黒人有権者は「警察予算打ち切り」要求を拒否

(2021年11月1日)

2020年8月10日(月)、シアトル市庁舎前の4番街を封鎖し、シアトル警察の削減の可能性を含む月曜日のシアトル市議会の予算委員会の投票を聞く抗議者たち。1年後、「警察の資金削減」の動きが強いリベラルな都市の多くの黒人有権者は、公共の安全への懸念を理由に、このアイデアに反発している。(Erika Schultz/The Seattle Times via AP)

By Kery Murakami – The Washington Times – Tuesday, October 26, 2021

 

 昨年、人種差別への抗議で暴動が起きた時、マーケス・ウォレンさんのシアトルの自宅には深夜の電話がかかってきた。この電話によって、ウォレンさんは「警察予算打ち切り」の考え方に反対するようになった。

 

 電話は、ウォレンさんがシアトル中心街で経営する酒屋に設置された警報機の会社からだった。何者かが不法侵入しようとしているとの通報だった。

 

 ジョージ・フロイドさん殺害に対する破壊的な抗議活動の中で、店内に押し入ろうとする者たちが厚板ガラスの窓を何度も強打するのをセンサーが探知したのだ。警察への通報を希望するかと尋ねてきた警備会社に対し、ウォレンさんは「そうしてくれ」と即答した。

 

 数分後、警備会社から再び電話がかかってきた。「彼らが伝えてきたのは基本的に、警察は対応しないと言っている、ということだった」。ウォレンさんはインタビューでこう振り返った。

 

 ウォレンさんによると、来週行われるシアトル市長選で警察支持を打ち出すブルース・ハレル候補に投票することを決めたのは、この出来事が理由だという。

 

 黒人の父と日本人の母を持つ元市議会議員のハレル氏は、市長選でリードしており、対立候補のロレーナ・ゴンザレス市議会議長が「警察予算打ち切り」を訴えていることを非難している。

 

 フロイドさんの死が口火となって人種的平等の一歩として「警察予算打ち切り」を求める主張が広がってから1年余りが経過したが、民主党支持者、特に黒人有権者はこの考えに否定的だ。米国で最もリベラルなシアトル、ミネアポリスの両都市でも、警察予算打ち切りを支持する候補者や投票案件を有権者が拒否していることが世論調査で示されている。

 

 ミネアポリスの警官がフロイドさんを殺害した後、人種差別への抗議デモや暴動、警察解体要求が沸き起こるが、その中心となったのが両都市だ。

 

 全米で犯罪が急増していることを受け、左派が主導する警察予算打ち切り運動からの大転換が起きている。

 

 世論調査によると、警官削減に主に反対しているのはウォレン氏のような黒人だ。

 

 ノースウエスト進歩研究所の先週の世論調査では、ハレル氏がゴンザレス氏を支持率48%対32%でリードしている。未決定は18%だった。

 

 この結果は9月に行われた世論調査に近い内容だ。9月の調査でもハレル氏がゴンザレス氏を42%対27%でリードし、有権者の4分の1が未決定だった。この地域の主要調査会社であるエルウェイ・リサーチが非営利ニュースサイト「クロスカット」の委託で実施したものだ。

 

 この調査では、人種的少数派の間でもハレル氏がゴンザレス氏を29%対22%でリードした。3分の1近くが未決定だった。

 

 この調査によると、リベラルなシアトルの過半数に当たる54%が市に警官の増員を求めた。一方、38%が警察予算をメンタルヘルスサービスへの投資など「犯罪の根本的原因」への対応にシフトすることを支持した。

 

 有色人種では、57%が警官増員を支持し、警察予算のシフトを支持したのは35%だった。

 

 ミネアポリスでは、スター・トリビューン紙など複数のメディアが行った最近の世論調査で、警察組織を再編する条例案を支持する有権者が49%対41%で上回った。

 

 だが、条例案を支持するのは主に白人で、賛成51%、反対40%だった。黒人有権者の賛成は42%で、47%がこの案に反対した。

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