トランスジェンダーから裸の検査を受けたイスラム教徒の受刑者が提訴

(2021年10月4日)

Photo by: Michael Conroy In this July 17, 2020, photo, the federal prison complex in Terre Haute, Ind. The Justice Department is reviewing its policies on housing transgender inmates in the federal prison system after protections for transgender prisoners were rolled back in the Trump administration, The Associated Press has learned. (AP Photo/Michael Conroy)

By Sean Salai – The Washington Times – Monday, September 27, 2021

 

 米ウィスコンシン州の男性刑務所で、トランスジェンダーの刑務官から裸の検査を受けたイスラム教徒の受刑者が、信仰や信教の自由が侵害されたとして連邦裁判所に訴訟を起こしている。

 

 シカゴの第7高裁で9月22日、3人の判事による審理が行われた。判決はまだ出ていない。

 

 受刑者の権利やLGBT(性的少数者)の権利に詳しい複数の専門家がワシントン・タイムズ紙に語ったところでは、この裁判は憲法や刑務所に関する法律に影響を与える可能性があるという。

 

 グリーンベイ矯正施設のルフス・ウエスト受刑者(50)の訴えによると、アイザック・バール刑務官が2016年に同受刑者への裸の検査を担当したことは、州の規則やシャリア(イスラム法)に反するものだとしている。同受刑者の苦情に対し、職員はそれに慣れろと言ったという。

 

 刑務所はウエスト受刑者への裸の検査を「生物学的性別は女性であることが明らか」な刑務官に担当させたことで、配偶者ではない女性に自分の裸を見せれば、「残りの人生が地獄の火に焼かれる」という同氏の心からの信仰を意図的に無視した。同受刑者の弁護人を務めるニコラス・ゴーウェン氏は、判事にこう訴えた。

 

 ゴーウェン弁護士はまた、この出来事は2000年成立の連邦法「宗教的土地利用および被収容者法」と不当な捜索・抑留を禁じた合衆国憲法修正第4条に違反するものだと主張した。

 

 ゴーウェン氏によると、ウエスト受刑者はバール氏が裸の体を見た以外の行為については訴えていない。下級裁は受刑者の宗教的信念の正当性を適切に判断せず、異性による裸の検査を禁じた州の規則を無視したと、ゴーウェン氏は主張している。

 

 ウィスコンシン州のブライアン・パトリック・キーナン司法次官補は、バール氏とスコット・エクスティーン刑務所長を含む州当局者の代理人として、裸の検査は不当ではないと主張。シャリアは相手が男か女かにかかわらず、裸を見られたら地獄の火が待っていると、ウエスト受刑者が述べたことを挙げた。

 

 「裸の検査で誰かに裸を見られることになっていたため、裸を見られることに対して何が必要で必要でないか、基本的にすべてウエスト氏の主観に基づいているように見える」。37分間の口頭弁論の録音によると、キーナン氏は判事にこう訴えた。

 

 ダイアン・サイクス首席判事は、キーナン氏の話を遮り、このポイントに対する同氏の解釈は「連邦最高裁のホルト(対ホッブズ)判決と一致しない」と主張した。この裁判では、アーカンソー州の刑務所でひげをそられたことは信仰に実質的負担をもたらしたと訴えたイスラム教徒の受刑者が勝訴している。

 

 「バール刑務官は監視者として加わった。これは宗教的信念の侵害だ。従って、これについて論じるべきことは何もない」と、サイクス首席判事は語った。サイクス氏は、ジョージ・ブッシュ(子)元大統領が指名した判事だ。

 

 パメラ・ペッパー連邦地裁判事は昨年3月、ウエスト受刑者の宗教的信念はバール氏が男と自認し、職場で男として扱われる権利を上回るものではないとの理由で、訴えを退けていた。

 

 政府機関は、例えば、宗教的理由で特定の人々にサービス提供を拒む民間事業者とは異なるものの、ウエスト受刑者の訴えは「差別と宗教的権利がぶつかり合う裁判の幅広い分野」の一部であると、ジョージ・ワシントン大学のロバート・タトル教授(法学・宗教学)は指摘している。

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