サンダース氏とマンチン氏、3.5兆ドルの歳出法案めぐって対立
By Haris Alic – The Washington Times – Friday, October 15, 2021
バイデン大統領が提出した3.5兆ドルの社会福祉と気候変動に関する法案をめぐる民主党議員の間の対立が15日、ウェストバージニア州であからさまになった。
上院予算委員会のバーナード・サンダース委員長は、同州最大の新聞であるチャールストン・ガゼットメール紙に、法案を擁護するとともに、法案成立を阻む民主党議員を非難する論説を寄稿した。特にサンダース氏は、ウェストバージニア州の上院議員である民主党のジョー・マンチン氏がこの法案に反対していることを非難した。
バーモント州出身の自称社会主義者、サンダース氏は、「世論調査によれば、この法案は圧倒的な支持を得ている。しかし、私たちが直面している政治的な問題は、上院は50対50であり、すべての民主党上院議員が『賛成』に投票する必要があるということだ。しかし、今は48票しかない」と指摘した。
民主党は、3.5兆ドルの歳出法案を民主党だけで通過させるために、特別な手続きを使うことを計画している。予算調整措置と呼ばれるこの手続きでは、一部の歳出・税制措置について、60票のフィリバスター(議事妨害)を回避し、51票の単純過半数で可決することができる。
上院は両党が拮抗しているため、民主党は1票も落とすことができない。現在、上院ではマンチン氏ともう一人の穏健派、アリゾナ州のクリステン・シネマ氏だけが、民主党内で抵抗している。
サンダース氏は、「これは、米国の現代史において極めて重要な瞬間だ」と書いている。
この論説に、共和党支持の強いウェストバージニア州で唯一の民主党議員、マンチン氏は直ちに反論した。
マンチン氏は声明で、「ウェストバージニア州とは何の関係もない州外の人間がウェストバージニア州民に何がベストかを教えようとするのは、これが初めてではない」と述べた。
マンチン氏は、3.5兆ドルの歳出案は、インフレに苦しむ国にとって間違っていると主張、「すでに過熱した経済にさらに資金を投じる」いかなる取り組みにも反対すると述べた。
マンチン氏は、「正確を期すためもう一度言うと、議会はいかなる追加支出も慎重に進めるべきであり、私は政府プログラムの無謀な拡大には投票しない。自称無党派系社会主義者の論説がそれを変えることはない」と述べた。
マンチン氏とサンダース氏は数カ月前から、3.5兆ドルの歳出法案をめぐって論争してきた。
「人的インフラ」と呼ばれるこの巨大な法案には、コミュニティーカレッジの無料化、医療保険の拡大、気候変動を食い止めるための新しい規制など、長年にわたってリベラル派が求めてきた優先事項が数多く含まれている。
マンチン氏とシネマ氏は、この法案は野心的すぎるため、予算を削減して絞り込まなければならないと述べている。サンダース氏をはじめとする極左民主党員は、主要プログラムの削減には反対で、代わりに法案の期間を10年ではなく5年にすることで全体のコストを削減できるとしている。