規制の障害に阻まれる自動運転車

(2022年5月8日)

2021年4月7日水曜日、アリゾナ州チャンドラーでWaymoのミニバンが、自動運転車の走行中、空いた運転席と動くハンドルとして市街地を走行している。Googleの親会社Alphabet Inc.の子会社であるWaymoは、米国で自動運転車の試験を行っている数社のうちの1社だ。しかし、厄介な状況で仕事を引き継ぐことのできる人間が運転席にいない、初の一般向け配車サービスだ。(AP Photo/Ross D.Franklin)

By Sean Salai – The Washington Times – Wednesday, May 4, 2022

 ユーチューブや「TikTok(ティックトック)」で、ジャガーのフル電動SUV(スポーツ用多目的車)「I―PACE」見たという人も多いだろう。人が後席に乗ると、走行を開始し、なんと、運転席に人がいない。

 現在の自動運転の技術は驚くべきだが、規制に阻まれ、誰もが自動運転を経験できるようにはなっていない。自動運転車の試験走行に関しては、州ごとにばらばらの規則があるだけだ。

 ロヨラ大学ニューオーリンズ校の経済学教授、ウォルター・ブロック氏は、「自動運転車を開発する技術はすでにあるかもしれないが、(連邦)政府の準備がまだ整っておらず、今後も整うことはなさそうだ」と述べた。

 グーグルの親会社アルファベット傘下のウェイモは8月から、サンフランシスコでごく一部の住民「トラステッドテスター(信頼を得た試験者)」を対象に運転手のいない配車サービスを提供している。サンフランシスコとアリゾナ州フェニックスで、運転手が登場するものも含め、従業員向けに実施しているサービスを拡大したものだ。

 アリゾナ州では、新興企業トゥーシンプルが、自動運転トレーラーを使って、ツーソンの鉄道とフェニックス配送センターの間の約130キロの試験走行を成功させた。

 サンフランシスコでは他にも、ウェイモとGMクルーズが、自動運転タクシーサービスを実施している。料金を集め、運転席に運転手がいることが条件だ。

 しかし、運輸省道路交通安全局(NHTSA)のサイトの「よくある質問」コーナーには、「完全自動化された車、または『自動運転』の車は現在、販売されていない。米国内で販売されている自動車はすべて、安全運転のため常に運転手が注意を払うことが義務付けられている」と記されている。

 専門家らは、自動運転車の普及は、安全への懸念もあり、遅れていると指摘している。

 自動運転中のウーバーの車が2018年にアリゾナ州テンペで、通りを渡っていた49歳の女性を死なせる事故が起きた。テレビ番組を見ていたこの車の運転手は、過失致死容疑で起訴された。

 運輸安全委員会(NTSB)によると、ウーバーの自動運転車は、この事故の前の1カ月間に37回、事故を起こしており、自動運転車の事故は、技術の進歩にもかかわらず続いている。

 バージニア州の道路安全保険研究所(IIHS)の渉外部長、ジョー・ヤング氏は、経済的責任を伴うものであり、規制当局が慎重なのは賢明なことだと述べた。

 ヤング氏は電子メールで、「将来の自動運転車は、人が犯すようなミスをしないと考えられ、道路交通の安全への答えだと考えられてきた。しかし、IIHSの研究者らは、この考え方に疑問を呈している」と指摘した。

 非営利団体のIIHSは最近、安全勧告と事故防止プログラムを公表し、「必要なときには運転手が積極的な関与を続けられる」(ヤング氏)自動運転車を推奨した。

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