中国、宇宙での核兵器使用を検討か

(2024年6月15日)

2019年10月1日、北京で行われた共産中国建国70周年記念パレードで、DF-41核弾道ミサイルを搭載した軍用車両が転がる中、中国国旗を振る観客。(AP Photo/Mark Schiefelbein, File)

By Bill Gertz – The Washington Times – Wednesday, June 12, 2024

 空軍のシンクタンクによる最新の報告書によると、中国の軍事研究者らは、米国のスターリンク衛星群などの多数の標的に対して、宇宙空間で核爆発を使用することを検討している。中国航空宇宙研究所の6月3日の報告書は、中国の地球周回軌道上の核攻撃兵器の開発が、米50州すべてを標的とすることができるように進められていることも明らかにしている。

 13ページに及ぶこの米空軍の報告書は、軌道を周回する極超音速ミサイル、衛星を破壊できる「近接」衛星、衛星制御ネットワークへの高度なサイバー攻撃など、中国の宇宙戦争能力に関する新情報を明らかにしている。

 報告書は、スティーブン・ホワイティング米宇宙軍司令官の発言を引用して、「中華人民共和国(PRC)は、宇宙領域において、同時にいくつかの前線で急速に前進しており」、中国の宇宙兵器増強は

「息をのむような速さ」で進んでいると警鐘を鳴らした。

 中国軍はすでに米空軍の宇宙船X37Bに似た宇宙船を配備しており、最近のミッションでいくつかの小型衛星を軌道に乗せている。

 報告書は、ロシアも宇宙への核兵器配備を計画していることを示す最近の報道についても言及している。中国が小型衛星群に対抗するために核の使用を検討しているのと似ている。どちらの核兵器も、宇宙空間への大量破壊兵器配備を禁止する1967年の宇宙条約に抵触する。

 中国の軍事研究者らは、起業家イーロン・マスク氏のスペースXの子会社によって配備されている6000基以上のスターリンク衛星のようなシステムを、紛争が発生した場合に無力化することを狙っていると報告書は述べている。スターリンク衛星は、地上基地を通じてインターネットへのWi-Fi接続を提供するもので、ロシア軍がキーウの軍事通信網の大部分を破壊したことから、ウクライナ軍が現在、使用している。

 報告書によれば、中国軍は大量の小型衛星に対して従来のミサイルなどの兵器を使用していては「敗北する」と考えている。その代わりに、物理的に破壊する「ハードキル」と物理的に破壊することなく使用できなくする「ソフトキル」の兵器を組み合わせて使用し、大規模な小型衛星群を無力化することを計画している。

 2022年に発表された中国の軍事研究論文は、宇宙空間での核爆発を利用して通信衛星群を破壊することができるとしている。報告書は「PRCの研究者らは、起爆高度と出力を調整することで、(低軌道上の)核放射性物質の雲の形と大きさを調整する方法を発見した。PRCの研究者と戦略家らは、宇宙の戦略的環境の見直しに懸命に取り組んでおり、新たに取り入れた構造について検討を行い、多元的で複合的な兵器の観点からこの問題に取り組んでいる」

 衛星通信を無力化する他の方法としては、軍需産業へのサイバー攻撃や地上局への「技術的侵入」がある。

 報告書はまた、中国が2021年に行った「部分軌道爆撃システム(FOBS)」の実験で使用した極超音速ミサイルが、別のミサイルを発射していたことを明らかにした。

 報告書は「軌道爆撃システムの使用は、米50州の標的を含む世界各地の基地や領土に対するPLA(中国人民解放軍)の戦力投射能力を高める可能性がある」と、中国軍事紙の記述を引用している。

 報告書によれば、2021年のFOBS実験でメインの極超音速飛行体が「二次兵器」を発射したことが観測されており、米国のアナリストらはこの奇妙な動作に驚いたという。この二次兵器とは、防御的な対抗措置、空対空ミサイル、音速の5倍よりも速い極超音速で移動する何かとされている。

 報告書によれば、「このような能力は、他のどの国も実験していないし、開発に取り組んでいると表明した国もない」という。

 中国の軍事研究者らは、サイバー攻撃や電子戦を使って衛星を破壊する方法も研究している。軍事関連文書によると、中国は衛星に搭載されたプロセッサーやメモリーユニットを標的にし、衛星オペレーターが使用する一般的なオペレーティングシステム「VxWorks」の脆弱性を突くことで、衛星に対する破壊的なサイバー攻撃を行う準備をしているという。報告書によれば、中国のサイバー戦争部隊は五つあり、宇宙システムの攻撃を専門としている。

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