米のイラン攻撃は中国への警告、台湾攻撃への抑止力にも

(2025年6月27日)

2015年9月3日、北京の天安門前で行われた第二次世界大戦中の日本の降伏70周年を記念するパレードに参加する99A2型中国戦車とスクリーンに映し出される習近平国家主席。(AP Photo/Ng Han Guan, File)

By Bill Gertz – The Washington Times – Tuesday, June 24, 2025

 米国がイランの核施設に対して行った前例のない長距離爆撃は、グアムへの偽装用のB2ステルス爆撃機派遣を含め、中国の台湾攻撃に対する抑止力を強化する副次的な効果をもたらしたとの分析が、中国問題専門家から出ている。

 20日に開始されたこの作戦には、イランに「戦術的奇襲」を仕掛けるために、太平洋方面におとりとなる軍用機を飛ばす措置が含まれていた。この任務は別の戦略的効果も生み出した。中国が台湾を攻撃した場合、同様の爆撃を受けるという警告となったからだ。

 米国務省の元中国政策顧問マイルズ・ユー氏は、おとりの爆撃機がイランを欺き、「見事な抑止作戦」として機能したと述べた。

 「この作戦は、米軍がテヘランや台湾海峡など、地球の反対側にある遠方の紛争で、あらゆる敵を凌駕する、卓越した戦略立案能力、調整能力、戦闘能力を備えていることを示した点で、中国共産党に厳しい警告を発する形となった」

 二つの核施設が、大型地下貫通型爆弾GBU57「バンカーバスター」14発によって損傷を受けた。同じ頃、巡航ミサイル潜水艦(SSGN)から24発の巡航ミサイル「トマホーク」が、三つ目の核施設に向けて発射された。

 中国は、北京西部の地下に中央軍事委員会指揮センターなど、攻撃に耐えられる広範な地下施設を保有していることが知られている。イラン攻撃にGBU57を使用したことで、中国の地下施設も米国の攻撃を受ければ、安全ではないことを示した。

 退役海軍大佐で、太平洋艦隊の元情報部長ジム・ファネル氏もおとり作戦を高く評価、「公開情報を収集、分析する機関を欺き、作戦上の安全を確保しただけでなく、(中国が)西太平洋に『支配権』を持っていないこと、米国が依然として世界一の軍事大国であることを示す非常に重要なシグナルとなった」と強調した。

 ファネル氏は、この攻撃が中国に対して明確な抑止効果をもたらすとの見方を示した。

 潜水艦から水中発射されたトマホーク巡航ミサイルを使用したことも、中国に対する重要な戦略的メッセージとなった。

 防衛アナリストらは、作戦でトマホークを発射したSSGNは中国が最も恐れる米軍の兵器の一つであり、射程1600キロを超えるトマホークを最大154発搭載可能だ。

 マイク・ポンペオ前国務長官は、イランの核施設に対する空爆とイスラエルの攻撃によって、中国と協力して中東で米国の勢力と影響力を消耗させるための「イランの役割は著しく低下した」と述べた。

 ポンペオ氏は、中国が国連でイラン攻撃を非難しても、中東の同盟国を支援できなかった事実を隠すことはできず、これは「中国の力の限界を明確に示している」と指摘した。

 一方、オーストラリア海軍の元将校ジェニファー・パーカー氏はオーストラリアン紙で、イランへの空爆は中国に対し、米国の強い意志を示す重要な戦略的メッセージであり、中国を牽制(けんせい)する効果があると指摘、「米国のイラン攻撃は、インド太平洋地域での抑止力の再確立へ一定の効果をもたらす」と述べた。

 また同氏は、北大西洋条約機構(NATO)、ウクライナ、関税を巡る懸念はあるが、米国は孤立主義に後退してはいないと指摘し、オーストラリアが地域の抑止力として貢献したいなら、燃料の備蓄を強化し、国防費と軍事力を急速に拡大する必要があると強調した。

 パーカー氏は、中国は、他の地域での侵略行為に対して国際社会がどのように反応するかを見ながら、台湾の併合や他の地域での領有主張の拡大の可能性を探っていると主張した。

 中国は近年、南シナ海でフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で活動するフィリピン船舶に衝突させたり、放水したりするなど、威圧的、攻撃的な行動を強めている。

