不人気なバイデン大統領を、「日程」理由で避けたがる民主党候補たち
By Dave Boyer – The Washington Times – Monday, August 1, 2022
バイデン大統領から距離を置こうとする民主党議員の数が膨れ上がっている。
インフレ率が41年ぶりの高水準で、経済が不況に揺れ動く中、バイデン大統領は7月中旬にオハイオ州を訪れたときのような事態に多く遭遇しそうだ。オハイオでは民主党の上院議員候補ティム・ライアン下院議員が、大統領に同行しなかったのだ。
同議員は日程がぶつかっていたと説明し、「普通のオハイオ住民のみなさん」と一緒の時間を持ちたかった、と語っている。
ヘイリー・スティーブンスは合衆国下院の議席をめぐるミシガン州民主党予備選挙で、アンディ・レヴィンを破った。ジョージア州ではラファエル・G・ワーノック上院議員が、満期の議席をめぐって共和党のハーシェル・ウォーカーと争っている。ウォーカー陣営から「バイデン・ワーノックの選挙公約」と批判されているので、ワーノック議員は大統領に距離を置いている。
「これはまだ全国レースだ」、ウォーカー氏の上級顧問を務めるゲイル・ギッチョ氏は語る、「ラファエル・ワーノック議員が不利だが、彼がこの地域ではジョー・バイデンと極めて親密に見えるからだ。ハーシェル(ウォーカー)はワーノック議員を守勢に立たせたのだ。」
ワーノック議員はうんざりして、「我々をデマで分断させようとしている」とつぶやいた。「私は自分の仕事に集中している」。そしてバイデン大統領の仕事ぶりについてコメントを求められた時、こう答えた、「その質問が特定の人と一緒に仕事をすることに関することならば、問題は、それによってジョージア州に何が期待できるかだ。」
オレゴン州では、民主党下院候補のアンドレア・サリナス氏が最近、支持者たちにつぶやき、バイデン大統領の業務好感度が急落しているため、民主党が有権者の54%、と評価される地区での選挙戦は厳しくなっていると指摘した。サリナス女史によると、下院民主党の選挙担当者は、「目下の大統領の支持率低下により、我々は約3%のハンディキャップを想定すべきだ」と同女史にアドバイスしたという。
「この地域の民主党支持率は実際のところ51%に近い」、サリナス女史はフォックスニュース・デジタルが入手したビデオの中で語っている。
ワシントン州の民主党キム・シュリアー下院議員は、今夏の選挙広告で、ガス税休日制度のおかげで「バイデン政権に乗っている」と吹聴していた。同女史は火曜日、シアトル郊外地区の全党予備選挙で、共和党のライバルに対峙していた。
ペンシルベニア州のジョン・フェッターマン副知事が上院議席を狙っているが、その選対関係者は、11月の選挙前にバイデン大統領と同じ舞台に立つ予定があるかどうかを尋ねられて答えを控えた。
共和党議員たちはバイデン大統領について、支持率が40%を下回っており、秋の選挙前に求められることは少ないだろうと語る。有権者の経済不安を考えれば、バイデン不在が民主党候補者の不利を転換することはないと指摘する。
「バイデンのおかげで、回復基調だったものを不況に変えてしまったので、民主党はバイデンと一蓮托生で腰を縛られてしまっている」、共和党全国委員会のエマ・ヴォーン広報担当は強調する。「米国市民たちは(コロナ感染救済措置として出された)バイデンの1.9兆ドルの無用の長物を民主党が安請け合いしたので、選挙戦にバイデンが顔を出さなくても情況は変わらないと分っているはずだ。」
中間選挙では、大統領の出身政党が往々にして打撃を受けるものだが、今の景気後退はバイデン大統領の立場をさらに悪くしている。
共和党が期待するのは今年の選挙が、1994年に「ヒラリー・ケア」医療計画が頓挫して、クリントン大統領が中間選挙の激戦区で敬遠されたり、2010年に「オバマ・ケア」が選挙区でのタウンホール集会で嵐を呼び、「ティーパーティー」運動の台頭につながった時を再現することだろう。
