中国サイバー企業の情報が流出 ハッカーの手口など暴露

(2024年3月4日)

2023年6月9日、北京で開催されたSecurity China 2023で、監視カメラを描いたボードの近くに座るベンダー。長年の猛烈な成長を経て、中国のセキュリティ・監視業界は現在、ハッカーや人工知能の進歩、敵対する政府からの圧力がもたらすリスクを懸念し、米国やその他の外部要因に対する脆弱性を補強することに注力している。北京で最近開催された「セキュリティ・チャイナ」展示会では、ハッキングに対する自立、詐欺対策、システムの強化が改めて強調された。(AP Photo/Ng Han Guan)

By Ryan Lovelace – The Washington Times – Wednesday, February 28, 2024

 中国企業のハッキングツールが公になり、米国家安全保障局(NSA)の最上級アナリストら、世界トップクラスのサイバーセキュリティー専門家を驚かせている。

 中国政府系のセキュリティー企業、安洵信息(I-Soon)の大量の文書、画像、メッセージが2月突然、プログラム共有サイト「ギットハブ」のソフトウェア開発プラットフォームにアップロードされ、中国政府が雇うハッカー集団の内情をのぞき見ることができるという前代未聞の出来事が起きている。

 NSAのサイバーセキュリティー・ディレクター、ロブ・ジョイス氏は、I-Soonの文書などが暴露されたことで、中国がどのようにハッキングを行っているのかについて新たな情報を得る機会が得られたと述べた。中国政府の治安部門とつながりのある企業のツールの漏洩は前例がなく、セキュリティーの専門家らが調査を行っている。

 ジョイス氏は、27日に開催された「トレリックス・サイバーセキュリティー・サミット」で、「このデータによって、インフラを提供するだけでなく、実際に活動し、データを盗んでいる中国企業によってどの程度のインフラが使用可能になったかが分かる。すでに知っていたことであり、見てきたことだが、大量の情報が公開され、深く分析できるようになったことは、公共部門の一部の人々にとって驚きだと思う」と述べた。

 サイバーセキュリティーの専門家は、今回の暴露に注目し、中国のサイバースパイ業界がどのように機能しているのか、それを阻止するにはどうすればいいかを解明しようとしている。

 セキュリティー企業センティネルワンは、ギットハブに投稿されたI-Soonのデータは、中国のデジタルスパイ活動がどのくらいの範囲にわたり、どの程度のレベルかを示しており、ここまで具体的なものはかつてないと述べた。同社のダコタ・ケイリー、アレクサンダル・ミレンコスキ両氏は、今回暴露された情報から、中国の共産党政権が何を監視と潜入の標的とするかによって、ハッカー雇用市場がどのように動いているかを如実に示していると述べた。

 両氏はセンティネルワンのサイトで「I-Soonの従業員は、低賃金、職場での賭け麻雀に不満を持っている。I-Soonは、少なくとも14の政府、香港の民主化団体、大学、北大西洋条約機構(NATO)の情報漏洩に関与しているようだ」と書いている。

 サイバーセキュリティー研究者のマルコ・ラミリ氏によると、流出したデータには、従業員の社内チャット、営業、同社のツール、製品、プロセスに関する文書などが含まれている。

 ラミリ氏は自身のウェブサイトで、I-SoonはハッカーグループAPT41と関係があるとみられていると指摘した。APT41は「バリウム」とも呼ばれ、米連邦捜査局(FBI)は中国のハッカーグループとしている。I-Soonは、中国を代表する情報機関である中国公安省のセキュリティー業務を請け負い、四川省の省都・成都に登記されている。

 同社関係者は、流出データが本物であることを確認していないが、欧米の専門家の多くは本物とみている。

 データには、文書、電子メール、企業関連資料、数十のマーケティング文書、ビジネス文書、通信アプリ「微信(ウィーチャット)」で行われた顧客との数千のメッセージが含まれている。I-Soonが主に関心を寄せているのは、国内の監視対象とベトナム、タイ、韓国、インドなどの政府とみられている。

 サイバーセキュリティー企業マンディアントが2022年に明らかにしたところによると、APT41が2021年5月~2022年2月にかけて少なくとも六つの米国の州政府のネットワークに侵入していたことが調査によって明らかになった。