第93ホロドニー・ヤール独立機械化旅団の報道部が提供したこの写真では、兵士たちが2026年8月4日火曜日、ウクライナのドネツク州クラマトルスク前線都市付近のロシア軍陣地に向けて、多連装ロケットシステムBM-21「グラード」を発射する準備をしている。(イリーナ・リバコワ/ウクライナ第93機械化旅団提供、AP通信経由)

対ウクライナ・米国戦争でロシア・イランが連携 兵器、情報を供与

(2026年08月08日)
韓国海軍の3000トン級潜水艦「新チェホ」が、2025年9月26日(金)、釜山近郊の韓国南東海岸沖で行われた観艦式に参加している様子。(AP通信/アン・ヨンジュン撮影)

韓国海軍、掃海・艦砲射撃能力に注力 ウクライナとイラン教訓

(2026年08月05日)
米インド太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督が、2024年8月27日火曜日、フィリピンのマニラで米インド太平洋軍主催の国際軍事会議で演説を行った。(AP通信/アーロン・ファビラ撮影)

米陸軍、西太平洋テニアン島に新型極超音速ミサイルを配備

(2026年07月29日)
写真提供:ブランドン・リッカート軍曹 第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・ヴァハジ大尉(左)、米太平洋軍司令官サミュエル・J・パパロ提督(中央)、第7歩兵師団(太平洋多領域軍)所属のアレクサンダー・マリン中佐(右)が、2026年6月、ヴァリアント・シールド演習中にダークイーグル長距離極超音速兵器で訓練する兵士たちを視察した。ヴァリアント・シールドのような演習は、太平洋軍統合軍が全軍種および同盟国の部隊を統合し、統合軍の強さと多用途性、そして自由で開かれたインド太平洋への我々のコミットメントを示す、精密かつ致命的で圧倒的な多軸・多領域効果を実施する機会を提供する。(米陸軍撮影:ブランドン・リッカート軍曹)

「中国の『超限戦』への備え不十分」専門家が警告

(2026年07月27日)
2025年11月1日土曜日、韓国・慶州で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、中国の習近平国家主席(左)が韓国の李在明大統領と握手を交わした。(聯合ニュース/AP通信)

下院国防法案、中国の韓国への影響力巡り調査義務付け

(2026年07月25日)
2015年6月27日土曜日、キューバのハバナで行われた記者会見で、米国上院議員団の一員が米国とキューバの国旗を交差させたピンバッジを着用している。(AP通信/デズモンド・ボイラン撮影)

米国転覆狙い共産主義を推進するキューバ 米国務省が警告

(2026年07月24日)
日本の小泉進次郎防衛大臣が、2026年5月31日(日)、シンガポールで開催されたアジアの年次防衛・安全保障フォーラム「シャングリラ対話」で演説を行った。(AP通信/アハマド・イブラヒム撮影)

小泉防衛相、核巡る議論呼び掛け GCAPやアジア連携も強化

(2026年07月23日)
リトアニアのケストゥティス・ブドリス外相は、2025年4月3日木曜日、ブリュッセルのNATO本部で開催されたNATO外相会議に出席するため到着した際、報道陣の取材に応じた。(AP通信/バージニア・メイヨー撮影)

リトアニア外相、ロシアの破壊工作は「侵略行為」 米軍駐留継続に期待

(2026年07月21日)
新華社通信が公開したこの写真は、2026年7月6日(月)、南太平洋で中国の原子力潜水艦から発射された長距離弾道ミサイルの発射実験の様子を捉えたものだ。(李向超/新華社通信提供、AP通信経由)

中露、スターリンク攻撃計画を極秘協議 軍事協力の実態判明

(2026年07月19日)
フィリピン沿岸警備隊が提供したこの写真には、2025年10月12日(日)、南シナ海のフィリピンが実効支配するティトゥ島(地元ではパグアサ島と呼ばれる)付近で、中国海警局の船舶(右)がフィリピンのBRPダトゥ・パグブアヤに向けて放水砲を発射する様子が写っている。(フィリピン沿岸警備隊提供、AP通信経由)

中国は依然国際法に違反 南シナ海仲裁判断10年で米軍

(2026年07月18日)
→その他のニュース