ホワイトハウスのカリーヌ・ジャン=ピエール報道官は、バイデン大統領がコロナからの回復後に有権者と再会することを「わくわくして待っている」と語ったが、彼女は大統領の各州の訪問日程を提供しなかった。
火曜日予定のミシガン州訪問も、大統領が二度目のコロナ陽性反応を示したためキャンセルされた。
民主党側は、大統領が同党の候補者たちに力強い選挙綱領を提供した、と主張している。
「バイデン大統領のおかげで、下院民主党は地域社会に新たな道路や橋の資金を提供し、国家安全保障を高めるために半導体製造拠点を国内に戻し、米国市民の自由と正義を擁護している」、民主党選挙運動委員会のクリス・テイラー広報担当は主張した。「アメリカを再び偉大な国にしよう、という共和党だが、メディケアを5年ほどで終わらせて米国民の病気を増やし、勤労者の税金を引き上げて貧困を増し、全国的な中絶禁止で女性が自分のリプロダクティブ・ヘルスに関する決定権を奪った。」
ジャン=ピエール女史は民主党側の後押しとして、上院での総額4,330億ドルの気候・エネルギー包括法案を指摘した。この法案は今週承認される見込みだ。ホワイトハウスは同法案が、家計の光熱費、処方薬の価格、その他のコストを引き下げる、と指摘している。
「私たちにはインフレと闘う計画がある」、同女史は強調した。「我々は中流階級の家族を助ける準備ができているが、共和党はそれに反対している。これこそが本当にインフレを下げていくチャンスなのだ。」
しかし民主党の中間選挙での目論見に影を落としているのは、バイデン大統領が2024年に再び立候補を予定していることだ。世論調査によると、民主党の半数以上が大統領の再選を望んでいない。
合衆国議会の民主党は、バイデン氏の再選を支持するか否かの判断を回避している。アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(ニューヨーク州)は、「そこに至れば、橋を渡るまでだ」と語った。
上院議員のジョー・マンチン3世(ウェストバージニア州、民主党)は、先週、大統領の内政課題を再生させて助けたが、2024年の大統領再選を支持するか否かは約束していない。
「ジョー・バイデンが再び民主党候補者になれば、共和党の候補者が誰になるかを見守るのみだ」、マンチン議員はポッドキャストでCNNの元ホスト・クリス・クオモに語っている。
ニューハンプシャー州での先週の世論調査では、同州の民主党員の間で2024年の望ましい大統領候補として、ピート・ブッティギーグ運輸長官をバイデン氏がかろうじて追う形だ。ニューハンプシャー大学の調査で、ブッティギーグ氏は17%の支持を受け、バイデン氏は16%の支持を得た。同調査では、早期に予備選を実施するこの州で、民主党員の74%がバイデン氏の再選を望んでいない。
ジャン=ピエール女史はこの調査結果に肩をすくめた、「大統領は2024年に立候補するつもりだ」、彼女は続ける、「それはまだ遠い先の話だ。我々にできる最善の方法で途を拓くだろう。」
共和党は激戦区と重要な上院議員選挙で、バイデン政権下のインフレと景気後退について断固叩き続けるつもりだ。
保守派の「成長のためのクラブ」は先週、上院議員選挙で競っているアリゾナ、ネバダ、ノースカロライナの三州で、「バイデン不況」をアピールするテレビ広告をスタートした。
「バイデン政権は就任以来、アメリカの家族の苦境を軽視し、その責任を転嫁し、あからさまに嘘をついて、我が国経済が直面している極めてリアルな懸念を笑い飛ばしてきた」、「成長のためのクラブ」のデビッド・マッキントッシュ会長は指摘する。「見間違ってはいけない!政権が何と言おうと、アメリカは目下、バイデン不況に陥っているのだから。」