えられている。

 11月のミサイル発射実験に、正恩氏の手を握りながら公の場に登場したジュエさんは、国営メディアでは日常的に正恩氏の「最愛の」「尊敬すべき」娘と紹介されている。ジュエさんの本当の役割は、兄から外部の目をそらし、北の多くの敵対勢力や世界のメディアを欺く隠れみのとなることなのかもしれない。

 韓国社会は歴史的に、実権を握る地位に女性を押し上げることはあまりなく、現在もそれは変わっていない。

 KHEIのキム氏は「韓国最後の実権を持った女王は新羅時代までさかのぼる」と指摘する。

 キム氏によると、新羅は10世紀に滅んだ王朝で、その後20世紀まで半島を支配した王朝では「女王は王の妃だった」。そのため、王妃が権力を行使できるのは「びょうぶの向こう側」だけだった。

 世界第10位の経済大国である、民主的で国際的な今日の韓国でさえ、男女平等は進んでいない。世界経済フォーラムが発表した「2022年男女格差指数」では、146カ国中99位にランクされている。第2次世界大戦後、韓国の女性大統領は朴槿恵氏ただ一人。2013年の当選から4年後、任期途上で弾劾、罷免された。

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