ホワイトハウス、インフレと粉ミルク不足の責任を回避
By Haris Alic – The Washington Times – Sunday, June 5, 2022
ホワイトハウスは、国内の労働者が40年来の高インフレ、ガソリン価格の高騰、粉ミルク不足に直面しているにもかかわらず、国民経済についてバラ色の絵を描き続けている。
ジーナ・レモンド商務長官はCNNの「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で、インフレなどの問題は深刻だが、経済全体の状態は新型コロナウイルスの大流行が始まって以来のどの時点よりも強いと語った。
「米国は仕事に戻っている。賃金は上昇し、労働市場は堅調で、人々は家から追い出されてはいない。2009年の前回の景気後退後に経験したような、緩慢で非常に厳しい景気回復となることはない」と述べた。
ホワイトハウス当局者は、バイデン氏のリーダーシップと2021年3月の1.9兆ドルのコロナ救済策の推進がなければ、この国はもっとひどい状態になっていたと主張している。
ピート・ブティジェッジ運輸長官は5日、ABCの「ディス・ウィーク」に出演した際、「この政権が発足したとき、恐慌とまではいかないまでも、不況の危険性が非常に高い状況だった。これほど低い失業率は、大統領の行動がなかったら実現しなかったと思う」と述べた。
バイデン政権高官らからの前向きな発言は、経済学者や米国の大手金融機関が言っていることとは正反対だ。
JPモルガン・チェースのCEO、ジェイミー・ダイモン氏は先週、経済の「ハリケーン」がこの国に向かっているようであり、気を引き締めるよう呼びかけた。ダイモン氏は、8.3%という過去40年間で最も高いインフレ率と、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに言及、経済学者らはこのままでは不況に陥るだろうと懸念している。
「ハリケーンはすぐそこまで来ている。それが小さなものなのか、それともスーパーストーム・サンディのようなものなのかは分からないが、覚悟しておいた方がいい」
先週発表された連邦政府の雇用統計では、雇用と賃金の伸びが鈍化していることが明らかになり、景気悪化を伝える大量のニュースに拍車をかけている。
それでもホワイトハウスは、経済は健全であり、今後数カ月で急速に回復するはずだと主張している。
「人々の一般的な財政状況は比較的堅調である。それが、この移行期を乗り越えられるという大きな自信につながるはずだ」
バイデン氏の上級顧問であるジーン・スパーリング氏は「FOXニュース・サンデー」のインタビューで、「これらは、より安定した、バランスの取れた成長につながるものだ」と述べた。
ホワイトハウスにとって、インフレ以外にも、ガソリン価格の上昇と乳児用粉ミルク不足も重荷になっている。
政権関係者は、これらの問題はいずれもバイデン氏のせいにはできないと言う。特に、ガソリン価格の上昇は、ロシアのプーチン大統領が今年初めにウクライナへの侵攻を決定した結果だと主張している。
レモンド夫人は、「プーチンのウクライナでの戦争や、その他さまざまな予想外の出来事は誰も予測できなかったと思う。プーチンがウクライナに軍隊を移動させてから、ガソリン価格が1ガロンあたり1.40ドル上がったことに注目すべきだと思う」と述べた。
ホワイトハウスの側近らも同様に、粉ミルク不足に対する責任を否定している。バクテリアに汚染された恐れがあるとして、今年初めに重要な生産拠点を閉鎖したのは、食品医薬品局(FDA)だったはずだ。
スパーリング氏は、「寡占状態にあり、一つの企業の一つのプランが非常に大きな影響を及ぼすため、対応が困難になっている。しかし、このような事態になったとき、できるだけ早く復旧させると同時に、各家庭の安全を守らなければならず、大統領はそれをやってのけた」と述べた。
共和党は、バイデン氏は責任を回避しようとするのではなく、明確な責任を取るべきだと言う。彼らは、ガソリン価格はロシアがウクライナに侵攻するかなり前から上昇しており、粉ミルクの不足は今年の2月にはすでに家庭で明らかになっていたと指摘している。
元国連大使のニッキー・ヘイリー氏は「バイデン大統領は、アメリカ人が感じている痛みに対して責任を取る必要がある」と述べた。