民主党、米軍の作戦で被害を受けた民間人の説明責任求める
By Joseph Clark – The Washington Times – Friday, April 29, 2022
米議会民主党は、海外での米軍の活動によって死傷した民間人への説明責任を強化するよう求めている。
両院の民主党議員は29日、国防総省の報告・開示要件を見直し、民間人被害に関する調査を、攻撃を行った部隊の外部に移す2法案を提出した。
上院軍事委員会のエリザベス・ウォーレン委員(民主、マサチューセッツ州)は、「私たちは、罪のない一般市民の死を戦争の避けられない代償として受け入れ続けることはできない。国防総省は軍事作戦による民間人の被害を防ぎ、民間人が被害を受けた場合は調査する道義的責任がある」と述べた。
ウォーレン氏は、ジェフ・マークレー上院議員(民主、オレゴン州)、バーニー・サンダース氏(無所属、バーモント州)とともに、「軍事作戦における民間人に関する法案」と「国防総省民間人被害透明化法案」の上院での推進を主導している。
この2法案は、民主党のロ・カンナ(カリフォルニア州)とサラ・ジェイコブス(カリフォルニア州)、ジェイソン・クロー(コロラド州)、トム・マリノウスキー(ニュージャージー州)によって下院でも提出された。
ウォーレン氏は「私と同僚議員らが両院で提出する法案は、ロイド・オースティン国防長官がすでに国防総省に検討を要請した改革を基に、重要な保護と透明性の要件を設け、民間人の被害を調査、報告、防止することに政府が集中的に取り組めるようにする」と述べている。
この2法案は、民間人に被害を与える事件に対応するため、世界各地の米軍戦闘軍と国務省との間の連携を強化し、民間人の犠牲に関する調査の完全性を確保するための措置を講じるものだ。
この法案はまた、軍事作戦の結果生じた民間人の犠牲者に関する報告要件の修正も求めている。それには、米国が2001年に世界的なテロ組織との戦いを開始して以来、死亡した民間人の詳細を記した極秘報告書を米国防総省が作成する際の要件の修正も含まれる。
ウォーレン氏とカンナ氏は2020年に同様の法案を提出している。
それ以来、2021年8月29日にアフガニスタンのカブールで起きた米軍の無人機による攻撃で、米軍が同国から撤退する混乱の中で民間人10人が死亡するなど、民間人が死亡し注目を浴びた攻撃をきっかけに、国防総省の説明責任を求める動きが強まった。
独立監視団体エアウォーズの2021年の報告書によると、米軍の空爆により、最大4万8000人の民間人が死亡した。
同団体によると、バイデン政権下では前政権に比べ空爆が54%減少した。活発な紛争地域全体で米国が確認した空爆の総数は、2020年の951回から2021年には439回に減少している。