米国のスパイ活動再開を阻止する―中国

(2023年7月26日)

北京の外務省で記者会見する中国外務省の毛寧報道官(2023年5月24日水曜日)。中国政府は24日、ワシントンが懸念を表明したことを受け、一部のコンピューター・システムで米メモリー・チップメーカー、マイクロン・テクノロジー社の製品を使用することを禁止していることを擁護し、技術と安全保障をめぐる緊張に拍車をかけた。(AP=共同)

By Bill Gertz – The Washington Times – Monday, July 24, 2023

 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が先週、破壊されていた中国でのスパイネットワークの再構築で進展があると述べたことを受けて、外務省報道官は24日、CIAの国内での情報活動を阻止すると主張した。

 中国外務省の毛寧副報道局長は、先週のアスペン安全保障フォーラムでのバーンズ氏の発言に関する報道を見たと述べた。バーンズ氏はフォーラムで、中国で採用した情報員のほとんどを2010年以降に失ったが、その後、スパイ網の再構築に取り組んできたことを明らかにしていた。

 外交官としてのキャリアもあるバーンズ氏は、「他の方法ではできないような、非常に強力なヒューミント(人的情報活動)能力を確保するために懸命に働いている」と述べた。

 また、6月に発覚した中国政府のハッカーによる大規模なハッキングにも触れた。米政府は、商務省と国務省の電子メールアカウントが侵入され、メールが漏洩した件について、ソフトウエア大手のマイクロソフト社に警告した。

 マイクロソフトによると、ハッカーは中国政府とつながりのある「国家」の支援を受けた活動家だという。

 バイデン政権は、今回のハッキングが中国政府から発信されたものだとは明言しなかった。しかしバーンズ氏はフォーラムで、マイクロソフトが明らかにしたハッカーの特徴に異論はないと述べた。

 毛氏は北京で記者団に対し、バーンズ氏の発言は「かなり気がかりだ」と指摘、「中国は国家安全保障を守るために必要なあらゆる手段をとる」と語った。

 また、米政府が、中国の情報収集やサイバー攻撃について「偽情報を流す」一方で、「中国を標的にした大規模な情報活動」を行っていることを公表したと批判した。

 オーストラリア政府は、米豪主導の大規模な多国間軍事演習「タリスマン・セーバー2023」の開始時に、中国の情報収集艦がオーストラリア沖に展開したことを明らかにしていた。オーストラリア国防軍のグレッグ・ビルトン統合作戦部長(中将)が7月21日に公表したもので、同様の情報収集艦は以前にも確認されているという。

 ビルトン氏は演習の開会式で「彼らは何年も前からこのようなことをしてきた。私たちはそれに対して十分な備えをしている」と語った。

 タリスマン・セーバーは7月22日から8月4日までオーストラリア北部で行われ、13カ国から3万人以上の兵員が参加する。

 主催国2カ国に加え、カナダ、フィジー、フランス、ドイツ、インドネシア、日本、パプアニューギニア、ニュージーランド、韓国、トンガ、英国が参加する。フィリピン、シンガポール、タイはオブザーバーとして参加する。

 米国の情報・安全保障当局者によれば、中国の対米情報活動は少なくともこの10年間、高いレベルを維持してきたという。

 国家防諜安全保障センター(NCSC)は先月、7月1日に施行された反スパイ法を含む中国の新しい法律が、中国で事業を展開する米企業にリスクをもたらすと警告した。

 NCSCは、「これらの法律は、米企業が中国内で保有するデータにアクセスし、管理する(中国)政府の法的根拠を拡大するものだ」とセキュリティー・アラートで述べている。

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