米フロリダ州知事、LGBT教育規制法案に反対のディズニー社を非難
By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, March 30, 2022
ウォルト・ディズニー社は、フロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)が新たに署名した親の権利に関する法案に対抗することを誓うことで、左派勢力をなだめたかもしれない。だが、デサンティス氏はパンチの返し方を知っていることが分かった。
ディズニー社は3月30日、デサンティス氏が同社に猛攻撃してきたことで、広報上の大失態を犯したことに気付いた。デサンティス氏は注目を利用して同社と中国の関係を非難するとともに、この対立をフロリダとカリフォルニアの価値観の戦いだと仕立てたのだ。
「カリフォルニアに本社を置く企業が、カリフォルニアの価値観を持ち込み、フロリダ州民の大多数によって支持され、正式に制定された法律を覆そうとしている。この州を運営しているのは彼らではない」。デサンティス氏は同29日、FOXニュースの「タッカー・カールソン・トゥナイト」に出演し、こう語った。
同氏は「私が知事である限り、彼らがこの州を運営することは決してない」とも述べた。
タイムリーなアシストを提供したのは、マンハッタン研究所上級研究員のクリストファー・ルフォ氏だ。同氏が公開したビデオクリップでは、ディズニー社の幹部たちがオンライン会議で、「性別に関するあいさつ」を取りやめ、娯楽番組でLGBTQ(性的少数者)のストーリーを推進する決定を下したことを称賛している。
ビデオには、ディズニー社の多様性・包括性マネジャーであるビビアン・ウェア氏らの発言が映っている。同社は昨年、マジック・キングダムの花火ショー前の「レディース・アンド・ジェントルマン、ボーイズ・アンド・ガールズ」というナレーションを廃止し、「全世代の夢見る人たち」 という言葉に変更したという。
「私たちの解釈で女性の姿をしているから、と決め付けたくはない。プリンセスと呼ばれるのは嫌かもしれない」とウェア氏。「だから、どのようにしたらすべての人にとって魔法のような思い出となる、有意義で包括的な方法でお客様と接することができるか、これまでとは違う考え方をしましょう」
保守派からはすぐさま、ディズニー社が「ボーイズ・アンド・ガールズ」といった言葉を押しつぶす一方で、フロリダ州の法案を「ゲイと言うな」法案と呼んでいることは皮肉だという指摘が上がった。
「ディズニー社の幹部がデサンティス氏を『ゲイと言うな』法案で誤った非難をしながら、テーマパークの従業員には『レディース』『ジェントルマン』『ボーイズ』『ガールズ』といった言葉を使わせないようにしているのは驚きだ」と、ルフォ氏はツイートした。
ディズニー社は同30日、デサンティス氏の批判やこのビデオクリップについて何もコメントしなかったが、同社が下院法案1557に反対したことは保守派の反発を招いている。
「ディズニーはわれわれの子供の頃のディズニーではないというのが、米国人の認識だと思う」。ウィスコンシン州選出のショーン・ダフィー元下院議員(共和党)は、FOXニュースの「フォークナー・フォーカス」に出演し、こう語った。「ディズニーは極めて進歩的、ウォーク(差別などに敏感であること)になってしまった。ディズニーが自分たちの政治アジェンダのために、幼い子供たちを性的に目覚めさせようとしている事実は、信じられないほど憂慮すべきことだ」
デサンティス氏は11月の再選に向けた世論調査でリードしている。現在1期目の同氏は、2024年の共和党大統領候補指名争いの最有力候補とも目されている。
この法案は、幼稚園から3年生までの性的指向・性自認に関する授業や「生徒の年齢に合わない指導」を禁止するものだと、知事室は述べている。