人手不足のホテル、夏の旅行シーズンへロボット導入

(2022年7月10日)

2021年4月6日(火)、マサチューセッツ州ヤーマスのレッドジャケットリゾートで、ベッドを作る作業員ミリアム・マトス(左)とマリレーン・ソウト(右は手のみ)(AP Photo/Steven Senne)。

By Sean Salai – The Washington Times – Wednesday, July 6, 2022

 アニメ「宇宙家族ジェットソン」のロージーや「スター・ウォーズ」のC-3POのようなロボットはずっと前から、架空のオーナーを助け、身の回りの雑用をこなしてきた。今、実際のロボットがホテルで活躍し、夏の旅行ブームの中でスタッフ不足を補っている。

 ボストンのマンダリン・オリエンタル・ホテルの宿泊客はアプリを使って、ロボットの「モビ」に、子供を喜ばせるためにロブスターのぬいぐるみを買って、部屋に届けさせることができる。モビは自走するロボットで、大きさは家庭のごみ箱より少し大きい。部屋の前まで来ると、宿泊客の携帯電話に音で知らせる。

 ホテルのマーケティングコミュニケーション担当ディレクター、ダニエル・マクナリー氏は、「楽しんでもらっています。(バスケットボールの)セルティックスのプレーオフの時はチームのユニホームを着せ、卒業式シーズンには角帽を被らせています」と述べた。

 ホテル側はスタッフ不足とポストコロナの旅行客の増加に対処するために、経験のない従業員を雇用したり、宿泊料金を引き上げたり、予約をキャンセルしたりといったさまざまな対策を講じており、ロボットの活用は、その対策の一つだ。

 ニューヨーク・ポスト紙が3日報じたところによると、米国内のホテルでは、新型コロナウイルスの感染拡大中、従業員不足に対処するためにすでに、リレー・ロボティクス(本社・カリフォルニア州)のロボット200体ほどが「雇用」されている。

 このロボットは、ホテルのユニホームに似せてちょうネクタイと衣装を身に着け、サイズはスター・ウォーズのR2-D2ほど、本体の画面上には、ジェフリーなどの名前やロボットジョークが表示される。

 もっとデジタルセルフサービスを取り入れているホテルもある。

 経済学者のウォーレン・コーツ氏は、オレゴン州のヒルトン・ポートランド・ダウンタウンに宿泊した際の経験について、「ヒルトン・アプリでチェックアウトし、チェックインも部屋の鍵の受け取りも携帯アプリだった。チェックインカウンターは見なかった。もっと生産的なことをしているのだと思う」と述べている。

 一方、ロイター通信が4日、報じたところによると、欧州最大のホテルチェーンで、米国など110カ国以上でメルキュール、イビス、フェアモントなどのホテルを運用するアコーは、3万5000人の欠員を埋めるために、履歴書、経験がない若者や移民の雇用を開始した。

 このような努力にもかかわらず、予約をキャンセルしたり、料金を引き上げたりしている。

 ニューヨークのホテルズ・バイ・デイのCEO、ヤニス・モーティ氏は、この夏、予約の3%をキャンセルしたと話した。2019年は1%だったという。

 モーティ氏は「触れたくないことだし、認めたい人はしない」と指摘、キャンセルで「何十万ドルもの」損失が出て、顧客の信頼も失うと述べた。

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