中国 米の予算と技術を窃取、政府の小企業支援策を悪用

(2022年10月3日)

2022年9月16日(金)、ウズベキスタン・サマルカンドで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議に出席する中国の習近平国家主席(ウズベキスタン外務省発表の資料写真)。(ウズベキスタン大統領報道部 via AP)

By Stephen Dinan – The Washington Times – Wednesday, September 28, 2022

 米政府の支援を受けて民間企業が行った研究から中国が利益を得ていることが、米国防総省の調査から明らかになり、議会で対応を求める声が上がっている。

 調査報告は非公表だが、共和党のアーンスト上院議員によると、中国は、連邦政府から研究予算を得ている米企業に働き掛けて、中国軍と協力関係にある機関と提携させた上で解散させ、その技術を中国内の関連企業に移転させているという。

 アーンスト氏は9月28日、「国防総省など米政府機関の研究投資の最終的な利益を米国でなく、中国が得ている」と指摘。従来の知的財産の窃取とは違う手法で、予算と技術が「二重」に奪われていると対応を求めた。

 調査では、4件の助成金を受けて無人機と宇宙船の研究を行っていた研究チームが、中国政府からの働き掛けを受けて、現在は「共産党政権と連携する機関」の研究を行っている事例などが挙げられている。

 調査対象となったのは、小企業技術革新研究・小企業技術移転プログラム。このプログラムによって一部政府機関は、中小企業による失敗のリスクの高い研究を支援するために研究開発予算を振り向けることが義務付けられている。

 米シンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)によると、プログラムの規模は32億ドルで、国防総省はそのうち17億ドルを負担している。

 CSISは、「ほとんどすべての事例」で米国よりも中国が利益を得ていると指摘、「米政治家にとって明らかに懸念すべき事例」としている。

 国防総省はワシントン・タイムズの取材に対して、「プログラムは小企業が『デスバレー(死の谷』)を越えるのを支援」するためのものと主張した。デスバレーとは、予算不足などの障害によって技術を製品化、事業化できない状況を指し、国防総省は「予算が獲得できないことは、敵国からの脅威につながる。国防総省が支援しなければ、他国がする」とプログラムの必要性を強調した。

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