 サイバーセキュリティー専門家らは、I-Soonがどのような手法を取っているのかを解明しようとしている。カリフォルニア州を拠点とするサイバーセキュリティー企業トレリックスのチームは、流出データの精査に取り組んでいる。

 トレリックスの脅威インテリジェンスの責任者であるジョン・フォッカー氏(オランダ政府の元サイバー犯罪捜査官)は、初期調査から、請負業者と仕事をする際には特に警戒し、外国政府との関係を把握する必要があるという現実が浮き彫りになったと語った。

 「特に驚きはないが、このようなことが起きていることが確認できた。興味深い。ロシア政府に対しても、同じような疑念を抱いている」

韓国統一教会の指導者である韓鶴子総裁が、2025年9月17日(水)、韓国ソウルの特別検察庁に到着した。(AP通信/イ・ジンマン撮影)

旧統一教会トップに懲役2年 宗教右派へ圧力強める韓国左派政権

(2026年09月02日)
中国と新型コロナウイルス感染症のパンデミック イラスト:リナス・ガーシス/ワシントン・タイムズ

中国共産党は新型コロナの責任果たせ 米ハドソン研究所中国センター所長 マイルズ・ユー

(2026年08月31日)
米海軍作戦部長のダリル・コードル提督は、2025年11月17日、東京訪問中に選ばれた記者団と会見した。(AP通信/マリ・ヤマグチ撮影)

海軍作戦部長、中東への戦力移動は中国抑止に影響

(2026年08月30日)
8月18日に撮影されたこのヴァントール衛星画像は、ヤゴン礁を捉えたもので、アナリストらは、約9マイル離れたアンテロープ礁における人民解放軍の軍事作戦を支援する可能性のある、中国の早期警戒レーダーの開発を示していると指摘している。(画像提供:衛星画像 ©2026 Vantor)

中国、西沙諸島に新たな軍事基地 米が強く非難

(2026年08月28日)
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)は、2026年8月13日(木)、千島列島最大の島である択禄島のクリリスクにある、ロシア英雄エドゥアルド・ノルポロフ記念中学校を訪問した。(ガヴリール・グリゴロフ、スプートニク、クレムリン・プール写真、AP通信経由)

ロシア、北方領土近くでミサイル試射 日本の対中防衛重視に影響も

(2026年08月24日)
新天地教会の指導者であるイ・マンヒ氏が、2026年6月24日(水)、韓国ソウルのソウル中央地方裁判所に到着した。(イ・ヨンファン/ニューシス提供、AP通信経由)

韓国の信教の自由攻撃に警鐘 韓日中活動家による反宗教「不浄な同盟」指摘も

(2026年08月23日)
2019年10月2日に低速シャッタースピードで撮影され、米空軍が提供したこの画像は、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地で行われた非武装のミニットマン3大陸間弾道ミサイルの発射実験の様子を示している。スウェーデンのシンクタンクは2024年6月17日(月)、世界の核保有国9カ国は核兵器の近代化を続け、2023年には核抑止力への依存度をさらに高めるだろうと述べた。(JTアームストロング軍曹/米空軍提供、AP通信経由)

国防総省、中露の脅威受け核指針を見直し 抑止力を強化へ

(2026年08月22日)
2026年1月30日(金)、東京南部の海上自衛隊横須賀地区本部で、小泉進次郎防衛大臣が韓国の安徽博防衛大臣と会談後、報道陣の取材に応じた。(AP通信/ユージン・ホシコ撮影、資料写真)

太平洋諸国が連携強化 小泉防衛相が豪訪問、米は警戒

(2026年08月19日)
2025年2月18日、スカボロー礁上空で、中国軍のヘリコプターがフィリピン水産局(BFAR)の航空機に接近飛行している。(AP通信/ジョエル・カルピタン撮影)

中国、南シナ海で支配強化 米国務省が「安定損なう」と異例の非難

(2026年08月16日)
2026年2月12日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で、ウクライナ防衛連絡グループの会合開始を待つエルブリッジ・コルビー米国防次官(政策担当)。(AP通信/ゲールト・ヴァンデン・ワインガート撮影)

米国防当局者、中国への「現実主義」政策を提示 静かな外交、抑止力を強化

(2026年08月14日)
→その他のニュース