女性受刑者の安全より優先されるトランスジェンダーのプライバシー

(2022年3月21日)

2022年1月11日(火)、ワシントン州オリンピアの州議会議事堂で、毎年恒例の州知事演説を行うジェイ・インスリー氏(ワシントン州)。COVID-19に対する注意のため、インスリー氏は州のレセプションルームで演説を行い、遠隔で会議をしている議員にはストリーミングビデオで上映された。(AP Photo/Ted S. Warren)

By Valerie Richardson – The Washington Times – Monday, March 14, 2022

 男性として生まれた受刑者が女性刑務所への移送を相次いで希望しているという衝撃的な報道を受け、ワシントン州の議員たちが立ち上がった。トランスジェンダーの受刑者に関する情報へのアクセスを封じ込めようとするためにだ。

 ワシントン州議会は先週、性別に関する記録の開示を禁止することで受刑者のプライバシーを保護する法案を可決した。女性受刑者の安全を憂慮する共和党や女性団体の反対を押し切り、法案はジェイ・インスリー知事(民主党)に送られた。

 「ワシントン州の政治指導者たちは、女性の安全よりも男性の欲望を優先し続けるようだ」。「女性解放戦線」のマーリ・アーバイン事務局長は語った。「ワシントン州のすべての人に女性刑務所内で何が起きているのかを知る権利がある。だが、この修正法案は女性の安全に関連する極めて重要な情報を抑え込むものだ」

 民主党はこの法案(下院法案1965)について、ジェンダー・ノンコンフォーミング(既存の性別に適合しない)の受刑者が攻撃や嫌がらせを受ける可能性のある情報の公開を防ぎ、受刑者を保護するために不可欠であると主張した。

 法案提出者のデービッド・ハックニー州議会議員(民主党)は2月18日の委員会公聴会で、「この法案は特定の記録情報を公文書法の開示対象外とすることで、州矯正局(DOC)に収監されている人々の安全と尊厳を保護するものだ」と述べた。インスリー知事は法案に署名するかどうか明言していないが、マイク・フォーク報道官は「知事は支持している」と語った。

 このワシントン州の法案は、性別適合手術やホルモン療法といった要件を設けずに受刑者を自認する性別に基づいて収監するというブルー・ステート(民主党が強い州)で進む動きと重なるもので、ある弱者グループの安全は他の弱者グループの犠牲で成り立つのかという議論に拍車を掛けている。

 少なくともカリフォルニア、コネティカット、メーンの3州は立法措置で、ワシントンなど他の州は行政的にこのような政策を実施しているとみられる。

 この問題は2021年3月、地元ラジオ局KIRO-FMの司会者ドリ・モンソン氏による爆弾のような報道で勃発した。匿名の矯正局職員の話として、6人の男性受刑者がワシントン州女性矯正センターに移送され、さらに150人が移送される予定であると報じたのだ。

 さらに、性犯罪歴のある男性受刑者の一人が女性受刑者をレイプしたと告発されたという。

 DOCはコメントを避けた。「われわれは疑惑や調査、事件に関する具体的な情報を共有することはできない」と、DOCはKIRO-FMに語った。

 KIRO-FM、地元紙タコマ・ニュース・トリビューン、女性解放戦線が代理する住民は、受刑者に関する詳細な情報を求めて公文書請求を行った。

 しかし、昨年5月、「米国市民自由連合」(ACLU)と「ワシントン州障害者の権利」が5人の受刑者の代理で訴訟を起こし、裁判官はさらなる情報の開示をストップした。

 その後、匿名の女性元受刑者がナショナル・レビュー誌に男性として生まれた受刑者が女性を襲っていると語ったことを受け、DOCはトランスジェンダーの受刑者は配置手続きの一環で徹底的な審査を受けていると主張した。

 DOCは昨年12月の声明で、「DOCは、個人がどちらかの性別を表明したという理由だけで、女性または男性の施設に配置することはない」と明言。「個人がトランスジェンダーまたはノンコンフォーミングと自認している場合、メンタルヘルス、医療サービスおよび施設による長期の評価を経なければならない」

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